愛してる! 劇場公開日:2022年9月30日
解説 日活ロマンポルノ50周年を記念し、それぞれ異なる個性をもった3人の監督が作品を手がけるプロジェクト「ROMAN PORNO NOW」で製作された3作品のうちの第2弾。 ドキュメンタリーの密着取材を受ける地下アイドルのミサは、SMラウンジ「H」のオーナーから、女王様の素質があると見込まれスカウトされる。困惑するミサだったが、人気女王様カノンとの出会いを通して、知らなかった快感に目覚める。そして、アイドルとSMの世界双方で上を目指そうと決意をするが……。 「貞子vs伽椰子」「不能犯」などホラーやサスペンス作品を得意とする白石晃士監督がSMを題材に取り上げ、主人公のアイドルが自分でも知らなかった本性に目覚め、解放されていく様子をポップに描いた。
2022年製作/94分/R18+/日本 配給:日活
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2022年12月24日
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鑑賞方法:VOD
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赤い!ヤバい!ミサ★ザ・キラー!!! ドキュメンタリー映画の密着取材を受けている地下アイドルのミサは、ひょんなことからSMラウンジの女王様としてスカウトされる。 そこでミサは人気女王様のカノンと出会い、今まで味わったことのない快感から次第にSMの世界に目覚めていく。 SM嬢と地下アイドル。二足のわらじで成功を掴み始めたミサだったが… モキュメンタリーホラーの名手白石晃士監督による、ロマンポルノナウプロジェクト第二弾。 途中まですっかり白石監督だということを忘れていた。 やっぱり「そんな密着絶対あり得ないだろ」という過激な映像がモキュメンタリー作品の醍醐味。 元プロレスラーのクセ強アイドルへの密着だったのが、次第に女王様になるミサの成長ドキュメンタリーへと変わっていく。 何の変哲もない(わけでもないけど)ドキュメンタリーだったはずが、高嶋政宏の登場やカノンの剃毛や放尿を境に空気感を変えていくのが面白い。 劇中、突然カノンが失踪する そして突然、ミサの自宅に現れたと思ったらライバルのアイドルユメカを奴隷にしてやってきた。 目の前で2人のプレイが始まるというまさかのNTR展開。 さらには、あの事件が起き… M側の気持ちを理解してこそ真の女王様になれる。 このようなハードなSMは自分の性癖の外側だったので、はじめはあまり理解できないかと思っていた。 しかし、プレイルームで行われること一つ一つに、次第に芸術のような整った美しさを感じるようになった。 己の中にしまい込んだ欲求を全て吐き出し、人前で自分の醜態を晒す。 人生経験としてかなり興味が湧いた。 予告でも出ていた高嶋政宏の逮捕。 正直これはギャグ程度で終わると思っていた。 しかし、彼の逮捕後の記者会見に、私がこの映画を「愛してる!」と思える全てが詰まっている。 両頬に変態という2文字の刺青を彫った高嶋政宏。 変態の何がいけないのかと必死に訴える彼の姿に不覚にもウルっときてしまった。 人に迷惑をかける変態はダメだが、変態であることには何の罪もない。 性に関してなんとなくタブー視されるこの世の中。 変態は悪口、下ネタはNGワード。 しかし、HENTAIは日本の文化だ。 顔にでかでかと変態を刻んだ高嶋政宏の目には一切の迷いはない。 そんな彼は今までで一番輝いて見えた。 武闘派のミサは正直セックスシンボルとは程遠いような存在。 だが、普段厚い殻を被っている分、それらが解放された瞬間のエロさといったら… エロスとは解放なのかもしれない。 最後のライブシーン、舞台上の2人の神々しさ。 それを見て涙を流しながら感じるユメカ。 これが邦画の良さ、そしてロマンポルノの良さかもしれない。 エンディング。 「普通にしてみる?」と始まった2人の情事。 ずっと女王様だったカノンが一瞬だけ1人の女の子になる。 ギャップ萌えで気が気じゃないエンドロールだった。
2022年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ー 縄で縛られて鞭打たれるのは、嫌だ!。 オジサンたちが嬉しそうに悲鳴を上げていたけれど、私は、性的傾向としては”S”なんだろうなあ・・。何となくは、気づいていたけれど。 今作は、自分の性癖傾向が分かる、リトマス試験紙の様な映画でもあるんだね。- ◆感想<Caution! 内容に触れています> ・私は、縄で人を縛った事はないし、縛られた事もない。だから、ヒロインのミサが、ツンと澄ました女王様カノンから縛られて行く際に、コーフンしていく気持ちは良く分からないが、こういう人もいるんだろうなあ、と思いながら鑑賞続行。 ・SMクラブの内装が、打ちっぱなしのコンクリートが剥き出しの空間にミラーボールが揺れていて、派手な音楽が流れている感じは、何となく分かる。 それにしても、SMって、何で鎖や黒いレザーを見に纏うのかな。 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの曲に、モロにマゾッホの「毛皮のヴィーナス」に影響を受けた「Venus in Furs」というSMを扱った曲があるんだけれど、歌詞が”Shiny,Shiny,Shiny boots of leather・・"という妖しいモノで、ルー・リードの気怠い歌声で歌われるんだよね。 中坊の頃に、ドキドキしながら聴いていたなあ・・。 昔からSMと言えば、レザーにブーツなんだね。 ・更にカノンのミサに対する調教は進んでいき、到頭、ヴァイブレーターで街中で弄ばれるようになる。男だから分からない・・。が、ミサは喘いでいる。 ・の間に、ミサの地下コンサートシーンなども、盛り込まれ・・。(ギャップが凄いし、物語に起伏がある。) ミサとカノンの対決(っていうか、一方的にカノンの完勝でしょう・・。)も凄いなあ・・。 ゴックン。 <と言った感じで物語は進むのだが、これがミサがプロレスラーを目指していた事もあり、ライバルのファンにラリアットをかましたり、ミサたちの服装が地下アイドルという事もあって、ポップなんだよね。 作品全体が、ポップな感じで、陰鬱でないのが良いんだなあ。 ラストは、ミサの部屋にカノンが居て、初めて笑顔を見せながら、ミサとキスをして・・。 面白かったなあ。> <2022年12月18日 刈谷日劇にて鑑賞>
2022年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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「余り情報を得ずに映画は観る」というのが信条で、ネタバレの片鱗や連想も排除したい主義の自分は、髙嶋兄が監修までしてること自体、鑑賞後に知った位である 確かにその情報は後の方が良かったと胸を撫で下ろしている。というのもそれだけ影響力の強い俳優だけに先に情報を得てしまったら、もう兄の作品としか観れなくなってしまうからだ。別に兄が嫌いなわけはないのだが、あくまで今作品のキモは、まるで少年誌から抜け出たような天真爛漫さが信条の女の子が、カルチャーギャップに驚愕しながら持ち前の体当たりで周りの空気を変えていくという王道の"少年ジャンプ路線"に他ならないと感じた次第である だから、兄の言うSM論(執筆本は未読)がどこまで落し込まれているかなんてノイズとしか思えない。要は色眼鏡で観たくないということである そんな企画だから、マーケティング的には受け入れられるストライクゾーンは広い 後は演技の問題だが、ここに引っかかりを感じた。いや、主役、敵役、サブキャラ、いずれにしても精一杯努力をしていたのは称賛したいし、きちんと及第点以上は完成している 引っかかる点は、どうしてこの作品に出演したいと思ったのかという動機である。失礼を承知で、勿論ビジネスだからという当たり前の理由は理解出来るし、プロフェッショナルの証は明白だ 只、純粋に"少年ジャンプ"と"SM"という対極の、喩えるならば囲碁と将棋の、プロレスとボクシングの異種戦に挑んだその蛮勇を訊きたいと思ったのだ 否、決して否定など毛頭無い それよりも女優としてのフィルモグラフィーに残るであろう事実を受け入れ、それがネットにTATOOのように残ることを受け入れた決意に、自分のような小心者には想像出来ない強さが伺い知れるのである 決して今作品が駄作という事ではなく、寧ろ、SMの入門として"剃毛"というプレイは理に適っていると、心の中で拍手を送る程である(先ずは羞恥、それをSが自分の身を費やして教える でも陰部の毛は直ぐ生えるけどねw) 主人公と、そのマスター、ライバル、周りの理解者と、第三者であるドキュメンタリー調を呈した撮影者 第四の壁を破る演出でリモコンバイブのスイッチを入れるのも、その羞恥心故の快楽なんていうかなり高度?プレイを披露することで、どれだけ鑑賞者がついて行けるか、その疑問をまるでスポーツ漫画のような演出や脚本で半ば強引に作劇する様は、なかなか実験的で興味深い 頑張ってのアフレコでの喘ぎ声や、決してエロティックとは正反対の健康的な裸体も、そのギャップ萌を意識した演出に、ちぐはぐさを超えたものを鑑賞させて貰った思いである フィジカルとしての快楽を探し当てる、それを自分の知らない優れたところを認めてくれるそんな人を追い求める願望を叶えてくれる"夢"をもたらしてくれる一種の"神"としてのメタファーを今作品では描いているのだろうと想像するのは穿った観方なのだろうか… まぁ、"緊縛"はオーバーリアクションだけどねw(でも、自己陶酔型はしばしばため息をつくし、盛り上がりの演出に一役買ってますけどw)