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“邦題”のテクニックにしびれる! 洋画邦題オブザイヤー2018結果発表

2018年12月31日 00:00

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テクニックに脱帽する邦題に絶賛集まる
テクニックに脱帽する邦題に絶賛集まる
(C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved. (C)Frenesy, La Cinefacture (C)2017 - Meridian Entertainment - Senorita Films SAS

[映画.com ニュース] 心に残った2018年公開洋画の邦題をTwitterで募集する「洋画邦題オブザイヤー2018」を、今年も実施しました! 第2回となる今回は、昨年よりも多くのご応募をいただき、誠にありがとうございました。ユーザー、読者の皆様には、この場を借りて御礼申し上げるとともに、結果発表をさせていただきます。第1位に輝いたのは、果たしてどの洋画なのでしょうか……まずは第3位からです!

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■第3位「暁に祈れ」(原題:A Prayer Before Dawn/配給:トランスフォーマー、12月8日公開)

タイに実在する“地獄”と呼ばれる最悪の刑務所に服役したイギリス人ボクサーが、ムエタイでのし上がっていく姿を描いた作品。キャストの大部分に本物の元囚人が起用したほか、主人公に浴びせられるタイ語の罵倒には字幕が一切ついていないなど、その圧倒的過ぎる臨場感が見る者の心臓を鷲掴みにします。

原題を直訳すると「夜明け前の祈り」。邦題に対して、Twitterユーザーからはこんな評が寄せられました。

・わずか4文字、ズバッと言い切るところがカッコいい
・このタイトルで観に行くことを決めた
・昔の名邦題を彷彿とさせるような趣と格好よさがある
・「夜明け前」を暁と訳すセンス。「祈祷者」を命令形にする事で、物語の壮絶さを匂わせる。ここ数年の中でもブッチギリの素晴らしい邦題

語感に重みと格式を付与し、さらに物語に待っている“胸アツのカタルシス”をも表現したそのセンスに、多くの票が集まりました。

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■第2位「君の名前で僕を呼んで」(原題:Call Me by Your Name/配給:ファントム・フィルム、4月27日公開)

1980年代のイタリアを舞台に、17歳と24歳の青年が織りなすひと夏の情熱的な恋の行方を、美しい風景とともに描いたラブストーリー。才能がほとばしるエリオ役のティモシー・シャラメと、気品たっぷりに心の機微を表現したオリヴァー役のアーミー・ハマーが見事な化学反応を見せたほか、第90回アカデミー賞では脚色賞に輝きました。

劇中セリフでもあるタイトルには、こんな評価が集まりました。

・美しく訳された素晴らしい邦題
・人によっては幸せを感じ、また別の人は切なさや寂しさを感じるかもしれない。観る前は無限に想像力をかき立てられ、観た後はこの一行に囚われる
・直訳なんだけど、とても幸せで愛おしい記憶とせつなくて悲しい記憶に繋がってる
・こんなにも美しく切ない、究極の愛の言葉をほかに知りません
・meを僕、youを君というチョイスと文字列、日本語は美しいと改めて感じた邦題

直訳といえば直訳ですが、声に出して読みたい美しい日本語である点に、絶賛評が多く寄せられました。作品が持つきらめきをそのままに、いや、もしかするとそれ以上のものに昇華させた秀逸な邦題だと言えます。また監督・キャストによると続編が企画中であることが示唆されており、今度は90年代を舞台に物語が紡がれるようです。

そして第1位! ……の前に、惜しくも5位、4位となった作品もご紹介します。

■第5位「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」(原題:The Killing of a Sacred Deer/配給:ファインフィルムズ、3月3日公開)
・本当は「聖なる鹿、殺し」なんだけど、句読点がないと「鹿殺し」という名詞に思えてとても不穏で興味をそそる。上手い
・映画館の受付で「○時○分の聖なる鹿殺しを1枚…」などと少し物騒なタイトルが飛び交っているのがなんだかおもしろかった

“聖なる鹿殺し”なんてパンチのきいた日本語を聞くのは、おそらくこの作品が最初で最後。

■第4位「ランペイジ 巨獣大乱闘」(原題:Rampage/配給:ワーナー・ブラザース映画、5月18日公開)
・クソ邦題って叩きそうになってたけど実際みたら内容にマッチしすぎてて神邦題
・邦題も日本版ポスターも最高の映画だった

昨年の「キングコング 髑髏島の巨神」もそうでしたが、洋画邦題オブザイヤーはゴリラが強い。

それでは2018年の第1位の発表です!

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■第1位「リメンバー・ミー」(原題:Coco/配給:ディズニー、3月16日公開)

ディズニー/ピクサーがメキシコの祝日“死者の日”を題材に紡いだミステリーアドベンチャー。底抜けに愉快な死者の国の描写や、音楽と記憶と家族にまつわる感動的なストーリーが高く評価され、第90回アカデミー賞では長編アニメーション賞&主題歌賞を受賞しました。

劇場で枯れ果てるほど涙を流した方も多いかと思いますが、邦題に対する評価はこちら。

・物語の推進力になる『人の記憶』とそれを象徴する曲名をタイトルにしたのは見事。原題以上に、作品の良さを言い表した、お手本のような邦題
・ネタバレにならない程度に作品のテーマが分かりやすいし、歌としても頭に残るフレーズだから気になってた観た後人に紹介するとき、間違ってリピートアフターミーって言って恥かいたのも忘れられない理由
・映画の内容がよみがえって泣ける。やっぱりシンプルが一番だなと感じる、素晴らしいタイトル。子供が生まれたらこの作品を見せたい
・見終わったあと洋画のタイトルがcocoと知りさらにまた号泣。ある意味二度感動しました。こういうことがあるから洋画タイトル見るのが楽しかったりします

余計な装飾をほどこさず、記憶というテーマと最も象徴的な楽曲に焦点を絞る王道の采配が光りました。鑑賞後に原題を目の当たりにし、再び感動させられたという評価もあった通り、邦題と原題の相互作用により重要な余韻を残す“隙を生じぬ二段構え”的な設計にも脱帽です。

昨年のトップ3「新感染 ファイナル・エクスプレス」「ワイルド・スピード ICE BREAK」「キングコング 髑髏島の巨神」が“パワー”だとすると、今年は“テクニック”。原題を大切に慈しみながら、物語の持つ“最も大切な部分”を丁寧に抱きかかえ、美しい日本語やシンプルな言葉に翻訳・変換した作品が好評を博しました。来年は、どんな邦題に出合えるのでしょうか。今から楽しみです。

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