893愚連隊

劇場公開日:

解説

菅沼照夫の原作を「旗本やくざ(1966)」の中島貞夫が脚色・監督したアクションもの。撮影は「十七人の忍者 大血戦」の赤塚滋。

1966年製作/88分/日本
配給:東映
劇場公開日:1966年5月14日

ストーリー

谷口ジロー、参謀、オケラは、京都駅で白タクを働く愚連隊だ。ある日ジローは、愚連隊の大先輩で務所帰りの杉山に出会った。杉山は十五年の刑を終え、仲間の本村の所へ戻って来たが、かって杉山の情婦であった由美が今は本村の妻となり幸福に暮しているのを知ると、ジローらと共に白タク稼業の仲間入りをした。そんな杉山に仲間の一人ケンは、強くひかれた。終戦の落し子ケンにとって、杉山は父のように思えたのだ。一方、ジロー、参謀、オケラは、倒産寸前の西川織物の社長と組み、債権者をごまかそうと企んだが、地まわりのヤクザ王城会の黒川、玉井らにより煮湯をのまされた。せっかくの儲けをとられたジローらは、女にかけては強い大隅を使い売春組織を作って、かせごうとした。そんなジローらに杉山は反撥し、彼らとの間にギャップを深めていった。次第に杉山は、彼らの中でやっかいものとなった。そんな杉山に務所仲間の横田が仕事をもちこんだ。某製薬会社の原薬を奪取するのだ。計画は見事成功した。だがまたしても、大隅の密告により、黒川らに甘い汁を吸われた。杉山はケンらと新しい生活へ出発するため、金が欲しかった。杉山はケンと原薬を秘かに運び出そうと企てたが、黒川に見つかり殺された。ジロー、参謀、オケラの胸中もおだやかではない。初めてヤクザへの反撥が燃えあがった。製薬会社と黒川らの取引きの日、一千万円をかっぱらって、車を走らせるジローの車を追いかける黒川の車。行く手は工事中の高架線だ。ジローはハンドルをきった。追って来た黒川の車は、宙に舞い、落下した。そして、ジローの車も一千万を積んだまま、メラメラと燃えあがった。体を張った彼らの夢の最期であった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0気まずいラストカット

2022年5月31日
iPhoneアプリから投稿

今でいう半グレみたいな悪ガキたち(愚連隊)が知略だけを頼りにヤクザを出し抜こうとする映画。ヤクザ賛美の時代感の中でこういうものが出てきたのは興味深い。悪ガキたちの一世一代の大勝負が『スティング』的な大成功にもアメリカンニューシネマ的な破滅美にも帰着せず、全てを哄笑するかのような滑稽譚で締め括られるのもよかった。この気まずさは山下敦弘の初期作品にも通ずるところがあるかもしれない。

あとは印象的なショットが多かった。愚連隊が雨の日にヤクを積んだトラックを襲撃するシーンでは、街を浸す霧のせいで画面の端がぼやけてなんとも言えない不気味なアトモスフィアが生じていたし、作戦失敗後に京都市街の橋の上で愚連隊たちがつまらなそうにタバコをふかすシーンもよかった。極道という虚勢を取り払われた男はこんなにも情けないのだ。それを60年代の半ばに、深作欣二に先んじて描出していたというのがやはりすごい。

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因果

3.5モノクロ、京都を舞台に愚連隊が燻る

2018年1月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館

愚連隊といっても終戦直後の特攻隊崩れが暴れ回っていた頃とは一線を画し、俺たちは頭を使って大金を稼ぐ!と意気込む半グレ4人組。ただ不景気らしく白タクにケチな詐欺、無銭飲食と大した事はしていない。
博徒の下で丁稚から始めるのはイヤだけど、隠語や仁義の切り方などヤクザに憧れはあるイマドキ描写はいつの時代も変わらん 。
工事中の高速道路?からダイブ!
からのサイドブレーキかけ忘れ、炎上爆破強奪金パー‼のラストは良かったが、さらに1シーンつけたのは蛇足に感じるが極妻的でもある。
三国人にP音入れずに放送したWOWOWは立派

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消されるので公開しない

2.5愚連隊は死語?

2018年1月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

楽しい

ヤクザは組織に縛られるら嫌だ、と主人公(松方弘樹)はチンピラを集め、せこい愚連隊で遊んでいた。
おいしい話が舞い込むと、必ずヤクザが横車を出してくるのだが、主人公はさっさと身を引いてしまう。
そんな彼らの前に出所してきたヤクザ(天地茂)が現れる。
時代の空気が伝わってくる。

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