「アントマン」最新作登場で次の「アベンジャーズ」の方向性が見える?【コラム/細野真宏の試写室日記】
2023年2月18日 14:00

映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)(文/細野真宏)
今週末2月17日(金)から「MCU」(マーベル・シネマティック・ユニバース)の最新作にして映画「アントマン」第3弾となる「アントマン&ワスプ クアントマニア」が公開されます。
「MCU」映画と言えばスーパーヒーローらが集結する「アベンジャーズ」シリーズが一番盛り上がります。
そのため2019年に公開されて世界興行収入2位を記録している「アベンジャーズ エンドゲーム」以降、私も含めた多くの人たちが、次の「アベンジャーズ」はいつなのか、と待ちわびている状態です。
実は、ようやく本作「アントマン&ワスプ クアントマニア」が、次の「アベンジャーズ」へと続く作品になっているのです!
(C)Marvel Studios 2022「MCU」は2008年の「アイアンマン」から始まり、2012年の「アベンジャーズ」までが「フェーズ1」となっています。
2013年の「アイアンマン3」から2015年の「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」を経て、2015年の「アントマン」までが「フェーズ2」。
2016年の「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」から2019年の「アベンジャーズ エンドゲーム」を経て、2019年の「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」までが「フェーズ3」となっています。
「フェーズ4」の始まりは2021年の「ワンダヴィジョン」。この「ワンダヴィジョン」は「Disney+」用の配信作品で、ここから「MCU」自体も新たなフェーズに入っていることになるのです。
つまり、2019年の「アベンジャーズ エンドゲーム」では関連作品がすべて映画館で上映されている形でしたが、「Disney+」で配信を見ていないとわかりにくい面も出てきたのです。
「フェーズ4」は、「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」で完結。
2021年の「ワンダヴィジョン」から2022年の「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」までが「フェーズ4」となっています。
(C)Marvel Studios 2022そして、本作「アントマン&ワスプ クアントマニア」から「フェーズ5」に突入し、2024年の「デッドプール3(原題)」までの予定になっています。
この「フェーズ5」を経て、「フェーズ6」の「アベンジャーズ ザ・カーン・ダイナスティ(原題)」が2025年、「アベンジャーズ シークレット・ウォーズ(原題)」が2026年に公開予定となっているのです!
このように本作から、次の「アベンジャーズ」が大きく動き出すことになっているわけです。
ちなみに、本作の脚本家ジェフ・ラブネスが2025年公開予定の「アベンジャーズ ザ・カーン・ダイナスティ(原題)」の脚本を手掛けることも決定しているのです。
(C)Marvel Studios 2022
(C)Marvel Studios 2022さて、本作「アントマン&ワスプ クアントマニア」は、映画「アントマン」第3弾となるのですが、第1弾「アントマン」は2015年公開、第2弾「アントマン&ワスプ」は2018年公開と、やや期間が空いています。
私たちは、その間にも「MCU」に絞っても数多くの作品を見ていて、頭が混乱している面もあります。
そうなると、「あれ、そもそもアントマンってどんなキャラクター設定だったっけ?」といった状態になっている人も少なくないと思います。
ただ、心配はご無用です! 本作では冒頭に主人公のスコット・ラング (=アントマン)が、自分のこれまでを語ってくれているので、そこで大まかな設定の復習ができるのです。
私は、字幕版と吹替版を見ましたが、本作は吹替版の出来がいいですし、やや複雑な世界観なので、迷っている人は吹替版で見てみるのもいいかと思います。
(C)Marvel Studios 2022本作の最大の特徴は何と言っても、過去・現在・未来のすべての時間を操れる「MCU史上、最凶の敵カーン」が登場することでしょう。
そして、アントマンらは、「ミクロより小さな世界」へと引きずり込まれ、まるで「スター・ウォーズ」のような(見れば納得してもらえると思います)舞台で戦いが繰り広げられます。
(C)Marvel Studios 2022最後に本作の興行収入ですが、2015年「アントマン」の興行収入は12.1億円、2018年「アントマン&ワスプ」は13.2億円と合格ラインで上昇を続けている、堅調なシリーズなのです。
時間が空いてしまっている点、さらには「Disney+」の配信作品も加わったりしていて複雑化してきている面は、マイナスに働く要素になり得ます。
一方で、次の「アベンジャーズ」をずっと心待ちにしている人も多いはずで、本作がそのスタートになる点はプラスに働く要素になるでしょう。
まずは興行収入10億円を超えられるかどうかで、「MCU」映画の「配信の影響」や、次の「アベンジャーズ」への世の中の期待度を見極めることにつながるため、本作の結果には大いに注目したいと思います。
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