第6回アジアン・フィルム・アワード受賞者決定 日本勢は無冠
2012年3月20日 17:41
[映画.com ニュース] 第6回アジアン・フィルム・アワードが3月19日、華々しく香港で開催された。「アジアのビジネスの拠点」を表明する香港にふさわしく、アジアの映画が一堂に会す盛大な催しに、今年はすべての部門を合わせ、11の国と地域から計32タイトルがノミネートされた。
日本からは、作品部門に「一枚のハガキ」、監督部門に「恋の罪」の園子温、脚本部門に「一枚のハガキ」の新藤兼人、主演男優部門に「わが母の記」の役所広司、助演女優部門に「一命」の満島ひかり、新人部門に「奇跡」の前田旺志郎、美術部門に「セディック・バレ 太陽旗/虹の橋」の種田陽平、音楽部門に「一命」の坂本龍一、VFX部門に「GANTZ」の神谷誠、衣装部門に「ミロクローゼ」の天野恭子、江村耕市がノミネートされたが無冠に終わった。
この夜、注目を集めたのは、ライフタイム・アチーブメント賞を受賞したアン・ホイ監督、そして観客が選ぶ好きな男優&女優賞を受賞したアンディ・ラウとユージーン・ドミンゴ、そし「『別離』のアスガー・ファルハディ監督の代理も務めた女優レイラ・ハタミの4人。
アンディ・ラウは、1982年にアン・ホイ監督の「望郷」でデビュー。そして昨年、同監督の「桃姐」に出演し、中国で初日から6日間で興行収入6億円超えの大ヒットに貢献するなど、よき関係を約30年続けている。そのアンディが新人賞のプレゼンターとして登壇した際、「新人にとって大事なのはチャンス。僕は30年前にそれをもらった」とアン・ホイ監督に謝辞を述べると、会場は大盛り上がり。続いて発表されたライフタイム・アチーブメント賞では登壇するアン・ホイを、2000人を超すゲストがスタンディングオベーションで迎え、興奮は頂点を迎えた。
観客(が選ぶ好きな女優)賞を受賞したユージーン・ドミンゴは、登壇するや大興奮で「この日を25年間待っていたの!」と、受賞と大ファンだというアンディ・ラウとのツーショットを掛けた受賞コメントを披露し、喝采を浴びた。登壇の際にバッグを預かろうとしたスタッフを振り切り取りだしたのはデジタルカメラ。壇上でアンディとのツーショットを自ら撮り、せがんだキスを実現させて舞台袖に下がっていった。
先日、アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「別離」のアスガー・ファルハディ監督は、新作の準備と、イランの新年が立春(3月21日)であるため来訪できなかったが、ここアジアン・フィルム・アワードでも作品賞、監督賞、脚本賞の3冠を獲得。そのたびに主演女優賞でノミネートされていたレイラ・ハタミが登壇。受賞はならなかったが、最後は会場から賞賛の拍手を浴びての退場となった。
アジアのサービスセンターとして、また中国とのビジネス機会へのゲートウェイとしてさらなる成長を遂げようとする香港。そんな香港で行われたアジアン・フィルム・アワードの熱気をビジネスにも持ちこまんと、香港特別行政区政府は、5月15日に東京で、17日に大阪で「“think GLOBAL think HONG KONG”国際化へのパートナー:香港」と題したシンポジウムを行い、クリエイティブ産業分野でも分科会が開かれるという。
日本からのゲストとしてプレゼンターを務めたオダギリジョーと香里奈は、ともに流ちょうな英語でノミニーを紹介し、会場のファンから熱狂的な歓声を浴びていた。
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