音が瞬間を永遠にする――名作映像にのせ、ルーカス&スピルバーグが映画音響を語る予告編
2020年7月22日 08:00
[映画.com ニュース] ハリウッドの映画音響に焦点を当てた世界初のドキュメンタリー「ようこそ映画音響の世界へ」の予告編がお披露目された。映画史に残る名作の“音”が重要なシーンの数々とともに、音響の重要性を語るジョージ・ルーカス監督、スティーブン・スピルバーグ監督らの言葉がおさめられている。
映画音響とは、音楽はもちろん、登場人物の声や環境音、効果音など、映画における音の全てを指す。そんな奥深い世界へと誘う本作では、ルーカス、スピルバーグ、バーブラ・ストライサンド、デビッド・リンチ、アン・リー、ソフィア・コッポラ、ロバート・レッドフォード、ライアン・クーグラーといった世界的に活躍する監督たちや、「スター・ウォーズ」(1977)などを手掛けたベン・バート、「地獄の黙示録」(79)のウォルター・マーチ、「ジュラシック・パーク」(93)のゲイリー・ライドストロームといった映画音響界のスペシャリストたちへのインタビューが収録されている。
さらに、映画音響の進化において大きな偉業を残した「キング・コング」(33)、「市民ケーン」(41)、「鳥」(63)、「ゴッドファーザー」(72)といった往年の傑作から、第91回アカデミー賞で最多ノミネートとなったことでも注目を集めた「ROMA ローマ」や、今年続編が公開される「ワンダーウーマン」(17)といった近年の名作まで、様々な映像をふんだんに使用。知られざる映画音響の歴史を辿りながら、音が作品にもたらす効果を紐解いていく。
「地獄の黙示録」のワンシーンでスタートする予告編では、「スター・ウォーズ」「ブラックパンサー」「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」などの映像を活写。コッポラ監督は「(音は)映画を左右する」と語り、ルーカス監督も「音は感情を伝える」とその重要性を訴える。観客のイメージを膨らませ、感情を揺り動かす未知の音を作り出す音響技術者たちの姿も登場。1927年に初めてのトーキー映画が誕生し、ハリウッド・ルネサンスの時代を経て、日々発展し続ける映画音響の世界の一端が垣間見える。映像は、スピルバーグ監督の「音が瞬間を永遠にする」という印象的な言葉で締めくくられている。
「ようこそ映画音響の世界へ」は8月28日から、東京の新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、立川シネマシティほか全国で順次公開。