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中島貞夫監督が死去、88歳 「多十郎殉愛記」高良健吾が哀悼のコメント

2023年6月15日 16:40

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中島貞夫監督
中島貞夫監督

893 愚連隊」をはじめ、「木枯し紋次郎」シリーズなど1960年代から数々の傑作を残し、近年では「多十郎殉愛記」で知られる中島貞夫監督が6月11日、肺炎のため死去したと東映が発表した。88歳だった。

東京大学卒業後、1959年東映に入社し京都撮影所に配属される。マキノ雅弘、今井正両監督らに師事し、64年に「くノ一忍法」で監督デビュー。時代劇、任侠からお色気路線まで多彩なジャンルを手がけた。

主な監督作品は「893 愚連隊」(66)、「大奥(秘)物語」(67)、「日本暗殺秘録」(69)、「まむしの兄弟」シリーズ、「木枯し紋次郎」シリーズ、「沖縄やくざ戦争」(76)、「日本の首領」3部作、「序の舞」(84/インド国際映画祭監督賞受賞)、「女帝 春局」(90)、「新 極道の妻たち」(91)、「極道の妻たち 危険な賭け」(96)、「極道の妻たち 決着」(98)。20年ぶりにメガホンをとった「多十郎殉愛記」(2018)が映画作品としては最後となった。

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多十郎殉愛記」で主演を務めた高良健吾は「中島さんの現場での言葉の重みはとにかく深くて。シンプルで。一言の演出が、役を深くしていく経験は初めてでした。中島さんの映画に向き合う力を近くで感じる事ができた僕は幸せです。中島さんと過ごした時間、残してきたものは忘れません。大切にします。今日も中島さんから頂いた椅子に座ってタバコを吸っています」と中島監督との思い出を振り返り、哀悼のコメントを発表した。

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▼東映株式会社コメント
この度は中島貞夫監督のご逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します。
中島監督は、1959年に当社入社後、当社の代表作となる劇映画、またテレビ映画を数多く制作されました。まさに東映の一時代を支えてくださった監督でした。
さらに中島監督は監督業だけでなく大阪芸術大学や立命館大学でも長らく教鞭をとられ、その教室からは熊切和嘉監督、山下敦弘監督、呉美保監督、石井裕也監督など数々の才能を輩出し、邦画界に新しい息吹を与えてくださいました。
個人的には関西で勤務していた1990年代に、エキスポランドのお化け屋敷の監修で中島監督にお世話になった思い出があります。
日本を代表する偉大な監督を失ったことは大きな悲しみではありますが、日本映画界に素晴らしい財産を残してくださったことを深く感謝するとともに、衷心からご冥福をお祈り申し上げます。
高良健吾コメント全文
中島貞夫監督の現場に立てた事。中島監督の生き様、姿勢に触れることができた事。
中島監督と過ごした時間は大切な思い出です。
中島さんがご自宅で手料理を振る舞ってくれた事がありました。
今まで中島さんが親交のあった錚々たる俳優の方々も中島さんのご自宅によく集まっていたと聞いていたので、自分もその一員になれた気がしました。
そこでは、中島さんの歴史、東映の歴史の話をしていただきましたが、当時の映画の現場の熱量を体験してるのかと錯覚するくらい中島さんの話は知的で面白い。楽しい。
中島さんからは、こうらちゃんと呼ばれていました。毎回、呼ばれるたびに嬉しかった。
たまに文ちゃんと呼び間違える事があったのですが、文ちゃんは菅原文太さんの呼び名です。
その呼び間違えさえも、光栄で嬉しかった。
中島さんの現場での言葉の重みはとにかく深くて。シンプルで。
一言の演出が、役を深くしていく経験は初めてでした。
中島さんの映画に向き合う力を近くで感じる事ができた僕は幸せです。
中島さんと過ごした時間、残してきたものは忘れません。大切にします。
今日も中島さんから頂いた椅子に座ってタバコを吸っています。
中島さん。
ゆっくりしてくださいね。
ありがとうございました。

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