鵞鳥湖の夜

劇場公開日:

鵞鳥湖の夜

解説

「薄氷の殺人」で第64回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した中国の気鋭ディアオ・イーナン監督が、中国社会の底辺で生きる人間たちの現実を鮮烈な映像で描いたノワールサスペンス。2012年、中国南部。再開発から取り残された鵞鳥湖(がちょうこ)周辺の地区で、ギャングたちの縄張り争いが激化していた。刑務所を出て古巣のバイク窃盗団に戻った男チョウは、対立組織との争いに巻き込まれ、逃走中に誤って警官を射殺してしまう。全国に指名手配された彼は、自身にかけられた報奨金30万元を妻子に残すべく画策。そんな彼の前に、見知らぬ女アイアイが妻の代理としてやって来る。鵞鳥湖の水辺で娼婦として生きる彼女と行動をともにするチョウだったが、警察や報奨金強奪を狙う窃盗団に追われ、後戻りのできない袋小路へと追い詰められていく。「1911」のフー・ゴーが主演を務め、「薄氷の殺人」のグイ・ルンメイ、リャオ・ファンが共演。2019年・第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

2019年製作/111分/PG12/中国・フランス合作
原題または英題:南方車站的聚会 The Wild Goose Lake
配給:ブロードメディア・スタジオ
劇場公開日:2020年9月25日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第72回 カンヌ国際映画祭(2019年)

出品

コンペティション部門
出品作品 ディアオ・イーナン
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映画レビュー

4.0グイ・ルンメイ、アジア映画界きっての演技派美人女優

2020年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

興奮

萌える

ディアオ・イーナン監督の前作「薄氷の殺人」でこの長いキャリアの女優を恥ずかしながら初めて知り衝撃を受け、過去の出演作をハシゴしてますます魅了された評者だが、本作でもそのクールな美貌、儚げだがしたたかさも漂わせる存在感を堪能できた。トレードマークの短髪に、少年のように細く小柄な身体は、アジアンノワールのファムファタールにうってつけだ。主演のフー・ゴー(岩井俊二監督の「チィファの手紙」にも短く出演)は大柄な体躯を駆使して活劇を牽引するが、ルンメイが演じる娼婦もW主演と言って差し支えないほど重要で、彼女を軸に話を追うとミステリ要素を一層楽しめる。

「薄氷の殺人」が過去の事件の謎を刑事が追う比較的ストイックな作風だったのと対照的に、本作は(回想場面もあるとはいえ)出来事が現在進行形でダイナミックに展開。仏映画発のスタイリッシュな暗黒映画を継承しつつ、中華らしいケレンを添えて新味を出している。

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高森 郁哉

4.0夜の静寂の中に、鮮烈かつ魅惑的な野性味がほとばしるノワール作品

2020年9月22日
PCから投稿

夜の静寂の中、鮮烈な野性味がほとばしるノワール作品だ。舞台は都市開発から取り残された鵞鳥湖のほとり。片や警察に追われる男がいて、片や「あなたの奥さんの代理で来た」と主張する女がいる。建物の陰で初対面を交わした二人は、これまでの経緯を回想しつつ、この先どうすべきかの決断を迫られる・・・。ストーリーだけみると単純な逃走劇かもしれない。だが、主人公をあえて一人に限定せず、男女それぞれが目線を絡ませあうことで語り口の面白さが増す。

寡黙で胸の内側をほとんど表に出さない彼らには、何を考えているのか分からぬミステリアスな雰囲気が漂い、だからこそ身体を駆使して感情が一気に噴き出す際の凄みは計り知れない。寂れた街並みを照らすネオンや蛍光色も忘れがたい要素。イーナン監督流の魅惑の映像美にすっかり陶酔しきりの我々観客の姿は、怪しい明かりを求めて水辺に群がる登場人物たちの生態とさほど変わらないのかもしれない。

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牛津厚信

5.0ブンガワンソロは日本人の作曲者♥

2024年1月30日
スマートフォンから投稿
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マサシ

4.0グイルンメイ美人すぎる。

2022年7月30日
iPhoneアプリから投稿

藍色夏恋からちょっと大人になったらこんなにも美人になっていた。物語としては重い。こんな世界で生きていかなくてはならないのかと夜が怖くなった。以上!

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しをん