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劇場公開日:

解説

突如として凶暴化した鳥の大群に襲われる人々の恐怖を描いた、アルフレッド・ヒッチコック監督による名作パニックスリラー。ダフネ・デュ・モーリアの短編小説を原作に、推理小説作家エバン・ハンターが脚色を手がけた。新聞社の社長令嬢メラニーは、ペットショップで知り合った弁護士ミッチに興味を抱き、彼を追ってボデガ湾沿いの港町を訪れる。その町で、メラニーは突然舞い降りてきた1羽のカモメに額をつつかれてしまう。翌日、ミッチの妹キャシーの誕生日パーティで、カモメの大群が子どもたちを襲う事件が発生。夜には無数のスズメがミッチの家に侵入し、その後も町のあちこちで鳥の大群が人間たちに襲いかかる。

1963年製作/120分/アメリカ
原題:The Birds
配給:ユニヴァーサル
劇場公開日:1963年7月5日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第36回 アカデミー賞(1964年)

ノミネート

特殊効果賞  
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写真:Album/アフロ

映画レビュー

4.0原初的な恐怖を描くために駆使された最新テクノロジー

2019年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

ヒッチコックを語るときに欠かせないこの怪作。フィクションを扱った原作モノでありながら、しかしヒッチコックは実際に起こった鳥の大量発生や襲撃事件を周到に調べ上げ、「現実に起こりうること」として内容を膨らませていったそうだ。

改めて鑑賞してハッと気づくのは、全編を通して全く音楽が存在しないこと。代わりにドイツで探し出した電子楽器を用いて鳥の鳴き声をサンプリング加工することで、これまでにない不気味な音響効果をもたらし、さらにこれを駆使した冒頭の鳴き声の連なりは、さながら不気味な現代音楽のようにも聴こえてくる。

また、当時の未成熟な特殊効果をどうすべきかという課題も彼らの頭を悩ませたが、結果的にディズニーが開発した特殊効果を採用することで、おびただしい数の鳥が画面に違和感なく溶け込む状態を創り出した。こうして未だに人々を震撼させ続けられるのは大したもの。見るたびに新たな発見が得られる一作だ。

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牛津厚信

5.0王道の作品

2023年12月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

さすが名作と謳われるだけある。こわっ。見る度に増えていくカラス、始めは何とも感じなかったのに、カットが変わるごとに募る恐怖。鳥が1羽2羽なら怖くないのに、あんなにいると身の毛がよだつ。あれだけの数の鳥…CGもない時代によく撮れたものだ。なんか裏技があるんでしょうね。

ヒロインが美人なのに、悩みを抱えているのも、人物造形に深みがある。体にフィットしたスーツに、ヒールの足、隙なくセットした髪型…惚れてまうわ。ラスト、遠ざかる車が光の方へ向かっていくところは、ほっとした。怖いだけじゃなく救いもあるのが良い。

いやー、しみじみヒッチコックはすごい。

NHK BSの放送を録画にて。

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ぷにゃぷにゃ

4.5おかしいです、視聴中暖房器具をつけて暖かい格好をしているにも関わらず、つねに鳥肌が立っていることが…

2023年11月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

なんだろう…胸がずっとザワザワしました。ミッチのお母様と同じ気持ちになりました。

きっと音がないからでしょう…、
素晴らしいレビュアー様たちがおっしゃる通り

「音がない」んです。盛り上げるために激しいBGM流したり、音でびっくりさせる手法で
(名前忘れましたが汗)

そういったやり方が一切なくて、ただ自然の音。例えば鳥の鳴き声だったり、風の音?だったり、

とにかく不気味なんです。
とにかく、 不  気  味  なんです…。

それが自分には怖すぎて、ずっっと鳥肌が止まりませんでした。

やっとこさ、もはやヒッチコック監督の虜です…遅い…。

次はウ○ーリーを探せ、ならぬ、ヒッチコック監督がどこにいるか探すとしましょう。

確かワンちゃんを2匹連れている方とのこと…。

---

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---

(さいごに、

アニーを○さないでほしかった、泣)

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tabotyoko

3.5鳥が襲ってくるホラー

2023年11月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

興奮

 最初はとても退屈だった。何故なら、最初はこの映画がどういうものなのかが掴みにくかったから。
 主人公の美しい女性は親が太い典型的な自由奔放なアメリカ娘だが、そんな彼女が恋に落ちて、男の歳の離れた妹に鳥を贈るというのが冒頭のあらすじだが、ヒッチーの癖に全く怖くない。小粋で軽快な会話をダラダラ続けていて全然面白くなかった。さらに、これは彼の映画の持病なのだが、出てくる人物がステレオタイプ過ぎて共感できない。ところが、中盤になると、ぐんぐん面白くなっていった。
 この映画は簡単にいうとゾンビではなく鳥が人を襲うホラー映画だ。ヒッチコックはたくさんの鳥が人間を襲うという実際の事件の恐怖以外にも、田舎者ならではの排他的な雰囲気や、当時の典型的な女性の持つ、弱さ故の凶暴さなども描こうとしていたが、どれも大量の鳥が人を襲うことよりは恐ろしくなかった。でも、ホラー映画にはそういう要素を持たせることができると学べた。
 この映画を観て僕は、改めてヒッチコックは魔法使いだと思った。彼の作る映画は、印象に残るシーンには必ず、力強く彼ならではの独特で力強く、雄弁な映像を仕上げてくる。それを観ると、映像の魔法とはこのことかと納得できる。
 ヒッチコックの映画に出てくる女優は演技のできないイメージがあるが、ティッピ・ヘドレンはできる人だった。表情の演技が良かった。
 それ以外には何もなかったが、純粋な映像体験だった。ヒッチコックの魔法を今までで一番濃く感じた。

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