ドキュメンタリー「クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男」公開記念、タランティーノ作品内での古今東西の傑作オマージュ元ネタ解説
2023年7月20日 10:00

鬼才クエンティン・タランティーノの頭と心の中を出演俳優たちが暴くドキュメンタリー「クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男」。本作の公開を記念し、本作を鑑賞する上でも参考となる、映画オタクのタランティーノが敬愛する古今東西の傑作にオマージュを捧げたシーンの、代表的元ネタを紹介する。
タランティーノは映画監督になる前、ロサンゼルス南部のマンハッタンビーチにあったレンタルビデオ店「ビデオアーカイブス」に勤務しながら無数の映画を鑑賞し、映画マニアの同僚やお客たちと映画について熱く語り合ってきた。デビュー作「レザボア・ドッグス」では、チョウ・ユンファ主演の香港ノワール「友は風の彼方に」の影響を強く受けており、潜入捜査官と強盗団との友情というストーリーから、クライマックスの三つ巴で拳銃を突きつけ合うシチュエーションまで、そのまま再現されている。
2作目「パルプ・フィクション」では、ジョン・トラボルタとユマ・サーマンの有名なダンスシーンが、トラボルタ主演のディスコ映画「サタデー・ナイト・フィーバー」をベースに、フェデリコ・フェリーニ監督の「8 1/2」のダンスシーンの撮り方、振付、女性の髪型や服装にいたるまでそっくりと模倣されている。
さらに、サミュエル・L・ジャクソン演じるギャングが人を殺す前に「エゼキエル書25章17節」を長々と朗読するシーンは、千葉真一主演映画「ボディガード牙」からセリフを引用しており、千葉の大ファンだというタランティーノ監督は、4作目「キル・ビル」で、千葉が主演した時代劇ドラマ「影の軍団 服部半蔵」になぞらえ、服部半蔵役で千葉をキャスティングしている。
そのほか、「キル・ビル」では、ユマ・サーマン演じる主人公が「死亡遊戯」でブルース・リーが着用していた黄色に黒のラインが入ったトラックスーツを着ており、ルーシー・リュー演じるオーレン・イシイが白い着物姿で雪の日本庭園を舞台に戦うシーンは、梶芽衣子主演の時代劇「修羅雪姫」をオマージュしている。7作目「ジャンゴ 繋がれざる者」では、タランティーノがこよなく愛する「続・荒野の用心棒」の原題「ジャンゴ」をタイトルに使い、オープニングシーンではそのテーマ曲を使用。さらに、本家「続・荒野の用心棒」で主演したフランコ・ネロをカメオ出演させている。
タランティーノファン必見の「クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男」は、監督1作目から8作目の「ヘイトフル・エイト」までに出演した俳優陣、そしてプロデューサーやスタッフらが逸話と秘話をタブーなしで暴露するドキュメント。監督は、「6才のボクが、大人になるまで。」のリチャード・リンクレイター監督作でも高く評価されたタラ・ウッド。
8月11日からヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかで全国公開。なお、タランティーノの代表作「パルプ・フィクション」も全国36館で本作と同日の8月11日から2週間限定でリバイバル上映することが決定した。

(C)2019 Wood Entertainment
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