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賢王バーフバリとその息子シヴドゥ、親子二代に渡る冒険と戦いを描いたアクション叙事詩『バーフバリ』シリーズの第二作にして最終作、『バーフバリ 王の凱旋』のノーカット完全版。
監督/脚本はS・S・ラージャマウリ。
日本公開されたインターナショナル版よりも約25分長い、インド国内で放映されたオリジナル版。
大きな変更点としてはデーヴァセーナ姫が傷ついたバーフバリを想って歌う「かわいいクリシュナ神よ」というミュージカルシーンが追加されたことが挙げられるが、そのほかにもかなりの数の未公開シーンが挿入されている。
未公開シーンの存在によって大きく印象が変わった、ということはないのだが、それでもやはり「なんでここカットしたんだろう?絶対あった方が良いじゃん!」というシーンがいくつかあった。
特に「おっ!」と思ったのは奴隷剣士カッタッパがバラーラデーヴァの父であるビッジャラデーヴァの誘いを断り、一発顔面パンチをくれてやるところ。
ここが有るだけでカッタッパのキャラクター性が飲み込みやすくなるし、何よりビッジャラデーヴァとの因縁に片がついた。
ただ、カッタッパについては完全版での追加セリフによって新たな疑問も…。バーフバリ曰くカッタッパの年齢は60過ぎらしいのだが、ということはバーフバリ編の25年後であるクライマックスのバトルでは、彼の年齢は少なくとも85歳以上…。いくらなんでも元気すぎるだろ💦これがヨガパワーなんすかね?🧘
通常版鑑賞時、どうも腑に落ちなかったエンディング。王位継承のゴタゴタに翻弄されたのにも拘らず、結局シヴドゥが新たな王になるんかい…。
このモヤモヤにも完全版はちゃんと答えてくれており、エンドロールに補足的なセリフが挿入されています。
この補足セリフ、何気ない感じではあるのだけれどとっても重要!これがあるだけでシヴドゥの王位継承というモヤモヤオチも許せる。
ラージャマウリ監督も「うーん。このオチはなんか違和感あるな…」と思っていたのだろう。そこに対してキチンとした回答をつけるんだから、やはりラージャマウリは信頼出来るクリエイターである👏
25分長くなったということでシヴドゥ編の取ってつけた感が薄まっているのかな、と思っていたのだがそこはそのまま。
父バーフバリ編がモリモリなのに比べて、大団円である子シヴドゥ編はなんだか小盛り。
時間配分もバーフバリ編が2時間、シブドゥ編が45分ですからね。これおかしいだろ💦
完全版でシヴドゥ編が多少は補強されたとはいえ、同様にバーフバリ編も補強されているわけでやはりシヴドゥ編のついで感は拭えていない。というかむしろ強まっている。
バーフバリ編とシヴドゥ編のバランスの悪さというのは、もう少しなんとかならなかったのだろうか。やっぱりこれ、3部作にするべきだったよね。
とまぁ事程左様に、追加要素によって良くなった点もあるがそれほど全体の印象は変わらず。とはいえ長くなったことでテンポが悪くなった訳ではないし、時間に余裕があれば完全版の鑑賞を推奨、って感じかな?