三木孝浩監督、原点は「時をかける少女」 「原田知世さんに恋をした」
2015年1月31日 10:05
[映画.com ニュース]最新作「くちびるに歌を」の公開を控える三木孝浩監督が、CS映画専門チャンネル「ムービープラス」で放送中のオリジナル番組「この映画が観たい」に出演することになり、都内で収録に臨んだ。「僕にとって映画は“バトン”のようなもの。多感な時期に、映画からもらったものを、今度は監督として、次の世代にどう手渡せるか。そんなことを考えながら、作品づくりをしている」と映画へのあふれる思いを語った。
著名人がかけがえのない“映画体験”と、それにまつわる人生エピソードを語る同番組。三木監督は「時をかける少女」(1983)、「オネアミスの翼 王立宇宙軍」(87)、「恋はデジャ・ブ」(93)、「ギルバート・グレイプ」(93)、「Love Letter」(95)の5本を選んだ。
長編デビュー作「ソラニン」以来、数々のヒロインを輝かせてきた三木監督にとって、原点ともいえるのが「時をかける少女」だといい、「幼いながらに、僕自身が(主演の)原田知世さんに恋をしたというのが大きな映画体験ですね。監督になった今は観客の皆さんに、出演する女優さんの良さを見つけてもらいたいという思い」だと語る。
「作り手のエネルギー量に感化された」という「オネアミスの翼 王立宇宙軍」。大好きな俳優であるビル・マーレイが主演するロマンチックコメディ「恋はデジャ・ブ」の魅力は、「自分が変わることで、人生や世界が変わると教えてくれた人生哲学」と目を輝かせる。
自主映画の製作に没頭した早稲田大学在学中に見た「Love Letter」は、「すごく感動し、それ以上に嫉妬と悔しさを覚えた。強い影響を受けた分、今も同じことはしたくないという反発する気持ちが働いている」と自身の作家性にとって大きなターニングポイントになった。
昨年「ホットロード」「アオハライド」と2本の長編映画を大ヒットさせた三木監督が放つ最新作が、新垣結衣主演の「くちびるに歌を」だ。「10代が抱える悩みや思いに一番寄り添った作品になった。まるで思春期だった15歳の自分と一緒に撮ったような作品」だという同作は、「ギルバート・グレイプ」に多大な影響を受けているそうだ。
「(ジョニー・デップ演じる)主人公のどこにも行けない、誰もわかってくれないという葛藤に囚われる姿は、『くちびるに歌を』の登場人物にも反映されていますね。風景描写がキャラクターの感情を表現する点もすばらしく、自分の映画もそうありたいと常に考えています」
「この映画が観たい 三木孝浩のオールタイム・ベスト」は、2月2日午後11時からムービープラスで初回放送予定。
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