恋はデジャ・ブ

劇場公開日:

解説

時間の迷路にはまり同じ日を繰り返さなければならなくなった男がタイム・ラビリンスから抜け出し恋を成就させるまでを描いたコメディ。監督、脚本は「ボールズ・ボールズ」のハミルド・ライミス。製作はライミスとライミスの監督作すべてに関わってきたトレヴァー・アルバート。エグゼクティヴ・プロデューサーは「チャイナタウン」のC・O・エリクソン。原案・共同脚本はこれがデビュー作となるダニー・ルービン。撮影は「ザ・シークレット・サービス」のジョン・ベイリー。音楽はジョージ・フェントン。主演は人気コメディアンで「恋に落ちたら…」のビル・マーレイと「グリーン・カード」のアンディ・マクドウェル。共演は「アビス」のクリス・エリオット、「靴をなくした天使」のスティーブン・トボロウスキー、「ディス・イズ・マイライフ」のマリタ・ジェラティ。ライミス監督も医師の役で出演。

1993年製作/アメリカ
原題:Groundhog Day
配給:コロンビア映画=コロンビア トライスター映画

ストーリー

テレビの人気天気予報官フィル(ビル・マーレイ)は、プロデューサーのリタ(アンディ・マクドウェル)、キャメラマンのラリー(クリス・エリオット)と共にパンクスタウニーにやって来た。毎年この町では、2月2日に冬眠からさめたモグラのウッドチャックが春の到来を占うという言い伝えがあった。しかし、自己中心的なフィルはモグラの取材に文句たらたら。午前6時、ラジオのDJが聖燭節のお祭りを告げる声で目を覚ましたフィルは民宿のおばさんや、通りで出会ったハイスクール時代の同級生ネッド(スティーブン・トボロウスキー)にも不機嫌な態度をみせ、町の広場へ向かうのだった。そっけない中継を済ませ、仕事を終えたフィルたちが町を後にしようとした時、吹雪がこの町を襲い道路は閉鎖、電話も不通という事態に見舞われた。やむなくもう一泊することになり、翌朝がきてみると…午前6時、昨日と同じようにDJは聖燭節のお祭りを告げ、おばさんは昨日と同じあいさつをし、通りでネッドに会い、何もかもが昨日と同じ。そしてまた吹雪に閉じ込められ、また一泊。するとまた同じ一日が…。永遠に2月2日が繰り返されることに1人だけ気づいたフィルは、この特権を利用して何もかもしたい放題。しかしリタをくどいて甘い夜を過ごそうとした時、リタの平手打ちにあう。何度もそれを繰り返すうち、このタイム・ラビリンス状態に嫌気がさした彼は自殺を試みるが、どんな方法で死のうとも翌朝には生きている!そこで彼は初めてこれまでの高慢で嫌な態度を改め別人のようになる。それが功を奏しリタの心がフィルに向いた時初めて2人は一夜を共にする。翌朝、フィルが目を覚ますと隣にはリタがいて、ラジオは昨日とは違う朝を告げていた。

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写真:Everett Collection/アフロ

映画レビュー

4.0タイムループで気づく“何もない場所”にあった「成長の全て」

2020年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

幸せ

“何もない”田舎町の1日を永遠に繰り返すハメになってしまったら――冷静に考えると結構怖い。出会う人、見るモノ、起こる事件――全てが同じ事の繰り返し。でも、タイムループものは「自分が変わらないと、周囲が変化しない」という約束事があるからこそ、成長という要素が描きやすいんですよね。

コメディ調の本作は、その成長の描き方が見事。主人公は、超絶いけ好かない天気予報官のフィル。天気予報官という「未来を予測する職業」なのに“明日がやって来なくなる”という皮肉も良いんです。彼は取材先の田舎町「パンクスタウニー」を“何もない退屈な町”と見下していますが、それが「成長のための全てがあった(“何もない”の否定)」と変化していく点も◎。

本作のユニークなポイントは、1回のタイムループで起こる出来事を、あまり深堀しないところ。カットが切り替われば、既に“別の今日”になり、また次のカットでは“別の今日”。あくまで「明日」のための要素でしかない――だから、どんどん「今日」を終わらせよう。この演出がかなり楽しい。同じシーンを繰り返しながらも、フィルの変化を見せることで、時の積み重ねを表現している点が素晴らしいです。また「バカは死ななきゃ治らない」という諺がありますが、本作の世界では「バカは死ぬことで治っていく」という、ある意味ポジティブな捉え方。主演ビル・マーレイの“やりたい放題”“死にたい放題”は必見です。

余談:本作が気に入った方は、是非「ハッピー・デス・デイ」「ハッピー・デス・デイ 2U」も鑑賞してみてください。ホラーではありますが、作品の核は「タイムループ×成長」。このジャンルにおける近年の秀作。もっともっと楽しみたい方は、 Netflixの傑作ドラマ「ロシアン・ドール:謎のタイムループ」も超おすすめ。1エピソードは約30分。全8話。さっくり見れる傑作ブラックコメディです。

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岡田寛司(映画.com編集部)

4.0タイムループものの佳作

2023年5月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

これは面白かった!
TVの天気予報官フィル(ビル・マーレイ)が冬のある1日を何度も繰り返すタイムループもので、TV局女性リタ(アンディ・マクドウェル)との恋愛ドラマも楽しい娯楽作。

個人的に、こうしたタイムループものの傑作は黒沢清監督の『タイムスリップ』だと思っているが、あの黒沢清作品のように爆笑もののシンプルな作りではなく、繰り返す「時間」に微妙な変化を織り交ぜているハロルド・レイミス監督作であった。
ただ、フィルが言う「この冬は永遠に終わらない」は笑える(^^)

この映画で上手いのは、何と言ってもフィルという男の態度の変化。
序盤は「なんか嫌なヤツだなぁ~」と思うのだが、後半になってくると「人のために尽くすような好青年」になっていく描き方が見事。

ちょっと惜しいのは、いつ終わるか分からないタイムループからの抜け出し…についての唐突さ。
それでも、全体的になかなか見事な娯楽作であった。

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たいちぃ

3.5タイムループものの原点がここにある?

2023年2月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

MONDAYSを観て、タイムループものといえばこの作品でしょ!?とセリフがあり、観なければ、と。

なるほど、上達やら気づかせるためのあれこれや、MONDAYS の元になっている。

どこか、街の雰囲気はバックトゥーザ・フューチャー感があり、主人公の性格がよくなるあたり、イエスマンを思い出す。
どの作品が先か後かはよくわからないものの、皆が好きな要素を併せもっているのだろう。

ダメな主人公も、悲劇的に共感させつつ、克服していくカタルシス、心地いい。

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ひでぼー

5.02月になると毎年観たくなる

2023年2月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

どこかの雑誌で紹介していて

それで何気なしにビデオで借りて観た記憶があります。

アメリカの田舎の冬の朝

繰り返される2月2日

主人公は、繰り返される同じ日を

色んなやり方でその日を楽しんだり、憎んだり

寒い冬の朝にふと

観たくなる映画です。

明日は2023年2月2日、今の生活なら

繰り返し続くのも

悪くない。

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れいん
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