ロマンポルノ50周年記念プロジェクト 新作3本のタイトル、公開日、主要キャスト発表
2022年5月31日 21:00
日活が1971年に製作を開始した「日活ロマンポルノ」の生誕50周年記念プロジェクトの一企画で、昨年11月20日に、松居大悟、白石晃士、金子修介の3監督による3つの新作の製作が決定。このほど各作品のタイトル、公開日、主要キャストがお披露目された。
1作目が封切られて以降、数々の名作が誕生し、昨年の第78回ベネチア国際映画祭のクラシック部門では「(秘)色情めす市場」が初選出された。日活は、これまで以上にロマンポルノ作品の多様性・エンタテインメント性・芸術性を訴求するため、ロマンポルノ50周年記念プロジェクトを実施。現代のさまざまな生き方や個性を認め応援する、時代の「今」を切り取った新企画「ROMAN PORNO NOW(ロマンポルノ・ナウ)」を発足し、個性派の監督たちが、多彩なジャンルで女性を強く美しく描く。
第1弾は、山崎ナオコーラ氏の小説が原作となる「手」(9月16日公開)。「ちょっと思い出しただけ」(2022)の松居監督が、20代のリアルな男女の姿を巧みに映し出す。年上男性ばかりと付き合ってきた主人公・さわ子の機微を、福永朱梨(ふくなが・あかり)が豊かな感性で演じる。
第2弾は、白石監督作品「愛してる!」(9月30日公開)。ホラー・サスペンスの名手であると同時に、フェイク・ドキュメンタリーを得意とする白石監督がSM作品に初挑戦。SMプレイで身も心も抗えないほど知らなかった快感に目覚めていく主人公・ミサを川瀬知佐子(かわせ・ちさこ)が熱演。ミサをSMの世界に導いていく女王様・カノン役に鳥之海凪紗(とりうみ・なぎさ)、ミサのライバルでもあるユメカ役に乙葉あい(おとは・あい)が抜擢された。SMを通して知られざる自分の本性があらわになり、解放されていくアイドルをポップに描く。
第3弾は、金子監督作品「百合の雨音」(10月14日公開)。ロマンポルノ作品「宇能鴻一郎の濡れて打つ」(84)で監督デビュー後、平成「ガメラ」シリーズ(95~99)や「デスノート」(06)など大ヒットエンタメ作品を生み出した巨匠が原点に立ち返る。過去のトラウマから恋愛に臆病になっている主人公・葉月には小宮一葉(こみや・かずは)、憧れの上司・栞を花澄(かずみ)が演じる。ロマンポルノ作品では、女性同士の恋愛模様を「OL 百合族 19 歳」(84)以来、38年ぶりに艶やかに描く。
敬愛する相米慎二監督などが手がけた邦画の歴史あるレーベルに参加できること、光栄に思います。
「今までとは違う、新しいロマンポルノを作りたい」という結城未来プロデューサーの熱意と、繊細に紡がれた山崎ナオコーラ先生の原作に胸を打たれ、シンプルにいいチームでいい作品を作ろう、と心掛けました。
オーディションで出会った福永朱梨さんの佇まいがとにかく素晴らしく、福永さん演じる"さわ子"の感性を追いかけながら連れていってもらいました。
誤解を恐れずにいうと、これは、福永朱梨の映画なのでは、と思ってます。楽しみにしてくれたら嬉しいです!
「手」に出会った時、他人事とは思えない繋がりを感じました。
俳優と一緒にとことん悩んでくれる松居監督と心強い先輩方の胸をお借りし思いっきり飛び込ませて頂きました。
私にとって、宝物のような作品です。
ご覧いただいた方にも、大切な一本になればと願っています。
年齢も性別も関係なく、沢山の方にこの映画に出会って欲しいです。
私のロマンポルノは、未来を見ている映画です。オーディションで出会った川瀬知佐子さん、鳥之海凪紗さん、乙葉あいさんの3人が、それぞれの人生の未来に向けて、大切なものをさらけ出して全力で演技してくれたことに感謝し、この映画を3人に捧げます。ロマンという言葉にある希望のニュアンスに沿い、歴代ロマンポルノ幸福度ナンバーワンを目指してこの映画を作りました。どうぞお楽しみに。
記念すべき日活ロマンポルノ50周年作品に携われたことを誇りに思います!私自身と、演じたミサという役は共に不器用な人間ですが、その不器用な奴が発する、特別な熱量をこの作品に込められたんじゃないかなと勝手に思っています。この作品を通してミサと出会えてよかったです。劇場で是非お会いしましょう!
役作りが難しいキャラクターでしたが監督やスタッフさんと話し合ったり、監修の方にたくさんアドバイスをもらって挑みました。同年代のキャストさんたちと一緒に撮影出来て楽しかったです。皆の思いが詰まった素敵な青春映画に仕上がったと思います。
オーディションから撮影までの間、不安で押し潰されそうになりながらも、なんとか周りの方々に支えられて撮り切ることができました。私にとって、初めての挑戦が詰まった作品です。とても貴重な経験をさせて頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。たくさんのお客様に届けて、スクリーンで楽しんでもらいたいです。
33年ぶりのロマンポルノで考えたのは「愛の行為で女性は如何に輝くのか?」という観点で、美しくも切ない愛する時の姿を「心の解放」として撮りたかった。小宮一葉さんは自分自身に驚きながらもデリケートに、花澄さんは全てを思い切りさらけだしてスリリングに演じた。大人の女性同士の熟したエロティシズムを描く親密シーンでは、インティマシーコーディネーターを交えて演技環境を整え、歓び華開いた女優さんたちに感謝感激!
1人の俳優として、そして女性として、この作品を広く観ていただける女性の映画にしたいと思い、金子監督の胸をお借りして、その為に力を尽くさせて頂きました。演じている最中は役として悲しみや辛さの中にも居ましたが、出来上がった作品は、温かみやおかしみのある、金子監督らしい人間讃歌になっていると感じました。
この令和に生きていて、ロマンポルノという舟が自分の前に現れるとは想像もしていませんでした。心技体、今のわたしが持っているものは全てこの作品に込めたつもりです。金子監督をはじめ、すべてのステキな巡り合わせに感謝し、この作品が、消費とは別の、新しい女性の姿として受け入れられることを願っています。