ピータールー マンチェスターの悲劇

劇場公開日:

ピータールー マンチェスターの悲劇

解説

「秘密と嘘」「ヴェラ・ドレイク」などで知られるイギリスの名匠マイク・リーが、19世紀初頭のイギリスで起きた事件「ピータールーの虐殺」を映画化。1819年、ナポレオン戦争後で困窮のさなかにあるマンチェスター。深刻化する貧困問題の改善を訴え、政治的改革を求める民衆6万人がセント・ピーターズ・フィールド広場に集まった。鎮圧のため派遣された政府の騎馬隊は、非武装の群衆の中へ突入していく。多くの死傷者を出し、イギリスの民主主義において大きな転機となったこの事件の全貌を、リー監督が自ら執筆した脚本をもとにリアルに描き出す。出演は「007 スペクター」のロリー・キニア、「博士と彼女のセオリー」のマキシン・ピーク。

2018年製作/155分/G/イギリス
原題または英題:Peterloo
配給:ギャガ
劇場公開日:2019年8月9日

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受賞歴

第75回 ベネチア国際映画祭(2018年)

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コンペティション部門 出品作品 マイク・リー
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(C)Amazon Content Services LLC, Film4 a division of Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2018.

映画レビュー

3.5まさかマイク・リーがこれほど巨大なスケールに挑むとは

2019年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

巨匠マイク・リーはいつも、人と人との交流や摩擦の中でほとばしる一瞬のリアルな空気を逃さない。そんな彼が時代劇を撮るようになったこと自体びっくりなのだが、さらにこの映画のクライマックスとなるピーターズ広場での虐殺シーンはあまりにスケールが大きく、かつ壮絶さと無慈悲さと無念さが相まって、全く言葉が出なくなってしまうほどだ。 事件に至るまでの道筋を、リーは独特なペース配分の人間ドラマとして丹念に描いていく。それは一見すると朴訥で、地味にさえ思えるかもしれないが、しかしシーンを重ねるうちに登場人物の素の表情が窺い知れて、少しずつ愛着がわいていく。そうやって点描されてきた人々が、いつしか運命のピーターズ広場にて一堂に会し、それぞれの立場で虐殺を目の当たりにする。あの朴訥とした表情が悲鳴と苦しみに変わる恐怖。本作を目撃した我々が痛感する無念な気持ちこそ、民主主義の根幹をなすものであることは明らかだ。

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牛津厚信

2.0勉強にはなるけど楽しめるとは言えない

2024年12月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

この映画で描かれるのは、今から200年以上も前のイギリスで実際に起こった虐殺事件である。 衣装や暮らしぶりは確かに時代を感じさせるものだが、マンチェスターの人々の暮らしに流れる「政治との距離感」は現代とあまり変わらないように感じた。 ただ、それ以上にイギリスの歴史に疎い状態だと背景の説明が足りないように感じる。 映画の中でも少しは触れられているが、どうしてここまで選挙に対する熱量が高まっていたのか一応解説じみたことを書いておく。 ナポレオン戦争が終戦したことで退役軍人の帰還により失業率が高まったこと、記録的な冷夏で穀物自給率が下がったこと、この2つの要因で国民の暮らしがかなり苦しかったことがベースにある。 さらにイギリスの選挙区は16世紀から変わっておらず、人口の増減が反映されないままだった為、人口が少ない農村地域では有権者の買収による不正選挙が横行していた。 つまり、金持ちが金で権力を買い、さらに自分たちに有利な制度を作ったり維持しようとしたりする世の中だったのだ。 苦しい状況と腐敗した政治への不満から、改革への期待が高まり、改革を訴える弁士の演説を応援する大集会が開かれることになる。それがこの映画で描かれているマンチェスターでの集会だ。 内容については現代とも通じるし、よく分かるのだが映画として面白かったか?と聞かれるとかなり微妙な仕上がりだと思う。 「面白く作ろう!」とか「盛り上げよう!」という気持ちを持って作られていないので、映画的な感動と興奮を期待すると「なんじゃこりゃ」と思う。 真面目に描き過ぎて記録映像を見せられているみたいに感じてしまうのだ。普通選挙を求めて活動している人がいたり、女性の政治参加を求めて活動している人がいたり、当時の社会を余らず描いているものの、そこは虐殺事件の本筋ではない部分なのでむしろストーリーを重くしてしまっている。 すごく勉強になる、という意味では世界史の授業中に観るなら良いかもしれない。

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つとみ

3.0実際の事件の映画

2021年9月24日
iPhoneアプリから投稿

 自分の無知を改めて実感。このピータールー事件、初めて知りました。  選挙権を求めての決起集会、武器を持たない民衆に向けて、王や貴族院は騎兵隊を鎮圧に向かわせ力で押さえつける。無抵抗な民衆を奇兵隊員が斬りつけ、馬で踏みつけ、なぐりつける。同じ英国民なのに。こんな酷い出来事があったなんて。でも英国民の多くもこの事実をしらない人が多かったということは驚き。まぁ日本も南京大虐殺など、授業でも触れないし、自国の汚点には触れないようにするのは何処の国でもあることなんだなぁ〜。

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アンディぴっと

2.5富める者はより富んで・・・現在も変わらず。

2021年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

公平な選挙を求めて集まった人々を軍が襲った「ピータールーの虐殺」を描く物語。 とても風変りで戸惑いを覚えた作品です。 BGMは一切なし。演説や裁判シーン、議論等は端折らずに全て見せる手法。良く言えば「リアル」。悪く言えば「冗長」。 正直に言えば、2時間30分を超える上映時間を考えると、「冗長」に感じられる映画で評価を大きく下げました。 ただ、産業革命後の社会。資産家と労働者階級に分断された世相。国王、貴族、資産家、保守派と、革新を求める人々との断絶を良く表現出来ているようにも感じました。 また、集会に軍が乱入するシーンは派手さはなくても迫力があって秀逸。逃げ惑う民衆・・・だけではなく、興奮から制御が効かなくなる軍人等もしっかりと活写します。 映画自体の私的評価は低めの2.5ですが、当時の社会を知る為に鑑賞して良かったと思える作品でした。

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よし

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