「ndjc2021」合評上映会で団塚唯我、道本咲希、藤田直哉、竹中貞人の4監督作品お披露目
2022年2月3日 19:00
「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2021」の合評上映会が2月2日、新型コロナウイルス感染拡大防止の対策をし、来場者を絞って都内劇場で行われた。
「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」は、日本映画の振興の一環として文化庁より特定非営利活動法人 映像産業振興機構(VIPO)が委託を受け、2006年度よりスタート。次代を担う長編映画監督の発掘と育成を目指し、プロのスタッフの指導のもと、オリジナル脚本で25分から30分の短編映画を製作。同時に作品発表の場も提供している。
昨年夏に実施されたワークショップ参加者15人の中から団塚唯我、道本咲希、藤田直哉、竹中貞人の4監督を選出。脚本指導後、製作実地研修として昨年11月から順次クランクインし、今年1月の仕上げを経て完成した。
団塚監督作品「遠くへいきたいわ」は、母を亡くしたアルバイト店員の紗良と、娘を亡くした女・竹内の束の間の逃避行を描くもの。紗良を野内まる、竹内を河井青葉が演じ、フジエタクマ、津田寛治、金澤拓哉が共演している。団塚監督は「今まで実体験ベースで脚本を書いてきたが、それだけでは閉じてしまうので、もっと沢山の人に見てもらうために、好きな映画を改めて見直したりして、開いた感じで脚本を書いた」と述べた。
道本監督作品「なっちゃんの家族」は、小学4年生のなつみの突然の家出を通して、家族のあり方を描くもの。なつみを新人の上坂美来が演じ、白川和子、斉藤陽一郎、須藤理彩、山崎光が脇を固めている。道本監督は「中途半端な家族を描きたかった。直接的な暴力ではなく、会話がない家族の問題は伝わりにくいし、子供が子供らしくいられないことはすごく悲しいこと。なつみちゃんをずっと見ていたいという思いから撮りました」と思いを語った。
藤田監督作品「LONG-TERM COFFEE BREAK」は、出逢ったことのないユニークなタイプの男・直樹に惹かれて結婚した大手企業に勤めるキャリアウーマン・優子を主人公に、男女の関係、結婚観を描くもの。優子を藤井美菜、直樹を佐野弘樹が演じ、福田麻由子、遊屋慎太郎、小槙まこが共演している。藤田監督は「男女の関係を描くのなら、女性を主人公に描き、男性目線になってしまうのをどう打破できるかに興味があった。飽きさせない展開を意識した」という。
そして、竹中監督作品「少年と戦車」は、窮屈な日常やイジメに悩む中学生・田崎の思春期と向き合う壮大な精神の旅を描くもの。田崎を鈴木福が演じ、黒崎レイナ、笠井悠聖、林裕太、松浦祐也が共演している。竹中監督は「僕の中学生の時の実体験をベースに撮った」と明かし、鈴木は「僕にとってとても挑戦的な作品になったと思う」と撮影を振り返り、自身初のキスシーンにも挑戦した。
なお、合評上映会は京都、大阪、名古屋でも開催。その後一般観客向けに2月25日より角川シネマ有楽町で1週間限定公開され、大阪、名古屋でも順次上映予定となっている。
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