【全米映画ランキング】「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」が5度目の首位
2014年9月9日 14:50
[映画.com ニュース] 夏休み明けの全米ボックスオフィス。毎年、数字が落ち込む9月第1週だが、先週末も上位20位までの作品の総興収が過去13年で最低となる約5880万ドルを記録する冷え切った興行となった。そんな中、再度首位に立ったのはマーベル・スタジオ作品「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」だった。
興収約1035万ドルで5度目の首位に立った同作の累計興収は約2億9476万ドルとなり3億ドル目前。今週末には3億ドルに到達すると見られている。2位は興収約650万ドルの「ミュータント・タートルズ」。こちらの累計は約1億7465万ドルで、グロスは1億9000万ドルあたりになりそう。
そして、先週末公開された唯一の新作「The Identical」はトップ10にランクインできず12位に登場。1950年代を舞台に、別々に育てられた双子の人生を描いた音楽ドラマ。厳しいレビューが集まり、集客にも失敗してしまった。出演はレイ・リオッタ、アシュレイ・ジャッド、セス・グリーンに、新人ブレイク・レイン。
今年のサマーシーズンは、4億ドル超えの爆発的なヒット作が無く、3億ドル見込みの作品が1本、2億ドル以上の作品が7本出るにとどまるやや寂しい結果となった。というわけで、現時点での興収ベスト10は下記のとおり。
2.「トランスフォーマー ロスト・エイジ」(Par)約2億4473万ドル/6月27日公開
3.「マレフィセント」(WD)約2億3925万ドル/5月30日公開
4.「X-MEN:フューチャー&パスト」(FOX)約2億3366万ドル/5月23日公開
5.「猿の惑星:新世紀(ライジング)」(FOX)約2億0622万ドル/7月11日公開
6.「アメイジング・スパイダーマン2」(SONY)約2億0285万ドル/5月2日公開
7.「GODZILLA」(WB)約2億0007万ドル/5月16日公開
8.「22 Jump Street」(SONY)約1億9065万ドル/6月13日公開
9.「ヒックとドラゴン2(仮題)」(FOX)約1億7472万ドル/6月13日公開
10.「ミュータント・タートルズ」(Par)約1億7465万ドル/8月8日公開
( )内は全米配給
上記10作以外で、この夏大きな話題を集めたのは、7月11日に限定公開されて以来、批評家からの絶賛評を集めてきたリチャード・リンクレイター監督の新作「6才のボクが、大人になるまで。」(日本公開は11月14日)。内容はタイトルの通りで、6歳の少年が18歳になるまでの成長を、12年間定点観測的に撮影・記録した作品。ドキュメンタリーでは、7年おきに子どもたちの成長を記録したマイケル・アプテッド監修の英テレビ番組「UPシリーズ」(1964~2012)、劇映画では1959年から79年にかけて製作・公開されたフランソワ・トリュフォー監督、ジャン=ピエール・レオ主演による「アントワーヌ・ドワネルの冒険5部作」(「大人は判ってくれない」「アントワーヌとコレット」「夜霧の恋人たち」「家庭」「逃げ去る恋」)があるが、単独の劇映画の製作で12年の撮影期間は映画史上類を見ない試みとなっている。今年のベルリン映画祭で銀熊賞を受賞した同作は、すでにアカデミー作品賞のノミネートは確実と言われており、今後も目が離せない作品だ。
今週末は、「マンデラ 自由への長い道」「パシフィック・リム」のイドリス・エルバ主演によるサスペンス・ホラー「No Good Deed」に、モーガン・フリーマン主演「イルカと少年」の続編「Dolphin Tale 2」が公開となる。
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ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴いていく過程をつづったベストセラーノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」(新潮45編集部編)を映画化。取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が死刑判決を受けた事件のほかに、3つの殺人に関与しており、そのすべてに「先生」と呼ばれる首謀者がいるという告白を受ける。須藤は「先生」がのうのうと生きていることが許せず、藤井に「先生」の存在を記事にして世に暴くよう依頼。藤井が調査を進めると、やがて恐るべき凶悪事件の真相が明らかになっていく。ジャーナリストとしての使命感と狂気の間で揺れ動く藤井役を山田孝之、死刑囚・須藤をピエール瀧が演じ、「先生」役でリリー・フランキーが初の悪役に挑む。故・若松孝二監督に師事した白石和彌がメガホンをとった。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。