山本政志監督の新作に、南果歩&いとうせいこう&柄本明 大豪邸に暮らす離散寸前の家族を描く
2019年9月4日 08:00
[映画.com ニュース]「ロビンソンの庭」「水の声を聞く」などで知られる山本政志監督の約5年振りの新作「脳天パラダイス」が2020年に公開することが決定した。南果歩、いとうせいこう、村上淳、古田新太、柄本明らが共演し、大豪邸に暮らす、離散寸前の家族の物語を紡ぐ。
高度経済成長の時代に取り残されたマイノリティを描き、第32回ベルリン国際映画祭と第35回カンヌ国際映画祭に出品された「闇のカーニバル」で鮮烈なデビューを飾った山本監督。第37回ベルリン国際映画祭のzitty賞、第42回ロカルノ国際映画祭の審査員特別賞に輝いた「ロビンソンの庭」で、1980年代のインディーズムーブメントの中心となり、その後も全米10都市で公開した「ジャンクフード JUNK FOOD」や「LIMOUSINE DRIVE」などを次々と発表し、注目を浴びた。
第65回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に正式出品され、「第88回キネマ旬報ベスト・テン」(日本映画)で第9位を獲得した「水の声を聞く」以来、約5年振りの監督作となる「脳天パラダイス」。山本監督は「どこまでせせこましく、窮屈な世の中にしていくつもりだろう。世界はバカになってしまうのか? じゃ、これを上回る大バカ映画で、バカ世界を吹き飛ばしてみよう。『脳天パラダイス』始動!」とコメントを寄せている。
物語の舞台は、東京郊外にある大豪邸。父・修次の破産により引っ越しを控えた笹谷家の面々は、それぞれの思いに沈んでいた。娘のあかねは、ふがいない父にいら立ちながら、やけくそ気味に「今日、パーティーをしましょう。誰でも来てください」とTwitterに投稿。そして、一家離散の危機に直面した家族の前に次々と珍客が訪れ、どんちゃん騒ぎが繰り広げられていく。客たちを追い出そうとする修次だったが、かつて恋人を作って家を出た元妻・昭子が現れる。
ギャグを交え、現実と虚構を縦横無尽に渡り歩く斬新な作風で知られる注目の演劇ユニット「コンプソンズ」の作・演出を担う金子鈴幸が、脚本を手掛ける本作。脚本に惚れこんだという南が昭子、作家やクリエイターとしても活躍するいとうが修次を演じる。柄本が謎のホームレスに扮するほか、引きこもりの息子・ゆうた役の田本清嵐(「アイムクレイジー」)、あかね役の小川未祐(「よこがお」)が出演。「最初の晩餐」が控える玄理、「初恋」の村上、「DESTINY 鎌倉ものがたり」の古田が脇を固める。
「脳天パラダイス」は本日9月4日に都内でクランクインし、20年に公開となる。
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