安藤政信、鬼才・矢崎仁司監督との12年ぶりのタッグ作の初日に感無量
2018年7月21日 22:00
[映画.com ニュース] 鬼才・矢崎仁司監督の最新作となる映画「スティルライフオブメモリーズ」初日舞台挨拶が7月21日、東京・新宿K's cinemaで行われ、主演の安藤政信、共演者の永夏子、松田リマ、有馬美里、劇中写真を担当した中村早、矢崎監督が登壇した。
女性の肉体の豊かさを追求したフランスの写真家アンリ・マッケローニと、その被写体となった愛人の実話に着想を得て描いた本作は、マッケローニの写真が持つスキャンダリズムを矢崎監督らしい気品漂う映像美で映像化。主人公の写真家・春馬を「キッズ・リターン」の安藤が演じる。
壇上に立った安藤は「20代からずっと矢崎さんの作品が大好きで。それから『ストロベリーショートケイクス』に出演してからプライベートでも仲良くさせていただいて。こんな素敵な作品に出ることができて本当にうれしく思います」と挨拶。さらに永、松田の両女優について「この作品はこの2人の女優さんがいなかったら成り立たないくらい。肉体から何からすべてをさらけ出してくれて、表現してくれたこの2人に感謝をしていて。この2人に拍手をしてくれたらうれしいです」と観客に促すと、会場からは2人の女優に向けた大きな拍手が鳴り響いた。
そんな安藤にとっては、本作が『ストロベリーショートケイクス』以来、12年ぶりの矢崎組参加となった。「ちょうど僕が事務所に入っていなくて、フラフラしている時でした。(『GONIN サーガ』の)石井隆監督も僕が南極にいると信じ込んでいたくらいで。そして矢崎さんも僕を探していると、いろんな役者さんから聞きまして。矢崎さんと会う機会がないなと思っていた頃に来たオファーだったんです」と笑いながら語った安藤は、「ふたりで待ち合わせをした時。横断歩道の向かいに矢崎さんがいるのを見つけて。青信号になった瞬間に、『南極物語』のタロみたいな感じで矢崎さんのもとに走っていったことが記憶に残っていますね」とユーモラスにコメントし、会場を沸かせた。
一方の矢崎監督は感無量の表情。「今日は本当にありがとうございます。本当にうれしいです」と切り出すと、満員の観客を見渡して「今日、この映画を見たいと思って来てくれた人は、僕にとって特権的観客なんで大事にしたいです。皆さんを本当に抱きしめたいです」としみじみ。さらに「映画ってもっと可能性があるのに、最近は可能性を感じさせる映画が少なくて。もっともっと可能性を開いていかないといけないなと思うんです。今日集まった皆さんは。(最初の映画とされる)リュミエール兄弟の映画を見た観客、そして(全編がブルーの画面で展開される)デレク・ジャーマンの『BLUE ブルー』を見た観客と一緒かもしれない。そんなお客さまを大切にしたいと思います。なんとかこういう映画を広めて、可能性を広げたいと思います。協力してください」と観客に呼びかけた。
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