アングスト 不安

劇場公開日:

アングスト 不安

解説

1980年にオーストリアで実際に起こった殺人鬼ベルナー・クニーセクによる一家惨殺事件を映画化した実録スリラー。83年にオーストリアで製作され、日本では88年に「鮮血と絶叫のメロディ 引き裂かれた夜」のタイトルでレンタル用VHSとして発売された作品を2020年に劇場初公開。刑務所出所後の殺人鬼が感じる不安、プレッシャーによる異様な行動や心理状態、それらを冷酷非情で凶暴なビジュアル、斬新なカメラワークで表現。陰惨な世界観を「U・ボート」「アンダーワールド」のアーウィン・レダー演じる殺人鬼のモノローグでつづっていく。音楽を元「タンジェリン・ドリーム」のクラウス・シュルツ、撮影をアカデミー短編アニメ賞を獲得した「タンゴ」やジョン・レノン、ミック・ジャガーなどのMVを手がけたズビグニェフ・リプチンスキが担当。監督は本作が唯一の監督作品となるジェラルド・カーグル。

1983年製作/87分/R15+/オーストリア
原題または英題:Angst
配給:アンプラグド
劇場公開日:2020年7月3日

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(C)1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion

映画レビュー

4.0狂人の視座

2020年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

狂人が出てくる映画は数多いが、ここまで徹底的に狂人側の視点に立った映画はなかなかない。お蔵入りになった理由もよくわかる。この映画は狂人の精神状態を常人に体験させようという映画なのだ。それは不快に決まっている。
ただ、不快かもしれないが、ものすごく貴重な体験でもある。この世界にはこの映画の主人公のような理解するのが困難な人間は現に存在しており、そういう人間とも社会の中で遭遇することもあるのだ。そういう人物を追体験することは、観客の視野を広げ、世界の理解を深める。優れた映画は、観客に普段の視点とは異なる視座からの世界を体験させ、世界の見方を変えてくれるものだが、本作はまさにそういう作品である。ただし、美しい視座を与えてくれるわけではない、とびきりゆがんだ世界の見方を与えるので、注意が必要だ。
この世界には、こういう常人の理解を超えた行動をする人間が現にいる。そういう人間の視座を体験することは確かに貴重な機会である。

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杉本穂高

4.0この超絶的に奇妙なカメラワークに心酔しっぱなし

2020年7月3日
PCから投稿

83年に本国公開された際はあまりの衝撃ゆえ1週間で打ち切りになったとか。出所したシリアルキラーがまたも衝動に駆られて身を疼かせる本作は、まるで犯人の精神状態を体感するようなヴィジョンが生々しく展開する一作だ。が、公開から40年近く経つ今となっては、ホラー描写に震え上がることはなかったし、主人公の行動が笑ってしまうほど悲しく滑稽に見えることも多かった。

逆に、本作が今なお誰にも越えられない鉄壁を持っているとしたら、その筆頭に挙げるべきは超絶的なカメラワークだ。主人公の周囲をふわりと漂ったかと思えば、突飛な行動に合わせてカメラも突発的に感応し、またある時には主人公を「やや斜め上」から見つめる。さらに屋外シーンではどうやって撮ったのか見当もつかない超俯瞰が炸裂。見れば見るだけ本当に奇妙で、目が離せなくなる。まさか衝撃、震撼ではなく、魅了、心酔させられるとは。私は頭がおかしくなってしまったのか。

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牛津厚信

4.0必要なので観ることにした

2025年1月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ホラーとスプラッターは大嫌いなので、絶対観ないことにしている自分。

なぜ禁を犯し、自制を解いたかと言うと
大切なフォロアーさんが僕の「桜桃の味」に下さったコメントに、ふと本作に触れる一文を残して下さっていた事と、
もう一つ、一昨々日、職場で僕は大変な経験をしてしまったからなのだ。

つまり、
会社の立ち話で最近話題になっていたのは
・お隣り中国で日本人駐在員の家族が立て続けに刃物で襲われ、そして
・日本国内でも先々日は福岡のマックで、そして
・先日は僕が住む街のバス停でも、通り魔が中学生やサラリーマンを次々と包丁で刺した。
犯人は徒歩で逃亡中であり、現在報道で大騒ぎになっている。
・なぜだろう、世の中のみんなが恐ろしく不安とイライラを抱えていて、殺傷沙汰や戦争が頻発している昨今。

それで、
仕事中に同僚との何気ないやり取りがあったのだ ―
「僕だって本心をむき出しにすれば包丁でこうするかもよ」と笑って言ったらば、彼は
「ちょ、、やめてもらえる? 亡くなったのは友人なんです。さっき知ったばかりで」と急に泣きながら場を離れた。

だから、「何が起こったのか」を、僕は急きょ、知る必要が出来たのだ。

・・・・・・・・・・・・・・

「この問題」は、実は以前から僕の課題でもあって、精神科医の講演会で挙手して質問を投げかけた事もある、
Q:私「患者は犯罪を犯しますか?その確率は?」
A:ドクター
「よく尋ねて下さいました。精神疾患の患者さんの犯罪発生率は健常者の10分の1です」
「報道と記憶に強く残るので病人はやりかねない人々と思われがちですが、実際は病人は犯罪を起こしません」と。

では“正常ではない状況の人たち”はどのように裁かれるのかも知りたくて、森田芳光の「39.刑法第三十九条」も僕は観ている。

ずっとこれまで、病者との付き合いが多かった僕にとっては、今回、同僚を泣かしてしまった不始末を、改めて消化する義務が生じたのだ。

・・・・・・・・・・・・・・

本作、
猟奇殺人を繰り返す男の
「供述調書」と
「医師の鑑定の所見」と、そして
本人の独白 (ナレーション )だけで成り立っているシナリオ。
徹頭徹尾、本人の目線だけでスクリーンは完結する。

何も納得することも、
学習することも、また同情することもなく、鑑賞を終了した。
空虚な思いだが、友達を失った同僚がいる職場に今から戻るところだ。

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きりん

4.0題名通り!視聴後も不安でいっぱい

2024年9月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

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わんわん

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