母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。のレビュー・感想・評価
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☆☆☆★★★ ヤスケン目線で語られる母親への感謝の気持ち。 原作未...
☆☆☆★★★
ヤスケン目線で語られる母親への感謝の気持ち。
原作未読。簡単に。
普段、なかなか言えない母親への感謝の言葉。
それを持ち合わせて居る人ならば、心にグサっグサっと刺さる事だらけ。
思えば我が母親も、残りの人生はごく僅かと言えるし…。
それだけに画面を見ては「あゝこれは俺かもな〜」…と。尤も、ヤスケン程は叫んだりはしないとは思うのだけど。
それにしても。観れば観るほどに、この監督の本質が何処に有るのか?が謎に満ちて来るから不思議だ!
人間の心の奥底に潜む暴力を描写するのに長けている…と、これまでの作品歴で思っていたのだが。このところの作品歴を見ると、(『光』はらしい作品では有ったが)『セトウツミ』や『日日是好日』そして本作と。以前の剃刀の刃が画面上を飛び交っているかの様な、危険な感覚に溢れた作品との違いに戸惑うばかり。
とは言え、この作品でも。時々不穏な雰囲気になる瞬間が有って。例えば終盤の長男の村上淳が、ヤスケンと父親役の石橋蓮司を連れ回す場面。
その暴力的な振る舞いを観ていて。まさかそんな事にはならないだろう…と、確信はしているのに。ひょっとしてこの3人はナイフで刺しあったりするのか?…等と考えてしまう瞬間が、画面を観ていてフッと思い浮かんでしまうのだ。
出演者の中では、久しぶりの倍賞美津子。
終盤に向けてドンドンと病により痩せ衰えていく演技は流石。
石橋蓮司はいつもの様に、ダメなオヤジ役をやらせると最早名人芸の域に。
ヤスケンは何をやってもヤスケン。
演技力だ何だ等は関係無し。突然何をしでかすか分からない危なさは、今の日本の映画界に有って唯一無二と言える存在になって来た感が有る。
そして松下奈緒。決して演技力の有る人では無いのだけど。この作品ではヤスケンと倍賞美津子に寄り添い支える強い女性の役。これまでとは一皮向けた感じで、今後が楽しみになって来た。
最後に、原作通りとは言え。KIDはちょっとタイミングが〜(-_-)
美津子が居るのだから、そこはアントンに差し替えで…と(u_u)
2019年2月26日 TOHOシネマズ日比谷/スクリーン8
母の愛が染みる
原作は新潮社・宮川サトシ氏の、エッセイコミック。 つまりは実際にあったこと。
ヤスケンが久々に、パンツ一丁や全裸になっているので、名作です。
いや、実のところヤスケンは真面目な「宮川サトシ」の役で、名演技なんですが。
いつだって心のどこかで頼りにして、強い人だ・死にやしない、なんて思ってた母親に、突然病魔がとりつき、半年~2年で亡くなってしまう…
いつでも、誰にでもおこりえる、当たり前の話なんですが。
死にゆく母に何をしてあげられるのか、何を言えるのか。
死なないでほしいという気持ちをぶつけるのは、残酷ではないのか?
そんな悩みは誰にでも起こることで、だからこそ胸を打ちました。
さらには、母の死後1年経ってから届いたプレゼント。
この意味合いは、実際に母を亡くし、かつ自分の肉体が年を経てダメになった経験がある人間にしか、わからないかもしれない。
この点への理解がある人には、号泣ものの作品です。
それはそれとして、松下奈緒さんが、義母に向かって「その髪型、ゲゲゲの鬼太郎みたい」っていうシーンでは爆笑しました。
朝ドラネタを脚本にブッこむのは、狙い過ぎでしょ!
いい話だった!ただ一つ弱点がある映画だった。
家族愛とか最愛の人を無くす事への心の葛藤をテーマに人間味のあるユーモアと温かさのあるいい話でした。ただひとつ思ったのですが、親子の関係性とか個々のキャラクターを観てる人に植え付けるには映画じゃ足りてない。進行する病気が題材だし間違いなく映画より連ドラ向きだと思った。母親役の倍賞美津子さんの力強い母親というキャラクターも、子供の頃に母親が子を思う力を受けて病を乗り越えた主役サッサンの心境も時間をかければかけるだけ後半に活きてくるだけに2時間じゃ足りないのが残念だなと感じました。
ただ話は本当にいい☆
母と息子の濃密な時間を見るのは…
愛する母(倍賞美津子)が癌に侵され亡くなるまでの2年間、そしてその後の家族を、母と一緒に暮らした次男(安田顕)の一人称で語る作品である。
映画とは自らの人生を映すものだと改めて感じた。客席から漏れる嗚咽も十分納得できる。しかし突然母を失った私にとって今作を観るのは苦行だった。
「日日是好日」に続く大好きな大森立嗣監督作。決して悪くないと思うが……
個人的な問題で本当に申し訳ない。
順番通り
母さん大好き末っ子甘ったれお調子者中年男の ガンで亡くなった母親に纏わる思い出話+α
15歳の頃に急性リンパ性白血病で兄貴から骨髄移植を受けたこともある主人公。
母親に癌が発見された際、前を見て励まし根治を願うのは解るけれど、進行状況や年齢を考えるとこの時点で死ぬ可能性を考慮しないのは自身の経験からは理解出来ない。
序盤の骨上げや通夜の様子とその後の生い立ちの様子は失礼ながらADHDの主人公を描いた作品なのかと思ってしまった程。
嫁のフォローもあって変化はあったけど今更という感じが強いし、軽めのつくりではあるもののコミカルさが際立つ訳でもないし、自分にはハマらなかった。
「ヨイトマケの唄」や、リリーの「東京タワー」のオカンくらいの母ちゃんなら、食べたいって気持ちもわかるんだが。
あまりにマザコン過ぎて引いた。大森監督も「さよなら渓谷」とかよかったのに、演出もベタで、こんなんも撮っちゃうんだとがっかり。
それと、自分の周りには母親に向かって「おふくろ」と呼ぶ友人はおらず、あれだけ連呼されるとどうも芝居感が際立って感じてしまった。結婚して子供を授かる設定にしてはヤスケンはちょっと歳をとりすぎているし、おまけにそこから東京出て漫画家?ってなる。携帯に「お袋」ってのもね、なんか違うなあ。ふつう、「かあちゃん」とか「(名前)」とかじゃないかなと思いながら、そんなとこも引いてしまった要素。
ここまできちゃうとちょっとひくな…
母子の愛はすごい感じるしこうありたいと思うけど、ここまできちゃうとマザコンに片足突っ込んだレベルで共感できない。やっぱりお互いある程度自立しないと。親族キャラもイマイチ半端な描き方で残念。
家族を病で亡くしたことがあれば号泣
私の母も白血病で2年間闘病して2011年春に亡くなりました。私も40代のおっさん。ほぼこの映画のストーリーと重なります。
そういう経験があれば予告動画だけでも泣けるし、オープニングから泣ける。思っていても口に出来ない事など「そうだよなぁ」と何度も嗚咽するくらい泣けました。
白血病についてはタイムリーですが、映画やドラマでは死の病というイメージが強いですが、骨髄移植出来れば、元気になる病気ですが、私の母は白血病でもタチの悪い種類で、高齢だったので移植も危険ということで移植はせずに闘病しました。若い方なら元気になることの方が多いと思いますので、闘病中方は( *˙ω˙*)و グッ!
勝ち目がないなぁと思ってしまう病気になっても、
死にたくない、
苦しい治療はしたくない、
死ぬのが怖い、
心配かけたくない、
暗くなりたくない、
家族に迷惑かけたくない、
残される家族が心配な、
いろいろな感情がが入り乱れると思います。
また、息子は、
とにかく生きて欲しい、
苦しんでるのは見てられない、
感謝を伝えたい、
それを伝えると死を受け入れることになってしまう、
これもいろいろな感情が生まれます。
1番近くで見ていると、お見舞いの方などに、
希望は失わないで、
きっと良くなるよ、
こんなに頑張っているのにそれ以上頑張ってって言わないで、
と、優しい言葉が辛かったのを覚えています。
それぞれとても良く表現されていて、急に自分の体験とオーバーラップするのでたまりませんでした。
逆に言うと、こういう体験をしていないと、そこまで泣けるかは分かりません。
安田顕さんのファンでもありますが、カメレオン俳優なんて言われていますが、チームNACSの演劇など見ていても、どの役もヤスケンが変わると言うよりも、逆にどの役もヤスケンそのままに変えていく感じがします。どちらかと言うと怪演という言葉の方が合っていると思います。この役も、ひょうひょうとしていたり、悪ふざけしてたり、裸になったり(笑)、叫んだり、そして鼻水垂らして号泣したり、いつものヤスケンでした。
ただただ、演出が昭和。
古くてうわぁと引いてしまう。
空にお母さんの笑顔が出たり、走っているヤスケンにズームインしたり、今どきNHKのドラマでもやらない演出に、マジか、、、と絶句もの。
また、暗い話だけにはならないように、病気の絶望と日常の退避対比のためかもしれないけど、音楽がポップ過ぎて、号泣した後に冷めてしまったり、ちょっとバランスがどうなのかなぁ、と思いました。
とってもいい話だし、演者も素晴らしいけど、演出で台無し、怒りさえ覚えましたが、、、それを踏まえても良い映画でした。
あまり泣けなかったが....。
安田顕のキャラがのび太くんのようで、もう少ししっかりしろ、とイライラしながら観ていました。
正直あの感じでは松下奈緒みたいな彼女はつくれないはず(笑)
もちろん悪い男ではないのだが、もうひとつグッとくるものがなかったかな~。
母と息子のストーリーとしては、年末に観た「それだけが、僕のすべて」の方が泣けましたね。
最後に息子に宛てた手紙の内容は深みがありみした。考えさせられる言葉の数々が胸に響きました。
親はいつまでもいない。元気なうちにもっともっと親孝行しなきゃと思える映画でした。
シリアスな場面が多々あるので、平日のお客の少ない回がお勧めです。
2時間ずっと隣のポップコーンの音が気になってしまったことがとても残念(涙)
とてもよかった
弟子の宮川サトシくん原作の映画で、本人が主人公なので、いつ俺の出番があるかと思ってドキドキしていたらなかった。初めて妖怪のネームを持ってきてくれた時に「素晴らしい!面白いよ!君にはすごい才能があるね」と一発で見抜く場面が確かあったはずなので、それを入れてもよかったのではないだろうか。
倍賞美津子がだんだん宮川君の漫画の絵に脳内でモーフィングしていく気がした。
見終わった後、イオンのはなまるでカレーを食べた。とてもおいしかった。
命とか、生きることとか、
人生は大変だ。
欲しいものが思い通りに手に入るわけではないし、突然病気になったりもする。
だが、そうした制約や壁があるからこそ、人は人の優しさや愛情に触れ、それに感謝し、例え完全な満足はなくても、希望のある充実した人生を送ることが出来るのかもしれない。
サトシには母の愛情が溢れ、父はちょっと情けないが、性格は受け継ぎ、兄の骨髄も身体の中に生きている。
そして、病気と闘う母親のことを一番理解しようとする真里は凛としてブレない。
サトシの幼い頃からの長い長い物語は、母のプレゼントで一区切りを迎えるが、実はそこからが、また長い長い物語が始まることを予感させる。
愛情が溢れる物語だ。
こうして、命や人の愛は次につながっていくのだ。
僕は、明子が、ガンの治療中に大震災で亡くなった人達のラジオニュースを聞いた時の強い表情を見て、きっと諦めずに最後まで頑張ろうと決心したのではないかと思った。
人は強い。だから、会ったことも話したこともない人達の困難にも心を寄せることが出来るのだ。
誰かの為に、自分に何が出来るか考えもするのだ。
母は、短い命を諦めずに、サトシの、そして家族の期待に応えようとしたのではないだろうか。
これはどこにでもいる家族の物語かもしれない。
家族が亡くなるのは辛く悲しい。
だが、力強いメッセージがこめられた人々の背中を押す物語のように感じられた。
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