トロント映画祭観客賞は鬼才クローネンバーグ監督のスリラー!
2007年9月18日 12:00
[映画.com ニュース] 第32回トロント国際映画祭が9月15日に閉幕。同日夜の授賞式では、同映画祭で上映された全349作品の中から観客の投票で最も支持を受けた、最高賞となる観客賞(The People's Choice Award)が発表され、ビゴ・モーテンセンとナオミ・ワッツが共演した、カナダ人のデビッド・クローネンバーグ監督の新作スリラー「Eastern Promises」が選ばれた。
同作は、鬼才クローネンバーグ監督が「ヒストリー・オブ・バイオレンス」に続いてモーテンセンと組み、ロンドンを舞台に血生臭いロシア・マフィアの暗躍を描く、ハイテンションなバイオレント映画。ちょうど先週末に全米で封切られ、映画批評家の評判も高く、クローネンバーグ監督はプロモーションのためにニューヨーク滞在中だった。
同作は、今回の受賞によって、08年のアカデミー賞レースのダークホースにのし上がったと言える。というのも、目の肥えたトロントの映画ファンによって選ばれた受賞作には、過去に「炎のランナー」や「アメリカン・ビューティー」といったアカデミー作品賞受賞作もあり、「シャイン」「ライフ・イズ・ビューティフル」「グリーン・デスティニー」「クジラの島の少女」「ホテル・ルワンダ」といったアカデミー賞有力作を送り込んでいるからだ。
観客賞次点には、「サンキュー・スモーキング」で長編デビューを飾った“隣町”モントリオール出身のジェイソン・ライトマン監督(父はアイバン・ライトマン)の新作コメディ「Juno」(フォックス・サーチライト)。10代の妊娠騒動を描き、20歳の主演女優エレン・ペイジ(「X-MEN/ファイナル・ディシジョン」)の鮮烈な演技が注目を浴びた。また、観客賞次点(ドキュメンタリー映画部門)には、イラク戦争の爪跡を綴ったフィル・ドナヒュー&エレン・スピーロ共同監督の「Body of War」が入った。