別離(2011)
劇場公開日 2012年4月7日
解説
2011年・第61回ベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞と男優、女優陣のアンサンブルに対して銀熊賞(男優賞・女優賞)が授与され、ベルリン映画祭史上初の作品および男優、女優賞の3冠を達成したイラン映画。第84回米アカデミー賞でもイラン映画として初の外国語映画賞を受賞したほか、脚本賞にもノミネートされた。離婚の危機を迎えた夫婦を軸に、両親をつなぎとめようとする娘や、彼らの問題に巻き込まれてしまうもうひとつの家族の物語が絡み合い、複雑な人間心理を描き出していく。監督は「彼女が消えた浜辺」(09)でもベルリン国際映画祭の銀熊賞(監督賞)を受賞したイランの新鋭アスガー・ファルハディ。
2011年製作/123分/G/イラン
原題:Jodaeiye Nader az Simin
配給:マジックアワー、ドマ
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2022年4月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
外国に憧れる妻は離婚を申し立てるが、夫にはアルツハイマーの父親がいるため外国には行けない。という離婚申し立てのオープニング。とりあえず家を出て行った妻のサミンだったが夫ナデルは戻ってくると信じて、サミンの紹介による家政婦を雇う。ところが、妊娠していた家政婦ラジエーは仕事が辛いと辞めたいと申し出をするが、次の日も辛さを隠しつつ父親の介護をする。
仕事中、ある用事で家を空けたラジエーはナデルの父親ベッドに縛り付けたことが原因で死にかけてしまう。おまけに泥棒扱いをして家を追い出そうとするが、その時事故が起こった。ラジエーが流産となり病院へと送られたのだ。ラジエーの夫ホッジャトはナデルを訴え、判事は殺人罪をも念頭に関係者を取り調べるのだった。妊娠をナデルが知っていたかどうかが争点となり、サミンは独自に示談交渉に持ち込もうと動く。
心理サスペンスとしても見事なストーリー。当事者同士の嘘や家族の疑心暗鬼の眼差しが見事に交錯し、根底には神の存在があり、法廷での真実を見つめているのだ。全て神様に決めてもらいたいように思えてくるし、両家族の娘たちの目が親たちを鋭く突いてくる。当事者の話し合いによる解決が理想的だとも取れるが、どこかに遺恨を残してしまう可能性だってある。イスラム世界だけの構図ではなく、国同士の関係にも通ずる普遍性も感じられるのです。
結末を見ると何故かホッとした。もし、ちょっと押しただけで殺人罪が問われるのなら、妊婦さんのみならず、お年寄りなど社会的弱者にさえ近づけなくなるよなぁ・・・
取り返しのできない事態を目の前にし、なすりつけたり、躱したりする大人たち。すべてが何らかの負い目に抗う。心ない行いに刺さる無垢な目。爺の目、少女、そして娘。少女と娘がかわす視線。娘は父に問い、踏み入り、涙する。過度に人を攻撃する訳でもなく、人のありようを照射する。中心人物だけではなく、周囲に至るまで実に細かい。
2022年1月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
レビューが書けない位凄い映画。一人一人の心理描写が鮮やかに描かれていると思う。脇役の子役も含めて。
心理サスペンスとも言える。その心の動きも納得が行く。
兎に角、本年度一番かなぁ。って言っても新年始まったばかり。
2021年5月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
事の発端は海外に出ようと言い出した奥さんだと、私は思う母として妻として
イランには介護施設はないのか??
あっても宗教上許されないのか?
一方、不幸を背負ったまま子の手を引きホームヘルパーに来た女性も
信仰が厚いのにどんどん不幸になるのはなぜだろう
自分の罪を電話で聞くタイミングが遅いでしょ、散々ウソついてからなんだもん
しかしいろいろルールがありすぎるる…
時間を置いて考えると
これは映画ですからね、大変緊迫する面白い映画だった、と捉えるべきね
イラン版「マリッジストーリー」イヤな感じしか残らない、疲れた
だからこそ面白いんじゃ〜!
*てっきりキアロスタミの作品だと思って見てた、、、
検索リストに入っていたから、、、
こんなのも撮るんだ〜って^^;
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