【全米映画ランキング】本年度オスカー最有力「ゼロ・グラビティ」が10月新記録で首位デビュー
2013年10月8日 14:00
[映画.com ニュース] 10月に入り、アカデミー賞に向けて良質の作品が続々と公開される全米ボックスオフィス。3本の新作がランクインした先週末は、サンドラ・ブロック&ジョージ・クルーニー初共演のSFサスペンス「ゼロ・グラビティ」が、10月公開作では新記録となる約5500万ドルのオープニング興収で、見事首位デビューを果たした。
同作は「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」「トゥモロー・ワールド」などで知られるメキシコの鬼才アルフォンソ・キュアロン監督が初めて手がけた3D作品。宇宙遊泳の最中に、乗っていたスペースシャトルに宇宙ゴミが衝突し、宇宙空間にただ一人放り出されてしまった女性飛行士ライアン(ブロック)のサバイバルが描かれる。今年8月の第70回ベネチア国際映画祭でのお披露目以降、批評家はもちろん、ジェームズ・キャメロンらハリウッドの映画製作者たちからも最高級の賛辞を受けており、現段階で今年度のアカデミー賞に最も近い作品といわれている。
このような業界内での絶賛評に加え、91分というタイトな上映時間、チケット料金が高額なIMAX 3D作品ということも奏功したか、「パラノーマル・アクティビティ3」(2011年/約5258万ドル)を抜いて、10月公開作としては新記録となる約5500万ドルというオープニング興収を叩き出すロケットスタートとなった。また、ブロックとクルーニーのそれぞれの主演作としても過去最高のオープニング興収を記録し、2人の新たな代表作として記憶されることになりそうだ。プロデューサーは「ハリー・ポッター」シリーズ全8作を手がけてきたデビッド・ヘイマン。撮影監督は「天国の口、終りの楽園。」「トゥモロー・ワールド」などキュアロン作品のほとんどを手がけてきたエマニュエル・ルベツキ。そして、キュアロンとともに脚本を執筆したのはキュアロンの息子ホナス・キュアロン。
2位は前週首位の3Dアニメ「くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密」。先週末の興収は前週比約65%の約2100万ドル。10日間の累計は約6000万ドルと伸び悩み、前作のグロス(最終興収)約1億2400万ドルを超えるのは難しくなってきた。
オープニング興収約760万ドルで初登場3位となったのは、ジャスティン・ティンバーレイク、ベン・アフレック共演の犯罪スリラー「Runner Runner」。プリンストンの大学院に通う苦学生リッチー(ティンバーレイク)は、オンラインのポーカーで大損をし、オンラインカジノの元締めブロック(アフレック)と面会するためコスタリカのリゾートへ向かう。そこで真相を知ったリッチーは、ブロックの罠とFBIからの妨害をかいくぐりながら機略を弄してサバイバルを試みるという実話ベースのストーリー。「リンカーン弁護士」の監督ブラッド・ファーマンによるスリラーだったが、レビューは芳しくなく、オープニング興収も振るわなかった。共演はジェマ・アータートン、アンソニー・マッキー。
その他9位には、8月末から公開され約4000万ドルを稼いだエウヘニオ・デルベス監督・主演のコメディドラマ「Instructions Not Included」に続くライオンズゲート配給によるヒスパニック向けスペイン語コメディ第2弾「Pulling Strings」がランクイン。上映サイト数は387で、オープニング興収は約250万ドルとまずまずのスタートとなった。
今週末は、09年アフリカ・ソマリア沖で海賊に襲撃された貨物船船長リチャード・フィリップスの戦いをトム・ハンクス主演で映画化した「キャプテン・フィリップス」(ポール・グリーングラス監督)に、ダニー・トレホ主演のB級アクション第2弾「マチェーテ・キルズ(原題)」(ロバート・ロドリゲス監督)が公開となる。
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