有村架純主演で「前科者」映画&WOWOWでドラマ化決定! 監督は「あゝ、荒野」岸善幸
2021年5月17日 05:00
有村架純が主演し、「あゝ、荒野」2部作で映画賞を総なめにした岸善幸が監督を務める「前科者」の映画とドラマが製作されることがわかった。「ビッグコミックオリジナル」(小学館刊)で連載中の同名コミック(原作・香川まさひと氏、作画・月島冬二氏)を原作に、有村は罪を犯した前科者たちの更生、社会復帰をサポートする保護司を演じる。
ドラマ「監察医 朝顔」の原作や、映画「クヒオ大佐」「羊の木」の脚本で知られる香川氏による「前科者」は、「第3回さいとう・たかを賞」の最終候補に選ばれた社会派ヒューマンドラマ。映像化プロジェクトの先頭に立つのは、是枝裕和監督や西川美和監督らを輩出した「テレビマンユニオン」に在籍し、「二重生活」(2016)で映画監督デビュー、「あゝ、荒野」2部作(17)で報知映画賞、日刊スポーツ映画大賞、ブルーリボン賞の作品賞に輝いた岸監督だ。これまで徹底的な取材を通して、ドキュメンタリー番組やドラマなど数多くの作品を手がけており、ドキュメンタリストとしてのリアリティの追求、映画監督としてのドラマ描写、それぞれを最大限に生かす手腕に期待が高まる。
「花束みたいな恋をした」の好演が記憶に新しく、「るろうに剣心 最終章 The Beginning」「映画 太陽の子」が控える有村は、コンビニでアルバイトをしながら保護司という仕事に就く主人公・阿川佳代を体現。保護司とは、罪を犯した者、非行に走る少年の更生を助ける国家公務員だが、報酬は一切ない民間のボランティアだ。
ドラマ版は新人保護司の佳代が様々な前科者と向き合い成長するさまを描く。今秋にWOWOWで放送・配信されるほか、放送終了後にはAmazon Prime Videoでの見逃し配信も予定されている。22年に公開される映画版では、佳代が凶悪犯罪と対峙するサスペンスが紡がれる。有村と岸監督のコメントは、以下の通り。
この作品のお話をいただいた時「保護司」がボランティアであることを初めて知りました。
前科のある人間の更生を手助けする。それって一体どういうことだろう。この作品を世にお届けすることで、様々な視点が変わるかもしれない、キャストスタッフの皆さんとこの世界に飛び込んでみたい、そういった思いを抱きました。
私が演じる主人公は、保護司ではあるけれど複雑な思いを抱えながら存在意義を探している女性。その要素を内包しつつ正義のヒーローにならないよう心がけ、距離感などは監督とその都度話し合いながら慎重に撮影を進めていきました。
キャストスタッフの皆さんとひとつひとつ大切に紡いだ日々に私の心は毎日震えていました。これから先も、ここで得られたことは忘れません。
ドラマ版から数年後の世界が、映画版となっています。2作品とも違う味わいの作品だと思いますので、両方ともご覧になっていただけると幸せです。
この作品は色んな視点から考えられる作品なので、フラットな気持ちでご覧になっていただき皆様と一緒に考えていければと思います。そして「保護司」というボランティア活動があることを知って欲しいです。
正直、まだこの作品について言葉にするのは難しくて。ですが、どこかの誰かの日常に、一筋の光が差し込んでくれる物語であることを願っています。
原作の香川まさひとさんは、私が大好きな映画「クヒオ大佐」や「羊の木」(吉田大八監督)の脚本を手がけた方です。シニカルで、悲しくて、深い余韻を与えてくれる作品を生み出してきた香川さんの思いを想像しながら、映像化にあたっては、罪を犯す人たちが置かれた“いま”を捉えたいと考えました。
重要だったのは主人公・阿川佳代のキャラクターでした。作画の月島冬二さんが描くメガネの佳代の生真面目さや芯の強さを大切に、有村架純さんと何度も話し合い、映像化ならではのキャラクターが生み出せたと自負しています。メガネの奥で輝いたり、曇ったり、怒ったり、涙に濡れる架純さんの瞳。全身で絶叫し、格闘する架純さんの姿にご注目ください。
“個”を大切にする時代に、誰かを助けるとはどういうことなのか。たくさんの方にご覧いただき、感じてもらえたら嬉しいです。
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