是枝監督「万引き家族」、カンヌ映画祭最高賞のパルムドールに!
2018年5月20日 07:39
[映画.com ニュース]5月19日(現地時間)に行われた、第71回カンヌ国際映画祭の授賞式で、是枝裕和監督のコンペティション部門出品作「万引き家族」が最高賞のパルムドールを受賞した。日本人が受賞するのは1997年の今村昌平監督作「うなぎ」以来21年ぶり。同じく今年のコンペ部門に出品された濱口竜介監督作「寝ても覚めても」は惜しくも受賞を逃した。
授賞式で是枝監督は、「さすがに足が震えています。この場にいられることが本当に幸せです。そしてこの映画祭に参加するといつも思いますが、映画をつくり続けていく勇気をもらいます。そして、対立している人と人を、隔てられている世界と世界を映画が繋ぐ力をもつのではないかという希望を感じます。今回みなさんにいただいた勇気と希望をまず一足早く戻ったスタッフとキャストに分かち合いたいですし、作品が選ばれたにも関わらず、ここに参加できなかったふたりの監督たちとも分かち合いたいですし、これから映画をつくり、ここを目指す若い映画の作り手たちとも分かち合いたいと思います。ありがとうございます」と喜びのスピーチを行った。同部門で日本映画が受賞するのは是枝監督の「そして父になる」以来5年ぶり。
映画は東京の下町で暮らす、犯罪で生計を立てる一家を描く。日雇い労働者の父・治(リリー・フランキー)と妻・信代(安藤サクラ)、息子・祥太(城桧吏)、信代の妹・亜紀(松岡茉優)は、祖母・初枝(樹木希林)の年金を定収入として、今にも壊れそうな平屋で質素に暮らしている。治と祥太は万引き、亜紀はJK見学店でバイトをして生活費を稼ぐなか、治が団地で凍えている幼い少女・ゆり(佐々木みゆちゃん)を連れ帰り家族として迎え入れる。しかしある事件をきっかけに家族はバラバラになり、それぞれが抱える秘密と願いが明らかになっていく。
「万引き家族」は、6月8日から東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開。
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