「インディ・ジョーンズ」シリーズ第1作「レイダース」に隠された超名作映画の“小ネタ”を知ってる? あらすじ・キャスト・トリビアまとめ
2023年5月19日 21:00
「インディ・ジョーンズ」シリーズ第1作「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」が、本日5月19日午後9時から、日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送されています(最新作「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」公開記念/封切りは6月30日)。
この記事では、あらすじ&概要、キャストや吹き替え声優に加えて、歴史的名作の誕生秘話、実は深くかかわっていた“ジェームズ・ボンドの存在”、映画史に残るアイコニックなシーンの裏側だけでなく、「スター・ウォーズ」関連の小ネタも紹介します。
「インディ・ジョーンズ」シリーズは、ジョージ・ルーカスが原案と総指揮、「ジョーズ」「未知との遭遇」のスティーブン・スピルバーグが監督を務めた冒険活劇の金字塔。ハリソン・フォードが考古学者で冒険家でもあるインディ・ジョーンズ(本名:ヘンリー・ウォルトン・“インディアナ”・ジョーンズ・ジュニア)を演じている。「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」は、同シリーズの記念すべき第1作目となる。
舞台は、第二次世界大戦がはじまる直前の1936年。考古学者のインディ・ジョーンズとナチスドイツが、「モーセの十戒」が刻まれた石板が収められ、神秘の力を宿しているという「契約の箱(アーク《聖櫃》)」を巡り、激しい争奪戦を展開する。原案はジョージ・ルーカスと「ライトスタッフ」のフィリップ・カウフマン。脚本は「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」のローレンス・カスダン。音楽はグラミー賞25回、アカデミー賞5回、ゴールデングローブ賞4回の受賞に輝く巨匠ジョン・ウィリアムズが担当している。
なお、金曜ロードショーが放送を開始したのは38年前の1985年10月4日。記念すべき第1回の放送作品は「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」だった。
インディ・ジョーンズ:ハリソン・フォード(声:村井國夫)
マリオン・レイヴンウッド:カレン・アレン(声:戸田恵子)
ルネ・ベロック:ポール・フリーマン(声:田口計)
アーノルド・トート:ロナルド・レイシー(声:内海賢二)
サラー:ジョン・リス=デイビス(声:小林修)
マーカス・ブロディ:デンホルム・エリオット(声:宮川洋一)
サティポ:アルフレッド・モリーナ(声:野島昭生)
ディートリッヒ:ウォルフ・カーラー(声:阪脩)
イートン:ウィリアム・フットキンス(声:今西正男)
企画の始まりは、1977年。「スター・ウォーズ」がアメリカで封切られる1週間前、スピルバーグとルーカスはハワイにいた。ハワイで「スター・ウォーズ」の興行収入の知らせを待っていたルーカス。彼にあわせて休暇をとっていたスピルバーグ。やがて「スター・ウォーズ」大ヒットの知らせが届くと、2人は将来作ってみたい映画の企画について話し合うことになった。
そこでスピルバーグは、ルーカスに「“ジェームズ・ボンド”映画がやりたい」と打ち明けたそう。「007」シリーズのエキゾチズム、国際的なスケールに感服していたのだ。すると、ルーカスは「007よりももっと面白いものを、10年前から用意している」と切り出した。「スター・ウォーズ」のアイデア誕生と同時期に生まれていたのが“考古学者が世界中の遺跡を発掘して、超自然の謎に挑む”という冒険シリーズものだったのだ。
第2作「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」の劇場パンフレットに掲載されているスピルバーグのインタビューには、インディのキャラクター造形についての重要な証言が残っている。スピルバーグがインディ・ジョーンズというキャラを作るうえで惹かれていたのは「ジェームズ・ボンドに対抗すること」だった。
「誰もボンドを殺せないし、止められない。でも、インディ・ジョーンズなら、多分殺すことはできないにしても、止められる。そんなふうに、私はインディを観客にとって弱い存在にしたのです。と同時に、インディをほかのスーパーヒーロー、たとえばスパイ・スマッシャー、ジェームズ・ボンド、ドク・サベージのような真面目なキャラクターにしなかったのです。彼にはユーモアがありケガをすればそれをあらわにします」
ハリソン・フォードについては、スピルバーグもルーカスも「インディ・ジョーンズを演じられる唯一の俳優」だと確信していたそう。その理由が「エロール・フリンやケーリー・グラントのような“陽気さ”と、ハンフリー・ボガードのような冷たくハードな一面を併せ持っている。ハードボイルドとロマンチックな役を同時に演じわけられる」というものだった。
本作では、ハリウッド映画史に残る“アイコニックな場面”が誕生している。それが「ムチを愛用するインディが、剣を振り回す悪者を銃でしとめるシーン」だ。
製作を務めたフランク・マーシャルは「気温約54度のチュニジアで6週間撮影していたんだが、残された日数はあと3日になってしまった」と当時の状況を説明。当初はムチ対刀剣の大立ち回りが予定されていたが、「午前中をまるまる使っても絵コンテ3枚分しか撮れなかった」と切羽詰っていたことを明かしている。
撮影が予定通りに終了しないと察したマーシャルは、昼食時にスピルバーグと相談。フォードの「気分がすぐれない」こともあり、大乱闘からトーンダウンさせようという話が持ち上がった。さらには「『ここに銃があるんだけど、これを使ったらどうだろう?』と誰かが言ったんだ」。これが鶴の一声となり、話はとんとん拍子に進んでいったという。
「契約の箱(アーク《聖櫃》)」の隠し場所として登場するのが「魂の井戸」だ。そこに登場するのが、インディが大嫌いな“蛇”の大群である。この場面のために、スピルバーグが集めさせた蛇の数は、約6000匹。種類は、コブラ、ニシキヘビ、ボアコンストリクターなど。コブラに関しては平均体長2メートルの大物クラスを選りすぐっていた(一番の大物は体長4メートル)。
専門の蛇使い&助手たちの管理下に置かれていたが、撮影当日は、スタッフ全員が特製の分厚いキャンバス地で作ったズボンと上衣を着用。膝上までくるゴム長をはいており、万が一、毒蛇にかまれた場合を考慮して、血清とともに医師が待機していた。
ちなみに、冒頭のペルー・チャチャポヤン寺院に登場するタランチュラも全てが“本物”である。
本作には「スター・ウォーズ」関連の“小ネタ”が隠されている。
まずは冒頭、アマゾンのジャングルで、インディが大空へと脱出する水上飛行機に注目してほしい。機体に描かれている文字は「OB-3PO」。これは「オビ・ワン」「C-3PO」を意識している。
続けて「魂の井戸」のシーン。ここで観て頂きたいのは、アークが安置されている背後の壁。壁一面に刻まれた象形文字と、エジプト人の壁画の中央に、R2-D2&C-3POの全身が刻まれている(祭壇の柱にも!)。
ちなみに、「スター・ウォーズ」で使用されたアイテムも活用されている。南米のジャングルと洞窟の場面。背景一面にたれさがっているツタ&シダは、「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」に使われたもの。ルーク・スカイウォーカーが辿り着いた「ダゴバ星」のジャングルにぶらさがっていたものを再利用している。
◆6月2日「リトル・マーメイド」
◆6月9日「美女と野獣」(実写版)
◆6月16日「コーダ あいのうた」(地上波初放送)
◆6月23日「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(本編ノーカット)
◆6月30日「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」(本編ノーカット)
PR
©2024 Disney and its related entities
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
ホワイトバード はじまりのワンダー NEW
いじめで退学になった少年。6年後、何をしてる――?【ラスト5分、確実に泣く“珠玉の感動作”】
提供:キノフィルムズ
映画料金が500円になるヤバい裏ワザ NEW
【12月“めちゃ観たい”映画が公開しすぎ問題】全部観たら破産確定→ヤバい安くなる裏ワザ伝授します
提供:KDDI
【推しの子】 The Final Act
【社会現象、進行中】鬼滅の刃、地面師たちに匹敵する“歴史的人気作”…今こそ目撃せよ。
提供:東映
モアナと伝説の海2
【「モアナの音楽が歴代No.1」の“私”が観たら…】最高を更新する“神曲”ぞろいで超刺さった!
提供:ディズニー
失神者続出の超過激ホラー
【どれくらいヤバいか観てみた】「ムリだよ(真顔)」「超楽しい(笑顔)」感想真っ二つだった話
提供:プルーク、エクストリームフィルム
食らってほしい、オススメの衝撃作
“犯罪が起きない町”だったのに…殺人事件が起きた…人間の闇が明らかになる、まさかの展開に驚愕必至
提供:hulu
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
文豪・田山花袋が明治40年に発表した代表作で、日本の私小説の出発点とも言われる「蒲団」を原案に描いた人間ドラマ。物語の舞台を明治から現代の令和に、主人公を小説家から脚本家に置き換えて映画化した。 仕事への情熱を失い、妻のまどかとの関係も冷え切っていた脚本家の竹中時雄は、彼の作品のファンで脚本家を目指しているという若い女性・横山芳美に弟子入りを懇願され、彼女と師弟関係を結ぶ。一緒に仕事をするうちに芳美に物書きとしてのセンスを認め、同時に彼女に対して恋愛感情を抱くようになる時雄。芳美とともにいることで自身も納得する文章が書けるようになり、公私ともに充実していくが、芳美の恋人が上京してくるという話を聞き、嫉妬心と焦燥感に駆られる。 監督は「テイクオーバーゾーン」の山嵜晋平、脚本は「戦争と一人の女」「花腐し」などで共同脚本を手がけた中野太。主人公の時雄役を斉藤陽一郎が務め、芳子役は「ベイビーわるきゅーれ」の秋谷百音、まどか役は片岡礼子がそれぞれ演じた。