「クレッシェンド」「オーケストラ!」など 演奏シーンが美しい&胸を打つ音楽映画6本
2022年1月29日 11:30
指揮者ダニエル・バレンボイム率いる楽団をモデルに描いた「クレッシェンド 音楽の架け橋」が、1月28日から公開された。長く紛争の続くイスラエルとパレスチナから集った若者たちがオーケストラを結成するという実話を基にした本作の公開を記念して、演奏シーンが印象的なクラシック音楽映画を紹介する。
長く紛争の続くイスラエルとパレスチナから集った若者たちがオーケストラを結成し、コンサートに向けて対立を乗り越えていく姿を描く。ヴィヴァルディの名曲「四季」より「冬」などのクラシックの名曲が使用され、特に団員たちのやり場のない感情がぶつけられる「ボレロ」の演奏シーンが胸に響く。
劇中の楽団は、メインキャストの4人以外は本物の音楽家が演じているほか、4人の俳優以外も元々楽器演奏ができる人をキャスティングし、プロの演奏家のように見せるため、コーチを付け演奏指導をしたという。
1980年、ロシア・ボリショイ交響楽団から多くのユダヤ人が連行され、それに反対した天才指揮者のアンドレイも楽団を解雇されてしまう。アンドレイはいつか復職する日を夢見て、30年にもわたり劇場清掃員として働いていたが、ある日パリのシャトレ座から送られてきた出演依頼を見つけ、偽のオーケストラを結成することを思いつく。
音楽教師ロベルタ・ガスパーリと子どもたちの13年の軌跡を綴る感動作。「スクリーム」シリーズ、「エルム街の悪夢(1984)」などのウェス・クレイブン監督が、ロベルタの活動を記録したドキュメンタリー映画に感銘を受け、メリル・ストリープの主演で映画化した。
1980年、ロベルタはニューヨーク、イースト・ハーレムの小学校でバイオリン教室の教員を務めることに。彼女は人種差別にも負けることなく、子どもたちに音楽の素晴らしさを教える。それから10年後、ロベルタの教室が財政的事情から存続の危機にさらされる。そこで彼女は救済コンサートを開く決意をするが……。
「神童」「コドモのコドモ」などで知られる、さそうあきらのコミック「マエストロ」を実写映画化。名門オーケストラの再結成をめぐり、その舞台裏で繰り広げられる若きバイオリニストと謎の中年指揮者の真剣勝負を、松坂桃李と西田敏行の初共演で描いた。
不況のあおりを受けて解散した名門オーケストラに、再結成の話が持ち上がる。しかし、練習場は廃工場で、集まったのは再就職先も決まらずにいた「負け組」楽団員たちばかり。再結成を企画した張本人である謎の指揮者・天道は、指揮棒の代わりに大工道具を振り回す始末で、団員たちは不安を募らせるが、次第に天道の指揮に引き込まれていく。しかし、バイオリニストの香坂だけは、天道の隠された過去を知ってしまい、反発を強めていく。
音楽に触れる機会の少ない子どもたちに無料で楽器を贈呈し、プロの演奏家たちが音楽を教えるフランスの実在の教育プログラムから着想を得たフランス映画。バイオリニストとして行き詰まり、パリ19区にある小学校に音楽教育プログラムの講師としてやってきたシモンは、子どもたちに音楽を教えることに四苦八苦するが、次第に成長していく子どもたちと向き合うことで、自身もまた音楽の喜びを取り戻していく。
最初は集中力が30秒も続かない子どもたちだったが、バイオリンの才能を持った少年アーノルドを中心に、徐々に音楽の魅力と演奏に夢中になっていく。住宅街の屋上で楽器を練習するシーンは、子どもたちが心を通わせる特別な場所として印象的に描かれている。
直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の同名小説を、松岡茉優、松坂桃李、「レディ・プレイヤー1」の森崎ウィン、本作が映画初出演となった鈴鹿央士らの共演で実写映画化。ピアノの天才たちが集う芳ヶ江国際ピアノコンクールの予選会に参加する若き4人のピアニストたちが、熱い戦いの中で互いに刺激しあい、それぞれ葛藤しながらも成長していく姿を描く。
監督・脚本は「愚行録」の石川慶。劇中で奏でられるピアノの音を河村尚子氏、福間洸太朗氏、金子三勇士氏、藤田真央氏といった一線級のピアニストたちが担当している。
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