キャプテン・フィリップス

ALLTIME BEST

劇場公開日:2013年11月29日

解説・あらすじ

2009年にソマリア海域で起こった海賊船による貨物船人質事件を、トム・ハンクス主演、「ボーン・アルティメイタム」「ユナイテッド93」のポール・グリーングラス監督で映画化したサスペンスドラマ。09年4月、援助物資として5000トン以上の食糧を積み、ケニアに向かって航行していたコンテナ船マースク・アラバマ号は、ソマリア海域で海賊に襲われ、瞬く間に占拠されてしまう。53歳のベテラン船長リチャード・フィリップスは、20人の乗組員を解放することと引き換えに自ら拘束され、たった1人でソマリア人の海賊と命がけの駆け引きを始める。米海軍特殊部隊の救出作戦とともに、緊迫した4日間を描く。脚本は「ニュースの天才」「アメリカを売った男」のビリー・レイ。

2013年製作/134分/G/アメリカ
原題または英題:Captain Phillips
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
劇場公開日:2013年11月29日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第37回 日本アカデミー賞(2014年)

受賞

優秀外国作品賞  

第86回 アカデミー賞(2014年)

ノミネート

作品賞  
助演男優賞 バーカッド・アブディ
脚色賞 ビリー・レイ
編集賞 クリストファー・ラウズ
音響編集賞  
録音賞  

第71回 ゴールデングローブ賞(2014年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀助演男優賞 バーカッド・アブディ
最優秀監督賞 ポール・グリーングラス
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映画レビュー

4.0 貧しい国を知る

2024年4月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

貧しい国の、ある人種が海賊となり、貨物船をのっとろうという内容。
前半は、貨物船側と海賊側の攻防が緊迫があってドキドキ楽しかった。
海賊の混乱がいいですよね。「おま、黙っとけよ」と何度思った事かw
騒ぐほどに一緒に緊張が高まりました。
最後まで緊張感を保ちつつラストに、ずどん、と大きな力には勝てないという絶望感がはんぱない。(良い意味で)
トムハンクスは素晴らしい役者ですね…!
観賞していて、ことの経緯がショックで脳が追いつこうとしないのだけど、
彼を見て、泣いていいのだとぼろぼろ涙が落ちました

実話に基づく作品だそうです。

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くまの

2.5 生きたい、ただそれしかない

2013年12月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

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しんざん

3.0 冷静だった船長

2026年7月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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Amadeo

4.5 【92.2】キャプテン・フィリップス 映画レビュー

2026年5月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

2000年代以降の実録サスペンスにおいて、『Captain Phillips』は極めて重要な位置を占める作品である。巨大輸送船を舞台にした海賊行為という題材自体は古典的なパニック映画の構造を踏襲しているが、本作が特異なのは、英雄譚へ安易に傾斜せず、極限状態に置かれた人間の心理崩壊を冷徹に描き切った点にある。娯楽映画としてのテンポを維持しながら、ドキュメンタリーに近い緊張感を最後まで持続させた完成度は高い。特に後半、米軍介入以降の演出は、観客へ高揚ではなく疲弊そのものを体感させる異様なリアリティを獲得している。閉鎖空間における疲労と神経摩耗を持続的に描き続けることで、本作は「どのように逆転するか」ではなく、「どこまで耐えられるか」を観客へ強いる構造になっている。脚本は実話ベース作品にありがちな説明過多を避け、状況描写によって人物像を立ち上げる構造を採用している。序盤、リチャード・フィリップスが船員たちへ危機管理を指示する場面だけで、彼の性格、責任感、現場判断力が自然に伝わる。説明台詞に依存しない点は優秀である。一方で、海賊側の背景描写は意図的に限定されているため、社会構造への踏み込みは浅い。しかし本作は政治的テーマを深掘りするよりも、観客を極限状況へ閉じ込めるサスペンス制御へ重点を置いており、その意味では極めて完成度が高い。特に救命艇パート以降、物語はほぼ単一空間へ移行するにもかかわらず、全く停滞感を生まない。134分という上映時間を感じさせない最大の要因は編集にある。誰が主導権を握っているのか、空間の空気がどちらへ傾いているのか、精神均衡がどこまで崩れているのかを絶えず変化させ続けることで、観客へ「同じ場面を繰り返している感覚」を与えない。これはサスペンス映画として極めて高度な設計である。監督のポール・グリーングラスは、『ボーン・スプレマシー』以降に確立したハンドヘルド主体の即応的演出を本作でも徹底している。細かなカメラの揺れ、限定された視界、狭い空間の圧迫感が、観客を現場へ閉じ込める。特に救命艇内部の撮影は圧巻で、汗、熱気、恐怖が画面越しに伝播する。編集を担当したクリストファー・ラウズも見事であり、船側、海賊側、米軍側を高速で切り替えながら、空間認識を一切失わせない。このギリギリの均衡感覚こそが、本作の異様な没入感を支えている。映像面では、海の広大さと閉鎖空間の対比が強烈な効果を生んでいる。巨大コンテナ船の無機質な構造物と、小型ボートの粗末さの差異は、そのまま経済格差の象徴として機能する。美術も過度な演出を避け、実録感を徹底している。汚れた船内、金属音、救命艇の狭苦しさなど、細部の積み重ねが生々しい。音楽を担当したヘンリー・ジャックマンのスコアも特筆に値する。過剰な感情誘導を避け、不穏な低音によって持続的圧迫感を形成している。エンドロールで流れる“Safe Now”は、安堵ではなく虚脱感を残す選曲として極めて効果的だった。最大の核は、やはりトム・ハンクス演じるリチャード・フィリップスである。トム・ハンクスは長年、善良なアメリカ人像を演じ続けてきた俳優だが、本作ではそのイメージを利用しながら、徐々に精神が摩耗していく中年男性を演じ切った。特に優れているのは、英雄的誇張を拒否している点である。彼は超人的指導者ではなく、恐怖を押し殺して状況維持に努める現場責任者として存在している。そして終盤、医療チェックの場面で感情が崩壊する演技は、彼のキャリアでも屈指の名演である。嗚咽、震え、視線の泳ぎ、その全てが演技を超えた生理反応のように映る。この場面によって本作は単なるサスペンスから、人間の精神限界を描く作品へ昇華された。海賊リーダーのアブディワリ・ムセを演じたバークハッド・アブディは驚異的である。演技経験がほぼ皆無だったとは思えない存在感を見せ、危険性と幼さを同時に成立させた。彼の視線には常に焦燥と被支配者としての怒りが宿っており、単純な悪役になっていない。副リーダー格のビラルを演じたバークハッド・アブディラフマン、ナジェ役のファイサル・アハメド、エルミ役のマハト・M・アリも、閉塞空間における精神崩壊の空気を形成し、救命艇内部の恐怖を増幅させている。加えて、終盤に登場する米海軍側キャスト群の無機質なプロフェッショナリズムも重要だった。特に特殊部隊の冷徹な統制は、海賊側の混乱と対照的に描かれ、国家暴力の圧倒的機能性を静かに印象付ける。本作は誰かを劇的に英雄化するのではなく、巨大システムと個人の恐怖を同時に描き切った点に、この映画の成熟がある。本作は第86回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞、編集賞、音響編集賞、音響賞の候補となった。特にバークハッド・アブディの助演男優賞候補入りは高く評価された。また英国アカデミー賞でも助演男優賞を受賞している。商業映画としての緊張感と、実録劇としての人間描写を高水準で両立した本作は、2010年代アメリカ映画を代表するサスペンスの1本である。
【最終表記】
作品[Captain Phillips]
主演
評価対象: トム・ハンクス
適用評価記号と点: S(10点)
助演
評価対象: バークハッド・アブディ、バークハッド・アブディラフマン、ファイサル・アハメド、マハト・M・アリ
適用評価記号と点: A(9点)
脚本・ストーリー
評価対象: ビリー・レイ
適用評価記号と点: A(9点)
撮影・映像
評価対象: バリー・アクロイド
適用評価記号と点: A(9点)
美術・衣装
評価対象: ポール・カービー
適用評価記号と点: B(8点)
音楽
評価対象: ヘンリー・ジャックマン
適用評価記号と点: B(8点)
編集(加点減点)
評価対象: クリストファー・ラウズ
適用評価点: +2
監督(最終評価)
評価対象: ポール・グリーングラス
総合スコア:[92.2]

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honey