マイルズ・ロビンス「ダニエル」で重視したのは“共感性” 日本カルチャーにドハマりな一面も

2021年2月3日 19:00

マイルズ・ロビンス
マイルズ・ロビンス

心に傷を抱えた青年と、圧倒的カリスマ性を持つ妖しくも美しい“空想上の親友(イマジナリー・フレンド)”の関係を描いたスリラー「ダニエル」が、2月5日に封切りを迎える。同作では、アーノルド・シュワルツェネッガーの息子パトリック・シュワルツェネッガーティム・ロビンススーザン・サランドンの息子マイルズ・ロビンスという「世界的二世俳優」同士の共演が実現している。今回、日本公開を記念し、マイルズ・ロビンスへのリモートインタビューを試みた。

暗い幼少期を過ごしていたルーク(マイルズ・ロビンス)の支えは、ダニエルパトリック・シュワルツェネッガー)という自分以外には見えない親友の存在だった。ある事件をきっかけにダニエルを封印したルークだったが、時が経ち不安と孤独に苛まれ、長年の封印から彼を呼び戻す。やがて、ルークの人生は順調に進み始め、いつしかダニエルを必要としなくなる。だが、ダニエルはそれを許さず、次第にルークを支配しようと動き出す。

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淡いトーンの日本版ポスターは、ブロマンス的展開を想起させる。しかし、本作はそこから一段、二段と飛躍し、グロテスクな“狂気の世界”へと突入していく。鑑賞時には、思わずこう呟いていた――「騙された…」と。勿論“良い意味”でだ。作品が内包した不穏さは、ファーストシークエンスから如実に感じられ、観客は奈落の底へと徐々に誘われていくのだ。監督のアダム・エジプト・モーティマーは、オフィシャルコメントで参考にした作品を明かしている。そのタイトルを見れば特異性に気づくはずだ。

ジェイコブス・ラダー」「ファイト・クラブ」「レクイエム・フォー・ドリーム」をあげつつ、撮影ショットで引用したのは「エクソシスト」と告白。また、キャラが語るシーンを“いかにエキサイティングに表現するか”という点で「BUG バグ」「真夜中のパーティー」。「パンズ・ラビリンス」「ガーゴイル」「RAW 少女のめざめ」、そして「モダンホラーの可能性に気づかせてくれた」という理由で「マーターズ(2007)」という極悪なタイトルまで……。これらの“養分”が凝縮された「ダニエル」。油断は禁物。一筋縄ではいかない作品であることがわかるだろう。

マイルズ・ロビンスは、モーティマーが構築した独自の世界観をどうとらえていたのだろうか。


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――脚本を読まれた感想、どのようなポイントに心惹かれましたか?

このストーリーに惹かれた理由として、今は多くの人、特に若い男性が暴力的に振舞ってしまうようなことがありますが「それは悲しみからくるもの、表面的だけではないものも多いのではないか」と思っています。言い換えれば、この作品も表面化していない、内なる闇みたいなものを、2人のキャラクターとして描いている。そこがとても面白いんです。大きな社会問題についてのメッセージを伝える際、ホラーというジャンルで描くことは、あまり上から目線でなく、かつ面白さも含ませて伝えることができるのでとても良いことだと思っています。

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――マイルズ・ロビンスさんと同じく、素晴らしい両親を持つパトリック・シュワルツェネッガーさんとの共演はいかがでしたか?

パトリックは本当に良い人で、心が広く、勤勉です。今回はリハーサルの時間を沢山一緒に過ごすことができたので、彼の動きをよく観察することができました。ダニエルはルークのイマジナリーフレンドなので、1つの同じものの「2つの側面」を表現しなければならなかったんです。一番時間をかけたことは、お互いに居心地が良くなるまで練習をしたこと。役者の中には、自分のことだけしか考えない人も多いんですが、彼が非常に良い役者だと言える理由は「シェア」してくれるからです。僕たちは、ずっと「分かち合う」練習をしていたのかもしれませんね。

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――後半に向かうにつれ、精神的に追い込まれるような部分もあったと思います。撮影中は、役と自分自身を切り替えるようにされていましたか?

やはりすごく大変でした。人生と役者の練習は分けなければならないという点に、学びがありました。普段からお風呂に入ることがが好きなんです。切り替えには、入浴が重要になっています――(日本語で)銭湯、大好き!

――ご両親のティム・ロビンスさん、スーザン・サランドンさんから「役者」として学んでいる部分、教わったことはありますか?

役者であることについて、両親から特別に教わったり、学んだりしたことはありません。ただ、親の存在があったからこそ、役者という仕事に対して「恐れがない」という点はあるのかもしれません。今回の作品も見てもらいましたし、自分がこの仕事を楽しんでやっている姿を見てくれたから、きっと誇らしく思ってくれているはず。そもそも僕が役者になったきっかけは、アクシデントのような部分もあったので、両親から「役者になれ」と言われたことは一度もありません。僕が他のどんな仕事をしていたとしても、両親は応援してくれていたと思います。

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――モーティマー監督は子どもの頃にイマジナリーフレンドをいたそうです。実体験に基づくアドバイスはあったのでしょうか?

監督の経験については知らなかったですね。僕自身はイマジナリーフレンドがいたことはありません。ただ、勝手に友人だと思っていたけど、友人じゃなかった……というような体験は何回かしていますよ。結構辛い発覚でしたけどね。

――イマジナリーフレンドはいなかったと仰りましたが、子どもは見えないものが見えたりして、両親を驚かせたりすることがあるとと思います。マイルズさんは、どんな子どもだったんでしょう?

一度幽霊を見たことはありますが、その後は一度も見ていません。僕のことが好きではないのかもしれませんね(笑)。10歳頃の話です。夜中に目覚めたら彼(=幽霊)がいて「Hello!」と声を掛けましたが、どうやら言語が通じていないようでした(笑)。

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――モーティマー監督は、本作の重要なキーワードとして「共感性」という要素をあげています。作品を形作るうえで、どのようなことを話し合いましたか?

「共感性」というキーワードは、僕にとって、とても重要なものでした。特に僕の演じた役柄は、孤独だからこそ周りから影響を受けやすいような若い男性だからです。アメリカでは、簡単に影響を受けてしまうがために、暴力的になってしまう若い男性がとても多いように思います。

例えば、インターネットの掲示板だったり、アングラな部分に触れているうちに、ミソジニスト(女性差別主義者)になったり、レイシスト(人権差別主義者)になったりするようなことが増えています。彼らに対して「共感」しながら、彼らを理解できるような作品を作ることによって「社会を変えていくことができないか」と考えていました。

実際に、リサーチとして、ニュースやインターネット掲示板をのぞき見したんです。そこには、心配になってしまうようなコメントが多く見られました。でも、彼らの現実を少しでも理解し、「共感」できるようになったと思います。

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――製作を務めたのは「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのイライジャ・ウッドさんです。どのようなお話をされましたか?

音楽の話をよくしていましたね。彼はレコードコレクターで、とっても良い人で趣味も最高です。あまり映画の話はしませんでした(笑)。僕の夢は、いつか彼と日本のミュージックバーに行くことです。

――これからさまざまな役柄に挑戦していくと思いますが、俳優としての理想像はありますか?

理想としては、日本に住みたいんです。NHKの番組でバカな外国人の役なんてやってもいいかもしれない(笑)。特にこうなりたいという細かいプランがあるわけではないです。今は、高円寺にある大好きな銭湯に行けなくて悲しい思いをしています。日本でのキャスティングがあれば、是非声をかけてください(笑)。

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――日本語が本当にお上手ですよね。ご自身で勉強されたのでしょうか?

学校でも少し学びましたが、基本的には独学です。18歳の頃、バックパッカーとして日本に行きました。その時は、下北沢のイケてるレコードバーにも行きましたし、アメリカに山下達郎のレコードを持ち帰ったり―ー日本のシティポップにもハマっています。日本へ最後に行ったのは、2年前の夏。バンドメンバーと一緒にライブをしにきました。日本語はそんなにわからないのですが……唯一僕がわかるのは「おかわり」と「この音楽ヤバいね」だけです(笑)。

(映画.com速報)

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