「コーダ あいのうた」6月16日に金曜ロードショーで地上波初放送 2022年アカデミー賞受賞作
2023年5月19日 12:00

2022年の第94回アカデミー賞で作品賞を含む主要3部門を受賞した「コーダ あいのうた」が、6月16日の金曜ロードショーで地上波初放送されることがわかった。聴覚障がい者の家庭で生まれ育った唯一の聴者である10代の少女ルビーが、家族と自分の夢との間で葛藤するさまを描く。
本作は、フランス映画「エール!」の英語リメイク。アカデミー賞で作品賞、脚色賞のほか、耳の聞こえない父親役を演じたトロイ・コッツァーが男性ろう者として初めて助演男優賞を獲得した。
海の町で暮らす、歌が大好きな高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聞こえる。家族のために、ルビーは“通訳”となり、家業の漁業も毎日手伝っていた。新学期、合唱クラブを選択するルビー。すると、音楽のヴィラロボス先生がルビーの歌の才能に気づき、音楽大学の受験を強く勧める。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対。悩んだルビーは夢を諦め、家族の助けを続けることを選ぶ。そして合唱クラブの発表会の日がやってきて……。
フランク・ロッシ:トロイ・コッツァー
ジャッキー・ロッシ:マーリー・マトリン
レオ・ロッシ:ダニエル・デュラント
マイルズ:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ(玉木雅士)
ヴィラロボス先生:エウヘニオ・デルベス(松本保典)
コーダ(CODA/Children of Deaf Adults)とは、耳が聞こえない、または聞こえにくい親のもとで育つ子どものこと。ちなみに、同じ綴りの「CODA」は楽曲の終わりを指す音楽記号として用いられ、ひとつの章が終わり、また次の章が始まることを象徴している。

監督・脚本はテレビシリーズ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」のなどの脚本を担当、カンヌ国際映画祭出品の短編映画「Mother」を監督した、シアン・ヘダー。
常に家族の“通訳”を行い、自分の夢である歌をあきらめようとする主人公・ルビー役は、8歳から子役として活躍し、「パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉」やテレビシリーズ「ロック&キー」などに出演したエミリア・ジョーンズが演じている。ジョーンズは手話トレーニングと共に9カ月月間ボイストレーニングを行い、本作では感動的な歌声も注目を集めた。
本作では主人公の家族で、ろう者である父・母・兄の3人の役を、実際に耳の聞こえない俳優が演じている。

母親のジャッキーを演じたのは、1歳半の時に麻疹で聴力のほとんどを失ったというマーリー・マトリン。デビュー作「愛は静けさの中に」(1986)の演技が絶賛され、アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞で主演女優賞を獲得。テレビシリーズ「リーズナブル・ダウト 静かなる検事記録」でも、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされた。

父親のフランク役は、「クリミナル・マインド8 FBI行動分析課」や、「スター・ウォーズ」のスピン・オフシリーズ「マンダロリアン」、ジム・キャリー主演の映画「ナンバー23」などに出演したトロイ・コッツァー。本作でアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞で助演男優賞に輝いた。

兄のレオ役を務めるのは、手話演劇の常設劇団「デフ・ウェスト・シアター」出身で、「スイート・ライフ オン・クルーズ」「スイッチ 運命のいたずら」「YOU 君がすべて」などのテレビシリーズで活躍しているダニエル・デュラント。
ヘダー監督はキャスティングについて「耳の聞こえない人の役があるのに、耳の聞こえない優秀な役者を起用しないというのは考えられなかった」と語っている。

本作の大ファンで、金曜ロードショーのアンバサダーを務めることになったフリーアナウンサー宇垣美里のコメントが公開された。
昨年のアカデミー賞で作品賞を受賞した「コーダ あいのうた」が地上波初放送!私の大好きな作品です。
この作品は、イキイキとしたろう者を描いた作品でありながら、普遍的な誰もが共感できる親子の話でもあり、青春映画でもあり、音楽映画でもある、万人に刺さる作品になっていると思います。
特に私が好きなポイントは、手話という言語の豊かさです。実際に耳の聞こえないろう者の方が演じているという部分もあるのだと思うのですが、とにかく手話という言語がこんなにもイキイキしているのだということを私はこの作品で改めて知ることができました。
一番それを感じたシーンは、ろう者ではない主人公が「どうして歌を歌うの?歌を歌うときにどんな気持ちになるの?」と先生に聞かれて、言葉では説明できなくて手話で伝えるシーンです。彼女にとって手話は“コーダ”(ろう者の子ども)であるからこそ第一言語で、だからこそ、この気持ちを、「手話なら」表現できるというのが、それだけで伝わってくる…この言葉って何て豊かなんだろうっていうことがわかるシーンでした。
おすすめのシーンはまだまだありまして、特に皆さんに非常にささるんだろうなと思うのが、音楽発表会のシーンです。
観客の前で主人公はじめ、合唱グループのみんなが歌を歌うのですが、そのシーンの中で一瞬無音になるんです。それが主人公の家族が、その瞬間をどのように受け止めているのかっていうのを、私たちにも体験させてくれるシーンになっています。
もちろんそれは耳の聞こえる人にしか開かれていない表現ではあるのですが、それによって家族が、「彼女の歌いたいという気持ちを、どうしてわからない、理解し得ないのか?」ということが伝わってきます。
その後に、それでも「彼女がどうして歌いたいのか、歌っているときにどういう風な表現なのか?」というのを知りたくて、父親役のトロイ・コッツアーさんが手を差し伸べるシーンがあるんですけれども、もう!そこが堪らなくて…。
きっと分かり得ないし、完全に理解することはできないとは思うのですが、それでも知りたくて手を伸ばす。その姿勢というのは、こんなにも尊くて美しいんだと思いました。
本当に素敵な作品なので、多くの方に見て頂けたら嬉しいです!
◆5月26日「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」※本編ノーカット
◆6月2日「リトル・マーメイド(1989)」(アニメーション版)※本編ノーカット
◆6月9日「美女と野獣」(実写版)
◆6月16日「コーダ あいのうた」※地上波初放送
◆6月23日「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」※本編ノーカット
◆6月30日「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」※本編ノーカット
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