ギルバート・グレイプ

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劇場公開日:

ギルバート・グレイプ

解説・あらすじ

「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」で注目を集めたスウェーデンのラッセ・ハルストレム監督が、ハリウッドで手がけたヒューマンドラマ。

アイオワ州の小さな町エンドーラ。特になにもないこの町から生まれて24年間出たことがない青年ギルバートは、ハンディキャップを抱えた弟アーニーと、身動きが取れないほど太った過食症の母、そして2人の姉妹の面倒を見ながら日々を送っている。家族を守ることに精いっぱいで自分の夢も希望も見失っていたギルバートは、ある日、トレーラーで旅をしながら暮らしている少女ベッキーと出会う。車の故障でしばらく町にとどまることになったベッキーとの交流を通して、ギルバートは自分の人生を見つめ直していく。

ギルバートをジョニー・デップ、アーニーをレオナルド・ディカプリオ、ベッキーをジュリエット・ルイスがそれぞれ演じ、ディカプリオはアカデミー助演男優賞にノミネートされた。ピーター・ヘッジスの同名小説の映画化で、ヘッジス自身が脚本を担当。

1993年製作/117分/アメリカ
原題または英題:What's Eating Gilbert Grape
配給:東北新社
劇場公開日:2022年8月5日

その他の公開日:1994年8月20日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

5.0いつの時代も愛される名作に

2018年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

ラッセ・ハルストレム監督のハリウッド1作目であり、若かりしレオナルド・ディカプリオがオスカー助演男優賞にノミネートされた秀作ヒューマン・ドラマ。ジョニー・デップが「普通の」人間を演じているのも新鮮。

家族のためと自らを片田舎に縛り付ける青年ギルバートが自由奔放な少女ベッキーに触発されていく様を暖かく見つめる。

知的障害を持つギルバートの弟をディカプリオが演じているが、見事ななパフォーマンスを披露している。彼の芝居の巧みさはこの映画の質を大きく引き上げている。ベッキー役のジュリエット・ルイスの透明感ある存在感も素晴らしい。

古典的な家族愛の物語であり、青年の成長物語であり、人の尊厳を問うヒューマニズムでもある本作。いつの時代に観られても人の心を動かす普遍性が溢れており、古典の1本に将来はなるかもしれない。

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杉本穂高

4.0若い頃の綺麗なお母さん、どんなんやったんやろ

2025年4月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

すごい家族構成で太って動けない母親、知的障害の弟を含む4兄弟。
決して裕福そうでもないだろうに誰一人ぐれてない。みんな協力し合って生きている。
節々に愛情を感じる場面が出てきてそのたびにほろっとする。

途中から私的障害の弟がデカプリオに似てるなと思ったら本当にデカプリオだった。
撮影当時は多分、20歳になっていなかったろうに素晴らしい演技力だった。
それでもアカデミー賞は助演男優賞のノミネートに終ってる。
その年の受賞者は誰やってんやろ?(トミー・リー・ジョーンズ – 『逃亡者』)
さらにびっくりしたのはエンドロールで流れたギルバートがジョニー・デップだったこと。
忘れたらあかんのは母親、俳優デビュー作らしい。
映画のためにわざと太ったのか?それともCG?

とてつもない家族なのだが周りの人々が優しく物語を暖かくしている。
ほろ苦い恋もあったり、ドッキリする不倫もあったり、盛りだくさんの良い映画でした。

ギルバートが弟の誕生日に絶対に行かないといってたスーパーでケーキを買って出てきたとこでばったりアルバイト先の食料品店の親父と出くわしたシーンは笑うに笑えなかった。

結局、この家族も母親の死と友にバラバラになるのだがまた、いつか一緒に暮して欲しいと思わせる映画だった。
「人に見られて馬鹿にされるのがいや」といってたお母さんのために遺体を家ごと焼いてしまうと言うのはいかがなものか?
決断力の無かったギルバートが唯一、決断した場面、私にはこんな発想ないしこんなことしたら間違いなく刑務所へ直行やね。
なんとなくハッピーエンドで終ってるのがある意味、恐ろしい。

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♪エルトン シン

3.5ギルバートを蝕むもの

2025年4月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

責任感の強い人、というのは往々にして自分の事を後回しにしがちだなぁ、と思う。それはもちろん美徳ではあるのだが、なんだかむしろ気不味い思いをすることもあるし、そんなに頑張らなくても良いのに、と思うこともある。
本作のギルバートも当にそれに当てはまる。

ギルバートの置かれている状況を考えると、誰かがやらなきゃいけない事を全部背負い込んでしまっていて、やりたいことなんてとてもじゃないけどやれない。そんな風に生きているように思うのだ。
目を離すと何を仕出かすかわからない弟のこと、夫を失って引きこもりになってしまったの母親のこと、そもそもお金がないこと…。挙げていくときりがない。

原題はWhat is eatingが「ギルバート・グレイプ」の前につく。

英語の表現でeatingは「蝕む」という意味がある。
何がギルバートを蝕んでいたのか?結局それはギルバート自身の思い込みと背負い込みだ。
彼を自由な選択から遠ざけていたのは肥満の母でも障害のある弟でもない。思えばギルバートの父も同じだったのだろう。
父親が存命の頃は母も肥満体の引きこもりではなかったはずだから、ギルバートよりも状況的にはマシだったはずなのに、何かを背負い込んだ瞬間からその見えない荷物は大きくなり続け、父親を蝕み、生きる喜びをその重みが凌駕したということになる。

色々あって責任から逃げ出したがゆえに、ギルバートは「そんなに頑張らなくても何とかなるじゃないか」ということに気づく。
何もかも背負い込んだとしても、全てに対応するのは不可能だ。結局どこかで取りこぼし、責任感があるがゆえに自分を責める。今回はたまたまギルバートを抜きにしても問題が片付いただけかもしれないが、その「たまたま」が重要なのだ。
「何とかなる時は何とかなるし、何ともならない時もある。その時はその時、そんなもんだ」そのことに気づいただけで、人生の荷物はちょっと軽くなるから。
その気づきと、明確に軽くなった荷物のおかげでギルバートはやっと自分の人生を選択し、生きていることに喜びを見出せたのだと思う。

まとめてしまうと「ただそれだけ」の話なのだが、それを飽きさせることなくギルバートに寄り添いながら観ていられるのは、やはり俳優陣の演技力の高さが大いに貢献しているからだ。
私は30年近くレオ様ファンなのだが、やっぱり若い頃からオーラも演技力もダントツに輝いてるなぁとしみじみ思ったくらいだ。

そこまで面白い映画ではないが、レオ様を語る上では絶対に外せない一品である。

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つとみ

3.0 柳楽優弥さん主演の「ライオンの隠れ家」を観て、番宣時にこの映画の...

2025年1月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他

 柳楽優弥さん主演の「ライオンの隠れ家」を観て、番宣時にこの映画のタイトルを聞き、興味を持ったので視聴しました。
 これはこれで、ライオンの隠れ家とは違う結末ですねぇ。どちらも良き道とは言えるけど時代や家族の形、土地柄によって彼らの先行きが十人十色であることが分かります。まず町の人たちが優しかった。時に無常な対応をされるときもあるけれど、それは人として平等にみた結果の対応として私にはみえました。いつの時代もヤングケアラーはいて、やっとその言葉が今になって認知されてきたように感じます。
 若き日のジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが観れたのも良き。どちらが素晴らしいんじゃなく、どっちも素晴らしい。ただ、私的には「ライオンの隠れ家」の方が好きかも。

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