ソフィア・コッポラ「ビガイルド」ビジュアル面での“こだわり”とは?
2018年1月19日 19:00

[映画.com ニュース] 来日中のソフィア・コッポラ監督が1月18日、東京・六本木のTSUTAYA TOKYO ROPPONGIで行われた最新作「The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ」の公開記念イベントに出席した。本作で、“愛憎スリラー”ともいうジャンル映画に挑戦し「自分のスタイルを貫きながら、娯楽性とアートの両立を目指した」と振り返った。
1971年のクリント・イーストウッド主演作「白い肌の異常な夜」の原作であるトーマス・カリナンの小説「The Beguiled」を女性視点で映画化し、第70回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した長編第6作。南北戦争期のアメリカ南部を舞台に、世間から隔絶された女子寄宿学園で暮らす7人の女たちと、彼女たちの前に現れた敵軍の負傷兵が、情欲と嫉妬に絡め取られていく。
学園内のキッチンやダイニングなどは、映画の舞台となる19世紀半ばに建設されたギリシャ様式の大邸宅で撮影され「ロケーション自体が、1つのキャラクター。歴史ある南部の町でのロケが重要だった」と回想。当時の衣装、美術、ヘアメイクを忠実に再現すると同時に、「現代人にも訴えかけるビジュアルにしたかった」と強いこだわりを語った。
イベントには、コッポラ監督をデビュー時から支えてきたプロデューサーで、写真家としても活躍するアンドリュー・ダーハムが同席。コッポラの監督20周年を記念して発売されるメモリアルフォトブック「Andrew Durham Set Pictures Behind the Scenes with Sofia Coppola」(2月2日発売)の撮影を手がけており、コッポラ監督は「ページをめくるたび、すてきな思い出がよみがえる」と感慨深げだった。
一方、ダーハムは「出会いからもう25年くらい経つが、あふれる才気と気さくな人柄は変わらず、美意識や感受性にもブレがない」とコッポラ監督の資質を語り、「映像を一瞬見ただけで、ソフィア(・コッポラ)の作品だってわかるからね。こういうフィルムメーカーは、今の時代にはまれな存在だと思う」と話していた。
「The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ」は、「めぐりあう時間たち」のニコール・キッドマン、「ネオン・デーモン」のエル・ファニング、「マリー・アントワネット」のキルステン・ダンスト、「ロブスター」のコリン・ファレルら豪華キャストが出演している。2月23日から全国公開。
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