二重生活
劇場公開日 2016年6月25日
解説
直木賞作家・小池真理子の同名小説を、ドラマ「ラジオ」で文化庁芸術祭大賞を受賞するなど、数多くのドラマやテレビ番組を手がける岸善幸の劇場デビュー作として映画化。門脇麦演じる大学院生が近所に住む既婚男性を尾行することで、他人の秘密を知ることに興奮を覚えていく。大学院の哲学科に通う珠は、担当教授のすすめから、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する「哲学的尾行」を実践することとなる。最初は尾行という行為に戸惑いを感じる珠だったが、たまたま近所に住む石坂の姿を目にし、石坂の姿を追う。一軒家に美しい妻と娘と暮らす石坂を、珠が尾行する日々が始まった。主人公・珠役を演じる門脇は本作が映画単独初主演作。石坂役を長谷川博己、教授役をリリー・フランキー、珠の恋人役を菅田将暉がそれぞれ演じる。
2015年製作/126分/R15+/日本
配給:スターサンズ
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2021年11月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
尾行とストーカーの違い。
そんな事を気付かせることではない。
しかし哲学というジャンルはなんとも奇想天外な発想を生み出すものだ。
この映画の肝になることを、実際の学問の現場に取り込むモラルの無さはあり得ない。
しかし映画だから、どうなるのだろう興味は湧く。
まさにドリフの「もしものコーナー」だ🤣🤣🤣
どんな犯罪に当たるのだろうと考えてるとストーリーはどんどん進んでしまう。
ご注意。
たまたま近所に不倫をしている人がいたから成立したようなもので、こんな事に出くわす事はまぁ無かろう。
だから少しは興味深く観られたかな。
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大学で論文を書くことになり、そのテーマがある人物を尾行した結果を書くというもの。
段々と尾行した人物にのめり込んで行き、自分の感情をその人に重ね合わせて、深みにハマっていく。。
ていうか、探偵のプロでもない素人が尾行していたらバレますよね絶対。
バレた後のことを考えていなかった本人の考えの甘さ。
尾行された人は嫌な気しかしないですが、他人のプライベートを知られずに観察するのは身勝手ですが楽しそうで、沼にハマってしまう理由も分かる気がします。
ラストで、引っ越しの時に、棚の後ろに落ちていたデッサン画に込められた、愛しいと想う感情が画からひしひしと伝わってきて、尾行によって心が徐々にすれ違い、崩れてしまった愛の温度を感じる。
一番愛すべき目の前の人を見失ってしまうとは。。悲しきかな。
演技も良く、邦画らしい作品でした。
小池真理子原作。
大学の論文で「ストーカー」を題材にする学生、という突拍子もない展開ながら、陰鬱でじっとりした空気感、また美しいBGMは大変好み。「アンダーユアベッド」をなぜか思い出してしまっていた。
嫌々ながら、見ず知らずの人をストーカーすることにはまってしまい、壊れていくというのは良い。
めちゃくちゃ表現が文芸的。ラスト含めて、いかにも裏がありそう、内容が深そうにみせる演出ではあるが、やはり総じてみると、教授と学生が突拍子もなくて、そこのところは冷静になってしまう。
最高の雰囲気を纏った凡作といったところかもしれない。個人的には好きな映画でしたが。
門脇麦もこんな過激な作品が初主演作なんだなと。さすが演技派の彼女だと改めて感心しました。
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過去の恋愛が原因でトラウマを抱え、自分の中の空っぽさに悩んでいる珠(門脇麦)が尾行を通じて何かを見つけようとするお話。
門脇麦の演技が本当に良い意味でどこにでもいる少女のようで惹きこまれた。
珠が石坂を尾行していたように、教授も珠を尾行していたのかもしれないし、教授の奥さん役を演じていた人も教授を尾行することで何かを見つけていたのかもしれない。
教授の死は少し唐突だった気もするが、教授は前々からも自殺することを決めていたのかもしれない。
人は1人では生きられない。
だからこそ、他人のことを知りたいと思うし、好きになったり妬んだりしてしまう。
珠は人の秘密を知るという行為で、自分も他の人(卓也)に秘密を作ってしまう。
その人の全てを理解することなんてできないし、自分の全てを知ってもらうことも不可能であろう。
ハッピーエンディングという訳ではないが、鑑賞後に「観て良かったな」と思える作品。
これからの珠の人生に期待。
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