人間失格 太宰治と3人の女たち

劇場公開日:

人間失格 太宰治と3人の女たち

解説

小栗旬が文豪・太宰治を演じ、小説「人間失格」の誕生秘話を、太宰を取り巻く3人の女性たちとの関係とともに描いたオリジナル作品。「ヘルタースケルター」「Diner ダイナー」の蜷川実花がメガホンをとり、脚本を「紙の月」の早船歌江子が手がけた。1964年、人気作家として活躍していた太宰治は、身重の妻・美知子と2人の子どもがいながら、自分の支持者である静子と関係を持ち、彼女がつけていた日記をもとに「斜陽」を生み出す。「斜陽」はベストセラーとなり社会現象を巻き起こすが、文壇からは内容を批判され、太宰は“本当の傑作”を追求することに。そんなある日、未帰還の夫を待つ身の美容師・富栄と知り合った太宰は、彼女との関係にも溺れていく。身体は結核に蝕まれ、酒と女に溺れる自堕落な生活を続ける太宰を、妻の美知子は忍耐強く支え、やがて彼女の言葉が太宰を「人間失格」執筆へと駆り立てていく。太宰を取り巻く3人の女たちを演じるのは、正妻・美知子役の宮沢りえ、静子役の沢尻エリカ、富栄役の二階堂ふみ。そのほか坂口安吾役の藤原竜也、三島由紀夫役の高良健吾、成田凌、千葉雄大、瀬戸康史ら豪華キャストが集う。

2019年製作/120分/R15+/日本
配給:松竹、アスミック・エース
劇場公開日:2019年9月13日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第43回 日本アカデミー賞(2020年)

ノミネート

最優秀主演女優賞 宮沢りえ
最優秀助演女優賞 二階堂ふみ
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(C)2019「人間失格」製作委員会

映画レビュー

4.0小栗旬が見出した太宰治 製作陣の覚悟に最敬礼

2020年8月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

実在の人物を描いているだけに、どういう結末に至ったかは誰もが知っている。 それでも製作陣に、主演の小栗旬に最敬礼したいのは、小説「人間失格」を映画化したのではないから。そして、生に執着した太宰という新たな着眼点を、違和感など吹き飛ばすほどの説得力で演じ切ってみせたから。 そこに至るには何年にも及ぶ製作サイドの準備期間があり、理論武装するだけの取材期間があったからだが、小栗をはじめ宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみがしていった肉付けが素晴らしかった。映画賞で無冠なのは、なぜなんだろうか? しっかり評価されるべき作品である。

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大塚史貴

4.0蜷川実花監督のビジュアルセンスは題材を選ぶ

2019年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

興奮

写真家としてキャリアをスタートさせ、映画監督としてはこれが4作目となる蜷川実花。ビビッドで極彩の色使い、知性よりも感覚に訴えるスキャンダラスな作風は、写真家としてのスキルと女性ならではセンスを十分に活かしたもので、昨今の邦画界において貴重な存在であるのは間違いない。 「さくらん」「ヘルタースケルター」は女性の美や性を扱う漫画が原作、「Diner ダイナー」は平山夢明による原作小説で殺し屋たちの話。エロスや暴力、狂気の視覚化で持ち味を発揮できたが、今作は太宰治の小説「人間失格」が題材。蜷川監督は自身の得意のテリトリーに寄せるべく、3人の女性との関わりを軸に作家の創作に迫ろうとしたのだろう。時代の寵児であり放蕩生活を送った太宰の半生がカラフルに活写された反面、孤独な魂や創作の苦しみに迫る深み、純文学らしい耽美的な味わいという点で弱い。豪華な俳優陣は健闘したと思うが。

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高森 郁哉

3.5まんま、イキってる小栗旬 でもうらやましい

2024年2月15日
Androidアプリから投稿

別に太宰治のファンではないので不快にはならないですが、 太宰治を嘘つきの軽薄な人間だったという考察ですね 性差別的な言い方になりますが、男勝りの演出家、蜷川実花らしいといえます 女性にとっては許し難い男ですからね まあモテない君の僕にとっても天敵ですが、反面、ジェラシーとも羨望ともとれる感情を持ってしまいます 女性のみなさん、ごめんなさい 前回、”PERFECT DAYS”をクソミソに言いましたが、本音がここにあります ”PERFECT DAYS”は、人生に疲れたのかわかりませんが、監督は精神的に病んでるとしか思えませんでした 役所広司が余力を残しながら、一人暮らしを満喫しているのがいいなんて、病気ですよ 人と動物との違い 誰かと一緒に生きる事 そして死ぬ時には誰かに看取って欲しい 寂しい老後はまっぴらです モテる男は大抵、傍らに献身的な女性がいます どんなに歳をとっても、モテる男のそばには女性はいるんですよね 羨ましいです だから今回のような太宰治をおとしめるような作品であっても、ちょっと羨ましくなってしまうんですよ あぁ、あやかりたい 太宰治は、好きなように生きて死んだし、女3人も好きなように生き、死んで行ったはず 人生なんて最後は死です 志賀直哉と喧嘩をしていましたが、勝った負けたなんていずれ死ぬ身にはなんの意味もない 飛躍しますが、プーチンを見ていると、ええ歳こいていつまで権力にしがみつきたいんかと思います 彼には理想の社会主義なんかどうでもいいんだろうな 小栗旬が左利きのまま演じていましたが、コレは実話じゃないっていう言い訳かな?そんな小心者なのか蟻川監督 でも 女性監督だけあって、イケメンがワンサカ出てきます このへんは、欲望に忠実でいいですね 主役の小栗旬に始まり、坂口安吾が藤原竜也、三島由紀夫に高良健吾 彼なんかに太宰治をやらせたら色気ムンムンで女性が卒倒してしまいますよ 他に、成田凌、千葉雄大、瀬戸康史などなど 副題の3人の女性もいい 宮沢りえはまだまだ色気があるし 沢尻エリカは気の強い才女がまた、イヤミなのに惹かれてしまう 二階堂ふみはタイプじゃないんですが(おこがましい)、女優としては大好きです あの色気と演技に魅せられてしまいます 反面、小栗旬のセリフ 「かわいいなあ」は、しらけました あれはもう小栗旬そのまんまです

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nakaji

4.0特に三人の女がよかった

2024年1月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

太宰治というのは本当におかしな人間です。 どう見てもダメな男の代表で、絶対付き合いたくないけど、会ってみたい。何がそんなに女性を引き付けるのか、謎過ぎてかえって知りたくなる危ない男です。 誰が演じても、どんな演出でも本当の彼をとらえきることはできないし、いいんです!それで。小栗旬の太宰は「あり」、だなあと思いました。最後の鬼気迫る執筆シーンは見事でした。 そして、3人の女たちもよかったです。 夢みがちな治子、ただ耐える妻(あきれてるのかもしれない)、ぐいぐい暴走していく富栄。それぞれの個性が素晴らしく、特に二階堂ふみがイメージピッタリで素晴らしかったです。 太宰がもててるようで実は、愛人たちのいいなりで、おもちゃになってるのは面白かったですね。 私は蜷川実花さんの演出は本当はあまり好きではないんです。キレイで、写真ならいいけど、映画ではちょっと奇抜すぎて、そっちが気になってしまって。結核の血なんかもやけに目立つし。でも、この作品や時代にはあってたかもしれません。 とにかく太宰治って人間はやっぱり面白いなあと思いました。

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ナイト

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