綾野剛主演「楽園」に柄本明、村上虹郎、石橋静河! 喪失と再生描く慟哭の物語に挑む
2018年11月23日 09:00
[映画.com ニュース] 綾野剛、杉咲花、佐藤浩市が共演し、瀬々敬久監督がメガホンをとった映画「楽園」に、柄本明、村上虹郎、片岡礼子、黒沢あすか、根岸季衣、石橋静河が出演していることがわかった。大ベテラン、若手実力派、多彩な面々が喪失と再生を描く“慟哭の物語”に挑む。
「悪人」「怒り」などで知られる吉田修一氏の小説「犯罪小説集」を基に、「64 ロクヨン」「友罪」などの瀬々監督が映画化。ある夏の日、青田に囲まれたY字路で幼女誘拐事件が起こった。事件は未解決となり、事件直前まで被害者と一緒にいた親友・湯川紡(杉咲)は心に深い傷を負ってしまう。それから12年後、同じ場所でふたつの悲劇が起こる。再び少女が行方不明となり、町営住宅で暮らす中村豪士(綾野)が容疑者として浮上。追い詰められ、街へと逃れた豪士は、そこで驚がくの行動に出る。
一方でY字路に続く集落では、愛犬と暮らす養蜂家・田中善次郎(佐藤)が村おこしの事業を進めていた。しかし些細なことから村中の非難を受け、村八分状態にされてしまったため狂気に陥り、恐るべき事件を引き起こす。人はなぜ罪を犯すのか、そしてなぜ自分だけが生き残ってしまったのか。それぞれの人生が交錯するとき、物語は衝撃のラストへと導かれる。
日本を代表するベテラン・柄本は、幼女誘拐事件の被害少女の祖父・藤木五郎役に。吉田氏原作の映画は「悪人」に続き2度目で、「やはり今回も吉田さんの世界だなと感じました。綾野さん、杉咲さん、佐藤さんともこれまでにご一緒しており、現場も楽しかったです。人間なんて恐ろしい存在だから、本当のところは誰も分からない。紛れもなく瀬々監督の映画になっていると思うので、あとは映画を見て頂ければ嬉しいです」とコメントを寄せた。
人気沸騰中の若き実力派・村上は、紡に思いを寄せる幼馴染・野上広呂役に扮する。「天使なのか、悪魔なのか。大事な人物を演じさせて頂きました」と意味深長に話し、初の瀬々組を「監督の鋭い目つきにゾクワクする日々でした。監督の名ゼリフ集をすぐにでも出版できそうですが此処ではひとつだけ、『さっきの方がグビッときた』。スクリーンでお会いできるのを心待ちにしています」と真摯な思いをこめた。
さらに「愛がなんだ」の片岡は善次郎の身を案じる女性・久子役、「冷たい熱帯魚」の黒沢は豪士の母・洋子役、「まく子」の根岸は五郎の妻・朝子役、「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の石橋は善次郎の亡き妻・紀子役を演じている。撮影には多方面の協力があったそうで、瀬々監督は「長野県各所での撮影では、山間の限界集落に今も住む方々、伝統の火祭りを再現して頂いた飯山市奈良澤地区の方々、犯罪現場の再現にも厭うことなく協力して頂いた駒ケ根を中心とする南信地域の方々、撮影は広範囲に及びましたが、地元の方々の尽力でやり通すことが出来ました。それら信州の自然が与えてくれた恵みとともに、俳優部の皆さんに今回も助けてもらいました」と感謝を述べている。
「楽園」は、2019年秋に公開。
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