新聞記者

ALLTIME BEST

劇場公開日:2019年6月28日

解説・あらすじ

「怪しい彼女」などで知られる韓国の演技派女優シム・ウンギョンと松坂桃李がダブル主演を務める社会派サスペンス。東京新聞記者・望月衣塑子の同名ベストセラーを原案に、若き新聞記者とエリート官僚の対峙と葛藤をオリジナルストーリーで描き出す。東都新聞の記者・吉岡エリカのもとに、医療系大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届く。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、強い思いを秘めて日本の新聞社で働く彼女は、真相を突き止めるべく調査に乗り出す。一方、内閣情報調査室の官僚・杉原は、現政権に不都合なニュースをコントロールする任務に葛藤していた。そんなある日、杉原は尊敬するかつての上司・神崎と久々に再会するが、神崎はその数日後に投身自殺をしてしまう。真実に迫ろうともがく吉岡と、政権の暗部に気づき選択を迫られる杉原。そんな2人の人生が交差し、ある事実が明らかになる。監督は「デイアンドナイト」の藤井道人。第43回日本アカデミー賞では最優秀作品賞、最優秀主演男優賞(松坂桃李)、最優秀主演女優賞(シム・ウンギョン)の3冠に輝いた。

2019年製作/113分/G/日本
配給:スターサンズ、イオンエンターテイメント
劇場公開日:2019年6月28日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第43回 日本アカデミー賞(2020年)

受賞

最優秀作品賞  
最優秀主演男優賞 松坂桃李
最優秀主演女優賞 シム・ウンギョン

ノミネート

最優秀監督賞 藤井道人
最優秀脚本賞 詩森ろば 高石明彦 藤井道人
詳細情報を表示

“観る楽しさ”倍増する特集をチェック!

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13

(C)2019「新聞記者」フィルムパートナーズ

映画レビュー

3.0挑戦は買うがもったいない

2020年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

シム・ウンギョンも松坂桃李も素晴らしい演技をしている。撮影監督の今村圭佑の作る陰影の強い映像も見応えある。なによりこの題材に挑んだことは高く評価されるべきだ。
しかし、いろいろ問題点も多い。「新聞記者」というタイトルで、原作が現役新聞記者の書いた本であるなら、観客が期待するのは記者による情報集めが権力を追い詰めていく展開だろう。
例えば、「大統領の陰謀」や「スポットライト」のように、記者たちがわずかなソースを手がかりに情報の糸を手繰っていき真相を突き止めるような。しかし、本作の主人公の記者は自分で情報を取ってこれない。情報を取ってくるのはもっぱら内調の杉原だった。なぜこの記者は自分の足で情報を取りに行かないのだろう。思わせぶりなことをツイートしてる暇があったら現場で情報を取る努力をしてくれと何度も思ってしまった。
森達也監督の「i 新聞記者ドキュメント」を観ればわかるが、実際の望月記者は、とてもアクティブに全国を飛び回っている人だ。内調の内部告発頼りでいいのか。それで「新聞記者」という存在の意義を描いたといえるだろうか。
藤井光監督の実力は確かだと思う。この作品はもっと良いものにできたはずだ。

コメントする (0件)
共感した! 31件)
杉本穂高

3.5「空母いぶき」に共通する邦画の挑戦と限界

2019年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

忖度と同調圧力が増すこの国で、現政権に異議を唱えること(フィクションではあるが、定例会見における菅官房長官との“対決”で注目を集めた東京新聞記者・望月衣塑子の著書が原案)に重点を置く劇映画を製作すること自体が、とてつもなくハードルの高いチャレンジだっただろう。主演の一人である松坂桃李をはじめ名の通った俳優を集め、公開までこぎつけたことに心より敬意を表する。

ただ、肝心の女性記者役に日本人女優をキャスティングできなかったことが、邦画界の限界を示してもいる。一定以上売れている女優に“反体制”の色がつくのを、所属事務所が嫌ったのでは。韓国人女優シム・ウンギョンは健闘したし、帰国子女という設定にして日本語ネイティブでないこともエクスキューズしたが、望月記者のトレードマークとも言えるあの執拗な質問を劇中で再現できなかったのは言語の壁が一因ではなかったか。意欲作ではあるが、傑作への道は遠い。

コメントする 11件)
共感した! 112件)
高森 郁哉

2.5煮え切らない何かが存在する

2025年8月9日
PCから投稿

悪くは無い
よくも無い

胸躍る何かが足りない
とある陰謀を描くが
発見から行動、過酷と危険、
死ぬ気の紙一重さが無い。
演技の問題ではない事実。

悪くは無いが
よくも無いは
後に残らない

煮え切らない何か、薄さ
ずっとそれがつきまとう。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
星組

2.5部屋の照明をつけろ

2025年7月22日
PCから投稿

森友・加計をモチーフにしている点以外は目新しい点はなく、よくある正義に燃えるジャーナリスト映画。
ほぼ予備知識無く観始めたので、途中から違和感が増えていったのだが、Wikipediaを見たところ、遺族と揉めてフィクションへ路線変更したらしい。
うーん、そういうとこ含めて、リアリティよりジャーナリストの願望を優先しているような気がする。
極秘資料を盗み出すくだりはあまりにも使い古された演出だし、引き出しに鍵すらかかってない。
そんな安っぽいサスペンス要素は省略すればいいと思う。

とにかくあらゆる室内の照明が暗いのだが、そんなことで物語に重厚感が出ると思ってるのだろうか。
特に内閣情報調査室。
まあ、どんな部署なのかしるよしもないし、リアリティうんぬんは野暮かもしれないが。

映画を通して安倍政権を糾弾するという本来の目的は果たせたのだろうが、映画の出来としては目を見張るものはなかった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
うまぶち