彼女はひとり
劇場公開日 2021年10月23日
解説
インディーズ映画界の登竜門として知られる田辺・弁慶映画祭の2019年(第13回)コンペティション部門で、主演の福永朱梨が俳優賞を受賞した作品。橋から身を投げて自殺を図ったものの、死ぬことができずに生還してしまった高校生の澄子。幼なじみの秀明が教師の波多野とひそかに交際しているという秘密を握っていた澄子は、煩わしい日々が続く中で、その秘密をネタに秀明を脅迫し始めるのだが……。監督の中川奈月が立教大学大学院映像身体学科の修了制作として手がけたもので、脚本の完成度の高さから、黒沢清作品などを多数担当してきた撮影監督の芦澤明子が参加。田辺・弁慶映画祭の俳優賞のほか、第15回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭のSKIPシティアワードなどを受賞。田辺・弁慶映画祭の受賞作品を特集する「田辺・弁慶映画祭セレクション2020」(20年11月20日~12月10日、東京・テアトル新宿)で上映され、2021年10月には単独で劇場公開。
2018年製作/60分/日本
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
日本初公開:2020年11月29日
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新人監督が大学院の修了課題として作った一時間の小品で、確かに粗い部分もあるとは思うのだが、芦澤明子撮影監督が参加しているのも納得の、確実に才能の輝きが感じられる。監督は最初はホラー・サスペンスを撮ろうとして構想を練ったそうだが、孤独をこじらせた高校生が見る殺伐とした景色と、主演の福永朱梨の孤高の佇まいがみごとにシンクロしていて、冷え冷えとした感触に魅入られてしまう。それでいてラストのほのかに見える希望にまんまとハマってしまった。いや、言い方が良くないが、まんまとと表現するほかないくらい、感動させられてしまった。安易な家族愛や友情に頼ることなく、差し出された希望があまりにもか細いからこそ、この映画を信じたいと思える。
2022年3月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
厨二病拗らせた女子高生の話かなと、軽いノリで「親密な他人」の後にみてビビった。
卒業制作で作った映画で荒削りな所も有るが脚本が良く、出演者達も後半どんどん役に入り込んで目が座ってくるのがわかる。前半説明が少なく拗れてしまった理由、関係が分かりづらいが会話の中で段々明らかになる感じもよかった。
主役の子が抱えている闇がこれで昇華されたのかは分からないが、まず口に出す事は大切だ。タイトルはまんますぎて損してる、もう少し捻った方が良いと思う。
見終わって監督のインタビュー記事を見たら、はじめ漠然とホラー映画を撮りたいと思って考え始めたそうだ。
なら尚更タイトル違うよねww
ホラーから考え始めて、ここまでたどり着いたのが奇跡じゃなく監督の才能である事を願う、次回作も観たいからね。
にしても日本映画も女性監督ぐいぐいきてるな、
楽しみだ。
2022年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
とにかく脚本が秀逸、これに尽きます。そして表情の乏しい(演技でしょう)福永さんと、なんとも情けない金井さん(演技でしょう)を見るだけで、この映画を見る価値があります。
ストーリーは好みが分かれるでしょう。決して万人に理解してもらえるようには作られておりません。
たぶん、高評価の人と低評価の人に別れると予想しております。
同じような経験を持っている人には共感されるでしょうが、そうでない人には嫌悪感で終わってしまうと思います。
その意味でも、映画館で一人で見る映画です。彼女がひとりならば、私もひとりです。
減点-0.5:撮影が雑なとことがある。残念!
2022年1月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
橋から身を投げて自殺を図ったが、死ねず生還した高校生の澄子は、幼なじみの秀明が教師の波多野と交際している証拠写真を持っていたので、その写真をネタに秀明を脅迫し・・・てな話。
福永朱梨が嫌な女子高生役を上手く演じてた。
孤独だと予想外の行動に出る子は居るだろうと思わせる作品。
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