ナチス第三の男

劇場公開日:

ナチス第三の男

解説

第2次大戦下のナチス・ドイツでヒトラー、ヒムラーにつづく「第三の男」と称されたラインハルト・ハイドリヒを描き、フランスで最も権威のある文学賞「ゴング―ル賞」の最優秀新人賞に輝いたローラン・ビネによる世界的ベストセラー小説「HHhH プラハ、1942年」を、「猿の惑星:新世紀(ライジング)」のジェイソン・クラーク主演で映画化。その非道さからヒトラーも恐れ、150万人を超えるユダヤ人虐殺の首謀者として絶大な権力を手にしていったハイドリヒ。その暴走を止めるため、チェコ亡命政府は2人の若き兵士を暗殺チームとしてプラハへ潜入させた。綿密な計画を立て、慎重に待ち続けること数カ月。ついに2人はハイドリヒ暗殺計画決行の朝を迎える。ハイドリヒをクラークが演じ、ロザムンド・パイク、ジャック・オコンネル、ジャック・レイナー、ミア・ワシコウスカらが顔をそろえる。監督は「フレンチ・コネクション 史上最強の麻薬戦争」のセドリック・ヒメネス。

2017年製作/120分/R15+/フランス・イギリス・ベルギー合作
原題または英題:The Man with the Iron Heart
配給:アスミック・エース
劇場公開日:2019年1月25日

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(C)LEGENDE FILMS - RED CROW N PRODUCTIONS ‒ MARS FILMS ‒ FRANCE 2 CINEMA ‒ CARMEL ‒ C2M PRODUCTIONS ‒ HHHH LIMITED ‒ NEXUS FACTORY ‒ BNP PARIBAS FORTIS FILM FINANCE.

映画レビュー

3.5一定レベルはクリアしてるが、もっとより良い描き方があったはず

2019年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

人間ドラマといい、サスペンスといい、アクションといい、この監督がそれぞれをかなり高い品質で描ける人であることは間違いない。そしてベストセラー小説を基にしているだけであってこのナチスへの抵抗運動をめぐる人間模様も見応えがあり、それぞれ主軸となる人物を演じる俳優陣もささやかなれど、適度な存在感を刻んでいる。

残念なのは、視点をバラけさせることで一人当たりの人間の厚みが削がれてしまったことだろう。一人のビジョンではなく、あくまで視点の集合体として描こうとした試みはよく分かるが、せっかくここまで丁寧に作り込まれていながら、この構成は非常に勿体なく思える。タイトル・ロールのラインハルトに関しても、彼の人間的な部分を接写しながらそれが全体像とは結びつくことはなくチグハグな印象を残す。私がそう感じてしまうのは、昨年『ハイドリヒを撃て!』という全く同じ題材を扱った秀作が公開されたばかりだからだろうか。

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牛津厚信

3.5思ったのと違う、、!

2024年11月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

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ゆい

4.0予備知識があれば面白いと思う

2024年4月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ハイドリヒ暗殺を中心に、暗殺される側ハイドリヒと暗殺を実行する側チェコ人青年の両面を描く。
多くのレビュアーさんたちが書かれているように、この尺でこのボリュームは明らかに詰め込みすぎであり、例えば、ハイドリヒが冷酷な野獣と化していく、なんて描写はないし、暗殺部隊の意気込みや苦悩なんかも薄い。
つまり本作だけ鑑賞した場合、若干薄味であるし、何よりストーリーがよく分からない。

しかし、過去にいくつか作られたハイドリヒ暗殺の映画を観ていて大まかな話の流れをわかっていれば、本作はかなり面白いと思う。

まず前半は、男の尻を叩かせたら天下一品ロザムンド・パイクとハイドリヒを演じたジェイソン・クラークが実に雰囲気があって良い。
ハイドリヒの真っ直ぐさと勤勉さが、彼を金髪の野獣とまで言われるほどに、冷酷で盲目な男に落としたのだろう。
そうなるように支えた妻が、行き過ぎてしまったハイドリヒと噛み合わなくなっていく様は面白かった。
カットバックを多用したミスリードを誘うような演出がすれ違いを実に上手く表現していたと思う。

後半は、チェコ人青年たちのロマンスと仲間たちが追い込まれていく様が描かれる。
愛国的夢と個人的夢の間で揺れる若者の苦悩や、皆が時計を見やる暗殺の瞬間は見応え十分だった。

そしてなにより、目を見張るショットの多さが印象的だ。
死にゆく者の視点で描かれるぼやけたシーン、荒れるハイドリヒのシーン、死を強烈に想起させる生を司るセックスシーン、水に沈む二人のシーン、それにラストシーン。
他にも挙げきれないほど良いショットがある。

映画はストーリーが第一というタイプの人には向かないだろうが、映像表現に重きを置いている私はとても刺さる作品だった。
ただちょっと小手先感があるのは否めないが、ストーリーを伝えるだけの画面を見ても見なくても変わらないようなつまらない作品よりは何倍も楽しめた。

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つとみ

3.52つの話になってる

2021年2月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

比較的早く歴史から消えたナチス幹部の珍しい伝記物と思い鑑賞。実際そのようなストーリー仕立てで進み「ふんふん大殺戮の代名詞となった男も元は奥さんにケツを叩かれてた弱気なオッさんだったのだね。良くも悪くも妻の存在というものは……」などと悦に入ってたら意外に早く暗殺当日に。そこからは唐突に「暁の7人」の説明ほとんど無しバージョンに移行。非業の最期までほぼノンフィクションぽく進むが、背景を勉強しておかないと何が起きているかサッパリ分からんだろう。欧米人にはこの辺りの経緯は我々の真珠湾攻撃ばりに頭に入っているのかね。
まあそれにしても特に東欧におけるナチの残虐非道ぶりは気分が悪くなるほどだが、このような恐ろしい報復がなされる事は計画段階で分かっていたはず。なぜこんなリスクに比べて効果が大して無い(実際ナチスの体制は何も崩壊せずヒムラーに権力が集中しただけ)暗殺計画を遂行したのか理解に苦む。チャーチルの思いつきだとしたら彼もある意味同罪だ。

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あっきゃん