(秘)色情めす市場

劇場公開日:

解説

大阪の旧赤線地帯に春をひさぐ売春婦たちの、哀れにもドロドロとした生きざまを描く。脚本は「狂棲時代」のいど・あきお、監督は「真夜中の妖精」の田中登、撮影は「実録桐かおる -にっぽん一のレスビアン-」の安藤庄平がそれぞれ担当。

1974年製作/83分/R18+/日本
配給:日活
劇場公開日:1974年9月11日

ストーリー

十九歳のトメは、ドヤ街の近くで客をひく売春婦である。トメの弟の実夫は生まれながらの知的障害者で、年中、家でゴロゴロしている。母よねは、四十歳を過ぎた現在でも売春婦をやっているが、あふれることか多い。小料理屋「おそめ」では裏二階で、客に女を抱かせているが、トメに辞められて以来、収入が減ってしまったために、地廻りで“大人のオモチャ屋”をまかされている浅見に頼んで、トメに喝しをかけるが失敗してしまう。ある日、トメは手配写真の中にあった強盗殺人の顔にそっくりの男、寺坂に会って以来、彼に興味をもった。寺坂と同じボロ・アパートの住人、斉藤と文江は共稼ぎだが、正式の夫婦ではない。斉藤は会社の金を使い込んでしまった。思い余った文江は浅見に頼んで「おそめ」で働くことにした。銀二はよねの情夫で時折りトメの家にやって来る。ある日銀二は、よねの留守にやって来て、トメに金を払い二人は寝た。数日後、これがバレて母娘喧嘩になるが、後の祭り。ところが数日後、連れこみ旅館からの連絡で「年増はアカン、もっと若い娘」ということでトメが行ったが、そこにいた年増というのがよねだった。収まらないのはよねで、眼を吊り上げて旅館を飛び出し、焼酎をガブ飲みして大暴れ。数日後、久しぶりに家に帰ったトメは、よねがいるので、一瞬ギクリとするが、よねは弱々しい声で言うのだった。「お前に頼むしかないんや、どないにもならへん。堕ろそうと思ってるうちに、もう五ヵ月になってしまっとんのや」「うちらみたいに生んだらエーヤンか、そんなアホなこと知らんでェ」「お前らも生むんじゃなかった。金がないばっかりに」「生んで貰って迷惑しとんのは、こっちゃでェ!実夫、よう聞いときィ」「なンやてェ! このド阿呆!」「人でなしは生まれたときからや」……。トメはプイと外へ出ると、いつものように客ひきに精を出すのだった。

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映画レビュー

2.0修行のために観る類い。

2024年8月8日
iPhoneアプリから投稿

まあ確かにフランス映画っぽいが、
だからこそ全然面白くない。
当時の西成あたりの活写は歴史資料的価値あり、だが。
だったら、真性のフランス映画や坂本のどついたるねん、を再見する方が。
修行のために観る類い。

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きねまっきい

3.5母と娘、そして弟

2023年9月22日
iPhoneアプリから投稿

何なんだ、この世界観は
まるで観たことのない雰囲気であった

母親の妊娠と流産、
それを知った主人公の表情。
「私もああやったんや」
絶望を知る。

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JYARI

4.5もうひとつの昭和の原風景

2022年9月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

本サイトのニュースに釣られて鑑賞。
先週観たサバカンも昭和の風景を描いていたが、これも昭和の原風景。あの時代はこんな空気があった。
白黒の映像で、強烈な内容をマイルドに見られるようにしてくれた分、昭和の時代の生き様が心に残る。
それでも生きて行こうというたくましさも、昭和の風景。
昭和を語る上で、残すべき作品。
現代に見返して、昔のたくましさを思い出すべき。あの時代が良いとは言わないが、ハングリーさは今リストアすべき。

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morihide

4.5強烈な傑作

失望感と閉塞感漂う街とそこで生きるしかない人々の生き様を描いているが、物語は渇いてなどおらず血の通った湿り気で満ち満ちている。
印象的なシーンはたくさんあるが、知的障碍の弟をコンニャクで慰める時の芹明香の表情と「長生きしてやぁ...」の台詞が特に忘れられない。

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美味しくって体に良いハンドソープ