ギレルモ・デル・トロ監督のSFホラー「ミミック」がテレビドラマ化
2020年8月7日 12:00
[映画.com ニュース] メキシコの鬼才ギレルモ・デル・トロのハリウッド進出第1弾として知られるSFホラー映画「ミミック」(1997)のテレビドラマ化が準備されていると、米Deadlineが報じている。
「ミミック」とは、遺伝子操作によって作られた昆虫がニューヨークの地下鉄で繁殖するというSFホラーで、メキシコで製作したホラー映画「クロノス」(1992)で注目されたデル・トロ監督がハリウッドに招聘されて製作した作品だ。ミラマックスのジャンル映画部門ディメンション・フィルムズが製作したが、デル・トロ監督には最終編集権(ファイナルカット)が与えられなかったため、本人は劇場公開版を不服としていることで知られている。
ミラマックス・テレビジョンは現在、同作のテレビドラマ化の企画開発を行っており、「ハンニバル」「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」のジム・デンジャー・グレイがパイロット版の脚本を執筆中だという。演出は「バイオハザード」シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督が手がけ、パートナーのジェレミー・ボルトと共同で製作総指揮を務めることになるという。
アンダーソン監督は、「昆虫の世界は、長年にわたり私を魅了してきました」とドラマ版「ミミック」への参加理由を説明。「人類よりもずっと前から存在していて、人類が滅んだ後もずっと生き延びるであろう小さな生き物の力強さと組織力にひかれています。ジムやミラマックスのような素晴らしいパートナーと一緒に、この世界に飛び込むことができてワクワクしています」と意欲を見せている。
ミラマックスは、1979年に映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタインとボブ・ワインスタインの兄弟が立ち上げたインディペンデント・スタジオで、スティーブン・ソダーバーグ監督の「セックスと嘘とビデオテープ」やペドロ・アルモドバル監督の「アタメ」、ニール・ジョーダン監督の「クライングゲーム」などの話題作の配給でその名を轟かせた。
93年にディズニーが買収すると、映画製作を積極的に手がけるようになり、「イングリッシュ・ペイシェント」「恋に落ちたシェイクスピア」「シカゴ」などアカデミー賞作品を連発。だが、親会社ディズニーとの対立がきっかけで2005年に舵取り役のワインスタイン兄弟が離脱し、勢いを失う。一方、ワインスタイン兄弟が立ち上げたワインスタイン・カンパニーも、17年に明らかになったハーベイ・ワインスタインによるセクハラや性的暴行により倒産している。
ミラマックスに関しては、ディズニーは10年に投資会社に売却。現在は、中東のメディア企業beIN Media Groupと、米バイアコムCBSの合弁会社になっている。