ビートたけし「女が眠る時」に主演!自作以外での映画“座長”は12年ぶり
2015年7月13日 05:00

[映画.com ニュース] 映画監督で俳優のビートたけしが、ウェイン・ワン監督が初めて日本映画に挑戦する「女が眠る時」に主演することがわかった。たけしが自作以外の映画に主演するのは、「血と骨」(崔洋一監督)以来12年ぶり。オールアップを迎えた7月11日、ウェイン監督をはじめ共演の西島秀俊、忽那汐里、小山田サユリとともに、都内での製作発表会見に出席した。
「撮影が終わったばかりで、お風呂に入っていい気持ちになっちゃった」と話すたけしは、「自分のキャリアの中でも久々に緊張して、やってみていい勉強になった。役者としても、監督としてもお世話になった」とウェイン監督に最敬礼。それでも、「現場で『OK! 最高だ! もう1回!』とか、『今までで一番良かったよ! もう1回!』とか……。一体どっちなんだろうって(笑)。監督のほめ言葉は信用できない」と語り、登壇陣の緊張を和らげていた。
西島は、2013年に香港でウェイン監督と面会し意気投合したといい、「監督の『スモーク』が個人的に大好きで、何かあったときに見返す映画なんです。その監督からお話をいただいて、香港で役のバックグラウンドについて話し合ったので、自然にすーっと始まった感じ。撮影が始まるずっと前から、プロセス全てが充実していた」と述懐。それだけに、「偉大な映画作家のおふたりとご一緒できて毎日が夢のようでした。さっきクランクアップして、いまは(寂しくて)落ち込んでいます」と明かす。
たけしと西島は、02年に「Dolls(ドールズ)」で監督、主演としてタッグを組んでいるほか、11月7日に公開を控える「劇場版MOZU」でも共演している。西島は、「『Dolls』の頃から思っていましたが、北野さんは現場でとにかく僕の目線の先ででも手を抜かない。映画に対する愛の深さを改めて強く感じました」と最敬礼。ウェイン監督も、「たけしさんはこの作品にとってもう1人の監督でした。色々とアイデアを出してくれましたし、相談もしました。これはキャスト全員に言えることですが、しっかりと自分の役柄をつかみ、完ぺきに理解して現場に入ってくれた」と称えた。
当初はウェイン監督のイメージではなかったという忽那だが、今年に入ってからセッティングされた都内での会合で太鼓判をもらい、ウェイン監督に「彼女しかいない」と言わしめた。撮入までに十分な時間があったため、「何度も監督とお会いしましたし、文通もしてくれました。これまでのお仕事のなかで、監督と一番コミュニケーションを取った」とニッコリ。米ニューヨークを活動の拠点とする小山田は、ウェイン監督とロサンゼルスで会ったそうで「別れ際に『じゃあ、日本でね』と言われたのですが半信半疑で、その夜は眠れなかった。翌日になって正式なオファーをいただき、本当に嬉しかった」と表情を綻ばせた。
映画は、処女作以降はヒット作に恵まれない小説家・健二(西島)が、妻の綾(小山田)と訪れたリゾートホテルのプールサイドで、初老の男・佐原(たけし)が若く美しい女・美樹(忽那)の体に表情ひとつ変えず、日焼け止めクリームを塗る様子に目を奪われるところから始まる。異様な雰囲気を放つ年の離れた2人の姿に健二は執着し、次第に部屋をのぞくまでに発展。ほんの好奇心から始まった行為は常軌を逸した行動へと変化し、予測し得なかった結末へと突き進んでいく。
なお、今作にはリリー・フランキー、新井浩文、渡辺真起子らが出演していることも発表された。また、日本語脚本協力として砂田麻美(「エンディングノート」「夢と狂気の王国」)が参加している。
「女が眠る時」は、2016年に全国で公開。
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