山崎努、13年ぶりに映画主演!「モリのいる場所」で画家・熊谷守一に
2017年9月20日 05:00
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[映画.com ニュース] 日本を代表する名優・山崎努が、沖田修一監督の最新作「モリのいる場所」に主演し、画家・熊谷守一に扮することがわかった。80歳の山崎にとって映画主演は、犬童一心監督作「死に花」(2004)以来13年ぶり、単独主演としては崔洋一監督作「刑務所の中 DOING TIME」(02)以来15年ぶりとなる。
黒澤明監督作「天国と地獄」(1963)、「赤ひげ」(65)、「影武者」(80)、伊丹十三監督作「お葬式」(84)、「タンポポ」(85)、「マルサの女」(87)など、数多くの名作で圧倒的な存在感を放ち続けてきた山崎。今作では、自宅の庭でひたすら虫、鳥、草花を見つめ“仙人”と呼ばれた画家を演じ、新境地を開拓する。
今作の企画が生まれるきっかけとなったのは11年、「キツツキと雨」の撮影現場で、山崎が沖田監督に「こんなに面白い、興味深い画家がいるよ」と熊谷について紹介してから。名優からのヒントに刺激を受けた沖田監督は、山崎=熊谷を念頭に置きながら6年越しで、ユーモラスで温かなオリジナルストーリーを完成させた。
「僕のアイドル」と自らの著書で熊谷について記述する山崎は、藤森武氏の写真集「獨樂 熊谷守一の世界」を目にした時のことに触れ、「キャプションに『45年、この家から動きません。この正門から外へも、ここ30年、出たことがないんです。でも8年ぐらい前、1度だけ垣根づたいに勝手口まで散歩したんです。あとにも先にもそれ1度きりです』とある。これにはびっくり、思わず笑ってしまった。僕も出不精のほうなので共感の笑いだったかもしれない。それにしても30年とは尋常ではない」と驚きを隠そうとしない。
沖田監督からは昨秋にオファーを受けたそうだが、役作りには難儀した模様。それでも、「苦肉の策として、モリカズさんに仮面を被せることにした」という。「内面と外界を隔てる仮面。いつでもどこでもその面をつければ、モリカズとして通る符丁のようなお面。さて、どんな面にするか」と写真集「獨樂」を何度もチェックし、「僕は渋面を僕のモリカズの仮面に選んだ」。
「通常の演技に、表情の豊かさを目指すが、この映画では逆に表情の変化を殺すことにしたわけだ。なかなか厄介な、そして不安な試みだった。かくなる上は声のニュアンスも殺してしまえと、フラットなかすれた老人声にした。これは多少ヤケ気味。撮影の現場には何が起きるか予測不能の面白さがある。設計した仮面がどこかで外れてしまうことも密かに期待していた。今、これを書いている時点で、僕はまだ撮られた映像を見ていない。依然不安は残っている」。
また、沖田監督を「『場所』にこだわる監督のようだ」と評している。「『南極料理人』の南極、『キツツキと雨』の木曽山奥の寒村、今度の『モリのいる場所』では関東の庭。東北でも、九州、沖縄でもない東京近郊の庭。風土が人と物語を作る、それがテーマなのだろう。沖田さんの造った庭は美しかった」。さらに、「風土でふと思い出したのが、若い頃演じた黒澤明監督『天国と地獄』、犯人役の『夏は暑くて眠れない。冬は寒くて眠れない』というせりふ。あれは、ハワイでもアラスカでも成立しない」と示唆に富むコメントで締め括っている。
一方、撮影を終えた沖田監督は、「山崎努さんが熊谷守一役をやる主演映画。それを想像するだけで、ワクワクしました。まず僕がそれを見たいと思いました」と述懐。そして、「実在した画家である熊谷守一さんのイメージを追いつつ、また、離れつつ。この映画だけの『モリ』という役を山崎さんと作ることが、どれだけ大変で、楽しかったことか。僕にとっては、夢のような映画です」と胸中を明かしている。
撮影は、7月に神奈川・逗子の古民家で行われた。映画は昭和49年、モリ94歳の夏の日を、フィクションとして描く。2018年に全国で公開。
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