冷たい熱帯魚
劇場公開日 2011年1月29日
解説
「愛のむきだし」などで知られる鬼才・園子温監督が、実在するいくつかの猟奇殺人事件にヒントを得て人間の狂気と極限の愛を描くサスペンス。小さな熱帯魚店を営む社本の家庭では、年頃の娘が若い後妻に反発しており、そのため彼と妻との関係にも亀裂が生じていた。そんなある日、彼は娘が起こした万引き事件をきっかけに同業者の村田と知り合う。やがて村田の事業を手伝うことになった社本は、いつしか恐ろしい猟奇殺人事件に巻き込まれていく。
2010年製作/146分/R18+/日本
配給:日活
スタッフ・キャスト
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2022年7月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD
凄くグロいわけではない。若干グロいシーンはあるものの、そんなにグロいシーンばかりでもないし、R18指定になったのは、恐らく、生々しい殺しのシーンだったり、人を殺した後に、証拠や、死体を見つからないように上手く消し去る方法(この映画内でいう、ボディーを透明にする)などが含まれているため、極めて犯罪性の高い内容であるため、高校生以外に悪影響でかつ、殺しや犯罪に興味が湧いてしまう、目覚めさせてしまう可能性があるために、最も厳しい年齢制限が付いたものと思われる。すごくグロテスクなわけではない。
内容的には、サスペンス映画が好きな人なら、ハラハラドキドキ感が楽しめていいと思います。ホラーが苦手な人でも見られます。
また、臆病で優しかった主人公が段々と変化していき、悪の道へと誘われ、悪い人間に化してしまい、耐えられなくなって爆発してしまい、豹変してしまう様が非常に興味深い。ある日突然、不意なことから、急に犯罪に巻き込まれてしまう人の辛さ、苦しさが身に染みて伝わってくる。皆さん良い演技してますなぁ
2022年6月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
抑圧されることで、人が狂うことがテーマ
自分自身では何も決められず、知らず知らずに取り返しのつかない状況になってしまう社本。
一見、気さくな人でも何を考えているかがわからないと思った。
また、社本が狂っていくことで、終盤になる。
サイコパスとして描かれている村田も、親からの暴力を受けることで、性格が形成されてしまった。
歪な人間関係と、裏表ある性格の差が強調されている。
ホラーだった。
2022年5月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
もはや現実的ですらない、狂気に満ち溢れた世界観。しかし描かれるのは、現実を元に生まれたストーリー。この映画の表面だけを拭って「エログロ」と言い放ってしまえばそれまで。エロくてグロいのは映画ではない。人だ。現実の人がエロくてグロいのだ。
人の奥底に眠る闇と、その闇と表裏一体の愛が、頸動脈からピュンピュンと吹き出る傑作。園子温の金字塔。でんでんの狂気は勿論のこと、吹越満の最後の表情が必見。
2022年4月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
醜悪、下品、馬鹿、どんな軽蔑の言葉を尽くしても表現できないような下卑の極致の登場人物たちに圧倒される。強者を気取ったものが自分より弱いものを容赦なく食い物にしていく様子には妙な説得力がある。それは狂気の沙汰の裏にある人間の弱さもきちんと描き込んでいるからだと思う。負のエネルギーが全身を貫く経験が少しでもあれば、ここに描かれる狂気は決して絵空事ではないと思えるだろう。
なぜこんな演技ができるのだろうと俳優達の凄さに感服した。詐欺師まがいの社長のまくし立てるような喋り、また血糊に塗れて絡みつくシーンが最高だった。
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