映画とスイーツのペアリングで楽しもう! 「おうちバレンタイン」にぴったりな3作
2021年2月7日 13:00
今年も、大切な人に愛や感謝を伝えるバレンタインデーが近付いてきました。例年なら、百貨店のバレンタイン催事に出かけたり、お気に入りのショコラトリーや洋菓子店で期間限定のアイテムを物色したりと、お出かけを楽しむ方も多いはずですが、今年はゆっくり外で過ごすことが難しいかもしれません。しかし、諦めるのはまだ早い! いまや“巣ごもりプロ”となっている我々には、まだ「おうちバレンタイン」という最高の手段が残されています。
「おうちバレンタイン」のキーワードは、「スイーツと映画のペアリング」。ペアリングとは、料理とベストマッチなお酒を組み合わせ、一緒に味わうこと。レストランによっては、コース料理の前菜からデザートまで、一皿一皿に合わせたお酒を提供してくれるところもあります。「おうちバレンタイン」では、スイーツが登場する映画を組み合わせることで、贅沢な時間を演出。ステイホームで、あらかじめいろんな種類やショップのスイーツを揃えられるお取り寄せ通販を利用すれば、もう準備万端です。スクリーンに映る主人公と一緒にスイーツを味わえば、物語への没入感と、甘さの多幸感に、心が満たされること間違いなし!
最初は、レイフ・ファインズ、ウィレム・デフォー、ジュード・ロウ、ビル・マーレイ、ティルダ・スウィントンらオールスターキャストが集結した、ウェス・アンダーソン監督作。ヨーロッパ随一の高級ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」を取り仕切る伝説のコンシェルジュ、グスタヴ・H(ファインズ)とベルボーイのゼロ(トニー・レボロリ)が繰り広げる奇想天外な冒険が描かれます。「ファンタスティック Mr. Fox」「ムーンライズ・キングダム」のアンダーソン監督らしさが光る、かわいらしい色彩やキッチュなアイテムが、目を楽しませてくれます。
なかでもとびきりかわいいのは、ゼロが思いを寄せる女の子・アガサ(シアーシャ・ローナン)が働く洋菓子店メンドル。トレードマークであるピンク色の菓子箱が並び、実際にこんなお店があったらせっせと通ってしまいそうです。そんなメンドル自慢の一品が、「コーテザン・オ・ショコラ」というケーキ。それぞれラベンダー色、淡緑色、ピンク色のクリームがかかった、大きさの違う3つのシュークリームが積み重ねられています。トップには、アイシングで描かれた小さな星のマークとココア豆一粒。繊細な3段重ねのケーキを、ピンクのボックスに入れ、水色のリボンをかけたら完成です。
スイーツ自体はもちろん、箱や缶などの包装に惹かれ、思わず“ジャケ買い”してしまうこと、ありますよね。そんな意味でもパーフェクトな「コーテザン・オ・ショコラ」は、グスタヴ・H氏のお気に入りスイーツとして登場。後にある事情により逮捕されたグスタヴ・H氏が、獄中に差し入れてもらい、囚人たちが一瞬でたいらげてしまうほどのおいしさです。また、メンドルのお菓子が脱獄に一役買うシーンも……! とびきりかわいいスイーツがたどる波乱に満ちた(!?)運命を、是非ご自身の目で見届けてください。
お次は、第67回アカデミー賞で作品賞を含む6部門で受賞に輝いた、誰もが知る名作。トム・ハンクスが、知能指数は低いけれど、誰にも負けない俊足とピュアな心を持った男フォレスト・ガンプ(ハンクス)を演じました。彼の数奇な人生が、アメリカ現代史と重なって展開します。
幼少期のフォレストは、母親から「人生はチョコレートの箱みたい。食べるまで中身は分からない」と教えられます。その言葉を守ろうとするフォレストの意志が表れているのでしょうか、彼が最愛の人ジェニー(ロビン・ライト)にプレゼントするのは、いつだってチョコレート。幼なじみのふたりは、ある時から別々の人生を歩むことになりますが、再会する時にはチョコレートが必ずそばにあるのです。
チョコレートの箱って、繊細に作られた、様々な色や形のものがずらりと並んでいて、眺めるだけで胸がときめきますよね。筆者もバレンタインシーズンには必ず2~3箱のチョコレートを買って、1日1粒というルールで(たまに我慢できないときもありますが……)、春先まで楽しむのが恒例行事になっています。好きな味を選ぶのもいいですが、気になっていたショップの通販やお取り寄せサイトを利用して、食べたことのなかったチョコレートとの“一期一会”を楽しんでみるのも楽しそう。
最後は、“永遠の妖精”オードリー・ヘプバーンとグレゴリー・ペックが共演した、映画史に残るロマンティックコメディです。公務でヨーロッパを周遊する某小国のアン王女(ヘプバーン)は、常に侍従がつきまとう生活に嫌気が差し、滞在中のイタリア・ローマで大使館を脱出。偶然出会ったアメリカ人の新聞記者ジョー(ペック)が、アン王女の1日限りの冒険に同行します。
自由を手にしたアン王女は、普通の女の子としての1日を満喫。ヘアサロンで長く美しい髪をショートにすると、首に当たる風に慣れないのか、少し首元を気にする仕草がとにかくチャーミングです。そして、足の向くままにたどりついたスペイン広場前のワゴンで、ジェラートを購入。モノクロ映画のため、アン王女がどの味を選んだのか明確にはわかりませんが、白っぽく見えることから、定番のミルクジェラートといわれているようです。王女の身分から解放され、ショートカットにして生まれ変わったような気分になった彼女にとって、ジェラートはまさに“自由”を象徴する甘美な味がしたことでしょう。
オードリーといえば、「ティファニーで朝食を」でティファニーのショーウィンドウを眺め、パンをかじり、コーヒーを飲む場面も有名ですよね。カジュアルな食べ歩きが、こんなにも特別で、誰もが憧れるシーンになったのは、オードリーのキュートな魅力があればこそ。そう考えると、オードリーは食べ歩きで華麗な女優人生を切り拓いたといっても過言ではないのかも!?
残念ながら2019年に、ローマではスペイン階段での飲食や座りこみが禁止されてしまいました。現地での完全再現が叶わぬいま、ローマの様々な観光名所をめぐる旅行映画でもある「ローマの休日」を見ながらジェラートを食べて、おうちでオードリー気分になるのはいかがでしょうか。
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ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
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