王立宇宙軍 オネアミスの翼
劇場公開日:2022年10月28日
解説
後に「新世紀エヴァンゲリオン」などを手がけるアニメ制作会社GAINAX(ガイナックス)の第1作として製作された長編アニメ映画。
“もう1つの地球”にあるオネアミス王国。落ちこぼれの軍隊として世間から見下されている王立宇宙軍の士官シロツグは、やる気のない同僚たちと張り合いのない日々を送っていた。そんなある日、街で神の教えを説いていた不思議な少女リイクニとの出会いをきっかけに、シロツグは王立宇宙軍の存亡をかけた人類初の有人宇宙飛行計画のパイロットに志願する。
原案・脚本・監督を山賀博之、キャラクターデザイン・作画監督を貞本義行が手がけ、庵野秀明が作画監督として参加。坂本龍一が音楽監督を務めた。公開10周年となった1997年には、音響を当時最新のデジタル技術でリニューアルした「サウンドリニューアル版」が公開。2022年10月には、公開35周年記念で4Kリマスター版(音声は1987年オリジナル版のもの)でリバイバル公開。
1987年製作/119分/G/日本
配給:バンダイナムコフィルムワークス
日本初公開:1987年3月14日
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2022年11月11日
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鑑賞方法:映画館
そのうち来るはず。まだか?そろそろか?
、、、、、、終わったやないか。
通好みの伝説の映画のようだし、1900円という一切の割引が効かない強気の料金設定もあり、大いに期待した自分がバカでした。あらすじから地味目な感じはしていたが。
兎に角フラストレーションが溜まった。特に彼女!なんも解らんまま、変化ないままやないか。これじゃ「ちょっと変わった女」なだけやん。
大御所たちが制作に携わっているので俺が分からないだけで実は深いのかもしれない。アニメの歴史においてエポックメイキングな作品なのかもしれない。
でもね。小難しい講釈があってようやく面白さがわかる映画ってやっぱちょっと違うと思う。映画って観終わった後「あー面白かった!」がまずないと。
✳︎良かった点も。ロケットのカウントダウンから飛び立つまでの臨場感と画の美しさ。それから独特な架空の世界の描写。どことなく『ファンタスティック・プラネット』を彷彿とさせた。
2022年11月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
緻密で勢いのある描写、緊張感のない主人公とじんわりした緊迫感。
ものづくりに命を燃やす愛すべき馬鹿者達。
異国情緒があるのに自分の国のようでもある美術と音楽。
初めて観た時は、ただただ凄いものに触れた感で興奮した。
改めて観ても、やっぱり凄い。
スタッフ陣の前の方にいる何人かは違和感を覚えるひともいるけど、良いものは良いな。
2022年11月5日
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鑑賞方法:映画館
今の地球とは、異なる文明として発達したパラレルワールドにある地球。制作陣は、完全な異世界を目指したというが、その言葉に偽りはなく、言語、服装、建築物、電車、料理、貨幣に至るまで今まで見たことがない文明世界が構築されている。
その反面、ドラマ部分が弱い。登場人物のバックボーンが描かれていないため、彼らの行動の多くが唐突に感じる。
なぜ、宇宙を目指さなければならないのか。明確なストーリーラインがないまま終盤に突入するが、終盤で登場する戦闘機、戦車などのメカのクォリティが凄い。被弾して墜落していく戦闘機の様子は実写以上の迫力がある。
ロケットの打ち上げのディテールも尋常ではない。見たことのない形状のスイッチ、異世界数字が表示される真空管、ロケットのデザインは、異星人のそれではないが、ギリギリ人類のものだと判別できるフォルムをしている。
ヒットする要素は全くなし。こんな尖ったものをよく作った。そんな作品でございます。
4Kリマスター版公開にて
2022年11月2日
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鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波
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ガイナックス初の長編劇場作品。
伝説のオリジナルメンバーが作り上げた、壮大なる宇宙開発創成期のドラマ。
【ストーリー】
エリートが集まるせまき門の水軍をあきらめ、王立宇宙軍に入隊した、主人公シロツグ・ラーダット。
そこは怠惰な空気の支配する、落ちこぼれの集まりだった。
軍からも民間からもムダ飯ぐらいと疎まれ、バカにされる宇宙軍。
宇宙船開発中の事故で、パイロット仲間が次々死んでゆく中、彼らとバカ騒ぎしてはうさを晴らす毎日。
そんなある夜、シロツグは歓楽街で啓蒙ビラをくばる少女、リイクニに出会う。
ひたむきな彼女の姿に触発され、シロツグは人類初の宇宙飛行士として宇宙に向かうことを決断するのだ。
ガイナックスがこの作品を作るためだけに創設されたのは有名な話。
監督の山賀博之を筆頭に、今や日本映画界では知らぬ者のなしの庵野秀明、エヴァンゲリオン〜シンエヴァまで共に組んだ貞本義行、ガイナックスの元代表取締役にしてプリンセスメーカーでヒットを飛ばした赤井孝美、犬狼伝説の藤原カムイ、Be Freeの江川達也、ヤダモンのSUEZEN、プロジェクトA子の森山雄治、LASTEXILEの小倉宏昌、シン・ウルトラマンの樋口真嗣、銀河乞食軍団シリーズの野田昌宏、変なYOUTUBERとなってしまった岡田斗司夫まで、制作に錚々たる面々がそろったこの映画。
彼ら参加クリエイターのほとんどが20代、青春まっさかりの時期に全力を投じて創りあげた物でしたが、ストーリーは分かりにくいしキャラクターの動機はボヤっとしてるし場面転換は説明不足だし感情移入はしづらいしという、視聴者ほったらかしの内容でストーリーテリング面では評価できる箇所は見あたりません。
ですが膨大な設定と描き込み、レイアウト、正確な動きの動画など、作画クオリティはアニメ史上最高レベルに到達しています。
繰り返して楽しめる物語は細部に神が宿っていると言いますが、この『王立宇宙軍オネアミスの翼』はまさしくその細部にこそ突きぬけた魅力がぎっしり詰まった作品でした。
大阪のSF大会で上映された伝説のDAICONフィルム、その制作で積み上げたノウハウ、執念の描画力を叩きつけた画面は、全てが超一級品。
劇中の音楽も坂本龍一御大の作曲や監修で、今聴いても遜色ないクオリティを発揮しています。
興行的には大失敗しましたが、その後のクリエイターたちにとって確かな、そして大きな楔となった本作。
ぜひ広い画面と素晴らしい音響のそろった映画館で観たいものです。