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解説

ハリウッドの映画音響にスポットをあてたドキュメンタリー。1927年に初のトーキー映画「ジャズシンガー」が誕生して以来、常に進化を続けている映画音響。本作では「キング・コング(1933)」「市民ケーン」「ROMA ローマ」など、新旧名作群の映像を使用し、映画音響の世界を紹介。ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ、デビッド・リンチ、クリストファー・ノーランら監督陣、「スター・ウォーズ」のベン・バート、「地獄の黙示録」のウォルター・マーチ、「ジュラシック・パーク」のゲイリー・ライドストロームといった映画音響界のレジェンドたちのインタビューを盛り込み、映画における「音」の効果と重要性に迫っていく。

2019年製作/94分/G/アメリカ
原題:Making Waves: The Art of Cinematic Sound
配給:アンプラグド

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映画レビュー

4.0音は映像並みに重要

2020年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画における音は、映像の従属物扱いを受けがちなところがある。「あの映画の、あのシーンすごい映像だったね」と感想を言い合う光景はたくさん見かけるが、「あの映画の、あの音すごいね」とはなかなか言ってもらえないように映像ほどに注目してもらえない(音楽は別だろうが)。でも映画において、実は音は映像並みに重要なのだ。少なくとも名だたる巨匠はそのことをわかっている。このドキュメンタリー映画を見るとそれがよくわかる。
この映画は、あの映画の名シーンにさりげなくついている効果音があるからこそ、感動的なのだという瞬間をいくつも見せてくれる。音がないと陳腐な映像も絶妙な効果音で見違える。
筆者は自然音が効果的に使われる作品がすごく好きだ。この映画で取り上げられている作品だとアルフォンソ・キュアロンの『ROMA/ローマ』あたりだ。環境音がたんなる雰囲気作りだけでなく、感情を高める効果に使われている作品だった。
近年、ドルビーアトモスなどの特殊音響上映が人気になっているので、音への注目度が上がっている。良いことだと思う。音を知ると映画の感動はもっと深まる。この映画を見て、映画の感動をどんどん深めてほしい。

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杉本穂高

4.0コレを観ればアカデミー賞の音響部門への興味が倍増!

村山章さん
2020年9月30日
PCから投稿

音響効果スタッフとして経験を積んだ監督が、ハリウッド業界人の協力を得て、映画音響の歴史と魅力を伝えてくれるドキュメンタリー。ハリウッドでも70年代まで映画のサウンドトラックがモノラルだったという話に驚いたが、とにかく普段はあまり意識されることのない映画音響の入門編として、最高の入口になってくれる。

音響の効果を伝えるために、映画館の音響設備を前提に作られているので、5.1chのホームシアターが用意できないなら、映画館で鑑賞するのがマストだろう。どこでも上映しているような作品ではないので、近場の映画館でやっていたらすぐにでも飛び込んだ方がいい。

ただドキュメンタリーとしては不満もある。入門編としての役割に重きを置いているからか、広範な音響の役割を総ざらいしようとしたせいか、もっともっとマニアックに掘って欲しいと思ってしまう要素がサラッと処理されてしまう。その代わりに音響スタッフたちが仕事のやり甲斐を語り、感動的に盛り上げたりもするのだが、仕事そのものが充分に感動的なので、テクニカルな部分こそ、さらに深層まで知りたいと思ってしまう。

まあ、掘り始めたらキリがないのとは思うので、第二弾、第三弾もぜひ作って欲しいところ。さすがにマニアック過ぎて望み薄かも知れませんが。

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村山章

4.0音でたどる映画の歴史。メジャー作品が多く、実際の映像を見て(聴いて)いるだけで楽しい

2020年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

著名スタッフの貴重な証言を交えながら、映画のサウンドデザインの歴史とこだわりを知ることができるドキュメンタリー。無音声、トーキー、5.1chサラウンドと、裏方スタッフの試行錯誤によって映画の音響が進化していったことがよく分かります。
エポックとなった映画の映像と音がぜいたくに使われていて、それを実際に映画館の音響で聴くことができただけで、良い体験ができたなと思いました。開始早々、音響目当てで映画を複数回見るきっかけになった「プライベート・ライアン」の戦場の音について触れられていたのが、個人的に嬉しかったです。
取り上げられているのは、「スター・ウォーズ」「地獄の黙示録」「エレファント・マン」「ジュラシック・パーク」「トイ・ストーリー」「インセプション」「ブラックパンサー」などメジャー作品が中心。少しでも映画の音に関心がある方に、広くお勧めできる1本です。

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五所光太郎(アニメハック編集部)

3.5明日から映画の見方、聴き方、感じ方が変わるかもしれないドキュメンタリー

2020年8月29日
PCから投稿

かつてスピルバーグはTV番組「アクターズ・スタジオ・インタビュー」の中で、映画をよりよく理解するためのアドバイスとして「試しに音を消して観てごらん。映像がどうやって繋がっているかよくわかるから」と語ったことがある。これは裏返すと「音」の影響力がそれほど巨大なものであることの証だったのだなと、本作を見て改めて感じた。

本作は映画の「音」を巡るドキュメンタリー。サイレントとして始まった映画技術が、やがてトーキーとなり、音楽や効果音を用いるようになり、さらには立体的かつ迫力ある音の響きがより大きなファクターとなって現在に至るまでを、様々な音響技師の功績に触れながら描いていく。歴史的名作から超大作まで、登場するフッテージは盛りだくさん。スピルバーグ、ルーカス、ノーランら重鎮たちも映画音響の重要性やこだわりを熱く語る。「音は感情に直結する」。誰かが本編中で口にしたそんな言葉がとりわけ胸に刻まれた。

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牛津厚信
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