劇場公開日 2019年9月13日

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「小栗旬が見出した太宰治 製作陣の覚悟に最敬礼」人間失格 太宰治と3人の女たち 大塚史貴さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0小栗旬が見出した太宰治 製作陣の覚悟に最敬礼

2020年8月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

実在の人物を描いているだけに、どういう結末に至ったかは誰もが知っている。
それでも製作陣に、主演の小栗旬に最敬礼したいのは、小説「人間失格」を映画化したのではないから。そして、生に執着した太宰という新たな着眼点を、違和感など吹き飛ばすほどの説得力で演じ切ってみせたから。
そこに至るには何年にも及ぶ製作サイドの準備期間があり、理論武装するだけの取材期間があったからだが、小栗をはじめ宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみがしていった肉付けが素晴らしかった。映画賞で無冠なのは、なぜなんだろうか? しっかり評価されるべき作品である。

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大塚史貴