オリエント急行殺人事件のレビュー・感想・評価
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原作を読んでなくてよかった
期待ハズレと面白さの真ん中。
証拠が徐々に見つかるところまではワクワクしながら推理していく様を観ていたが、結末は個人的には中途半端でした。
途中まで底が見えない、かなりの深さを期待していたら、沈みきる前に泡となり消えたみたいな…そんな感じ。
恐らく、紐解かれる事柄の裏付けや、ポアロの推理力を納得させてくれるだけの材料が観客に与えられないことに対する物足りなさ。
全てがポアロの頭の中だけで完結してしまい、言葉のみで説明されても推理モノに慣れた現代の多くの人には納得感が薄い。
これだけの名優と素晴らしい景色なのだから、もしたとえそれが原作に忠実でないとしても、加えてくれたら一級品のミステリー作品だったに違いない。
ミステリーとは。
アガサ・クリスティの有名小説を再映画化。
僕的には、アガサ・クリスティは古典の域にはまだまだだと思っているが、再映画化の意義は古典の継承にあるかのようだ。
広い空間をカメラが走り回るだけでうれしくなってしまった。
クローズド・サークルのミステリーが待っているだけにエルサレムの街並みなど爽快であった。
ケネス・ブラナー監督作品は久しぶりに観るが、作品ごとに進化しているようだ。
1974年のシドニー・ルメット版があるという前提で、本作は作られているはずで、だが、僕はルメット版をちゃんとは観ていない。
ストーリーは2015年の三谷幸喜版で入っている。
2時間をきる上映時間で、この事件を描き切った手腕は見事である。
ラチェット(ジョニー・デップ)がもっとイヤなヤツに描かれていれば効果はもっと上がっただろう。ポアロ(ケネス・ブラナー)がラチェットの警護を断る理由に少し説得力が足りない。ここは三谷版でラチェット役をやった佐藤浩市に軍配が上がる。
ポアロの苦渋の決断のために冒頭のシークエンスがあって、よくよく考えられた脚本である。
オリエント急行を降りたったポアロにエジプトはナイル川での事件の知らせ。初めから続編やる気満々だったのか。
「ナイルに死す」、期待をもって待つことにしよう。
アガサクリスティー
知っていてもGoood!!
原作に興味が出てきました。
名探偵
ポワロがアグレッシブ!
「オリエント急行殺人事件」をしっかり観たのはこれが初めてではないだろうか?
古典の名作は知りつつも何故か接点がなかった。結果…なんだか得した気分だ。
薄ボンヤリと覚えているポワロ像は好々爺で腹もぷっくり出てて、およそキレ者とは程遠い外観だったように思う。
幼き頃読んだアガサの作品に描写されるポワロと全然違うんだなと、思った記憶がある。
ところが今回のポワロはどうだ?
激昂もするし、人間不信だと断罪するかのように人を信じないと言い放つ。
頑固者だし、十二分に偏屈だ。
原作の描写を思い出しながらクスっとする。
作品はさすが名作と言われるだけあって、しっかりしてる。
それプラス映像表現が進化しているので、魅力的なカメラワークも堪能できる。
今回、初見だという映画ファンは運がいい。
名優が名優たらんとする贅沢な時間を映画館で過ごしてほしい。
2017-95
実はこの映画、2回見ました。
1回目は、UC会員デーだからと行かねば!と、ちょっと飲んでからのレイトで見たら、すぐ爆睡、なぜか謎解きの部分だけ覚醒(笑)
あんま飲んでない自覚あっても、飲み会のあとはまっすぐ帰るべき←
これじゃレビュー書けんよなぁと2回目見てきました。
覚醒したため、最初からクライマックスわかってるわけですけど、それでも楽しめるのはアガサ・クリスティも俳優陣の名演技もどちらもすごいからなんだろうと。
ラストの容疑者が一列に並ぶのは圧巻。
ラストはヒューマンドラマ的な締めくくりで、雪と風と哀しい音楽がマッチした名シーン。
みんな素晴らしいのですが、ミシェル・ファイファーが特によかった。
感情の昂りや心の痛みが息遣いを通して、こちらにも伝わってくる。
てか、隣のカップルの彼氏が、「この人怪しい」とか「犯人じゃね」とかまじうるさかった。
お前ポアロかよ!
汽車がちょっと・・・
★★★★
リメイク続編に期待
字幕版を鑑賞。オリエント急行殺人事件はアガサ・クリスティの代表作の一つで,1974 年にも映画化されており,43 年ぶりのリメイクということになる。74 年版の出演者には,アンソニー・パーキンス,ショーン・コネリー,イングリッド・バーグマン,ジャクリーン・ビセットなど錚々たる豪華俳優が出演した名作であったので,果たしてリメイクが興行的に上手く行くのだろうかと興味深く鑑賞した。
列車内の事件そのものは,驚くほど原作に忠実で,旧作との違いもほとんどなかった。ただ,列車に乗り込む前にポアロがエルサレムで事件を一つ解決する様子が冒頭部分に追加されていた。007 のオープニングのような感じでポアロの能力を示す意図なのだと思ったが,この部分が予想外に長かった。演出のキレは悪くなかったので,先が楽しみになったが,容疑者を一人一人尋問するところでかなりダレて眠気を誘ってしまったのが残念だった。
ジョニー・デップが出ているというのが話題だったが,彼でなければならない役ではなかった。ペネロペ・クルスが出ているというのにも興味を惹かれたが,妖艶さが全く感じられない役どころだったのには驚いたし,かなり失望を禁じ得なかった。てっきり伯爵夫人を演じるものと思っていたからである。旧作で伯爵夫人を演じたジャクリーン・ビセットの美しさは筆舌に尽くし難かったので,今作にも期待したのだが,あまり目立っていなかったのが非常に残念だった。一方,監督自らが演じたポアロはなかなか良かったと思うが,MVP は,ハバード夫人を演じたミシェル・ファイファーではなかろうかと思う。エンディングで歌まで披露しているらしい。
音楽は雰囲気を壊さず,トラディショナルで良い曲が書かれていた。アガサ・クリスティ作品の映画化は,1970 〜 80 年代に盛んに制作され,それぞれが非常に印象に残る作品だっただけに,リメイクという話がなかなか出ず,新作に飢えていたところだったので,個人的には非常に楽しめた。この調子で続編にも期待したいところである。台詞の中で,次は「ナイル殺人事件」かと思わせるようなやり取りがあったので期待したいが,個人的に最もリメイクが見たいのは「検察側の証人」である。
大勢の豪華キャストの中で,誰が犯人なのかという興味を引くべく,40 年くらい昔のクリスティ作品の映画のポスターは,出演者の顔がずらりと並んだものが多かったが,市内に貼られたそのようなポスターの中に,赤いマジックで顔を囲み,「こいつ」とネタバレされたものを見たことがある。映画を観た後だったのでことなきを得たが,ひどいことをする奴がいたものだと思った。本作でそれをやるととんでもない事態に陥るのだが。:-D
(映像5+脚本3+役者3+音楽4+演出3)= 72 点。
決着の付け方を楽しみに見た
三谷版以外は試聴し、原作も繰り返し読んでいる身としては、ミステリとしての楽しみはなにもない。
それでも新しいオリエント急行は心待ちにしていた。
原作未読で映画、ドラマを見たことのない人、あるいは、映画そのものの面白さを期待する人と自分とでは、注目しているポイントが違っていると思う。
犯人は当然知っているし、誰がどんな背景を持っているかも全部知っている。犯人を変更したのでないかぎり、驚くようなことも新鮮な点もなにもない。
それでも映画館に足を運んだのは、犯人を指摘する前後のポアロを見比べたかったからだ。
人情裁きハイオッケー大団円!という原作と、スーシェポアロの見せた激しい葛藤。ルメット版も陽性の終わり方だったと記憶しているが、さてブラナー版は?
悪党なら殺していいのか?
それは正義なのか?
法に委ねるべきだと正論を唱えるのはいいが、その法がなんの役にも立たないことを目の当たりにしたら?
ポアロは犯人の正義、善、悪、罪をどう見、どう判断する…どう判断するかは原作から逸脱しないかぎり「見逃す」一択だとしても、どんな思いで見逃すと決めるのか?
そのポアロの判断に関わるであろう、犯人の様子や態度は?
ブラナーポアロは、見逃すわけにはいかない、だから私から逃れたければ私を殺せと銃を与えた。
弾は抜いてあったから、どちらにせよ死者は出ない。(どんな形であれ殺人を幇助するなど、ポアロは決してすまい)
ただ、その銃をどう扱うかで、犯人の中の一人、最も強い怒り、痛み、悲しみを感じたリンダの、善悪や今後がはかられたのだと思う。
どんな相手や動機にせよ、自分の望みのための殺人をまたやるのか? それとも、もう二度としないと信じられるのか?
ずらりと並べられたら被疑者たち同様に、大袈裟な、舞台向けのケレンに富んだ演出だとは思うが、この決着はなかなか良かった。
罪は罪だと断じて激高し、見逃すことが激しい葛藤と苦悩の結果であるスーシェポアロが私にとっては一番の好みだが、ブラナーポアロも次回作があるなら是非見に行きたい。
ただ…ナイル? ふーむ…原作ではポアロは殺人が起こる前から現場にいるのだけど、映画では殺人があったからと呼び出されることになる…それとも、呼びに来た理由の殺人は別件で、その解決後に船に乗り、という導入かな?
そういうこまかいことが気になるのも、ミステリ好きならではかw
原作がよいと、最高。
年末にふさわしいゴージャスな映画!ミシェル・ファイファーが特にいい。
アガサ・クリスティ原作、世界一の名探偵ポアロ役を監督も兼ねたケネス・ブラナー。
12人の容疑者には豪華な俳優陣たち。
中でもミシェル・ファイファーが名演技でした。ラストに流れる素敵な曲は彼女が歌ってるらしいです!
何度も観た予告編で【あなたはサスペンスで涙する】みたいな謳い文句がありましたが、ほんまでした。
この殺人事件は実は過去のある悲しい事件と全てが繋がっていて、車内には怪しい人物がゴロゴロいて、それぞれ嘘ばかりで…
予備知識ほとんどなく、もちろん原作も読んだことなく前作も観ずにこれ観ましたが、ラストの15分程?で一気に事件解決するシーンで見事に引きずり込まれた感じ。
中盤の、それぞれの容疑者へポアロが聞き取りするシーンでは、疲れてたのか不覚にも少しウトウトしてしまいましたが、だんだん事件の全容がわかってきて、ネタバレなのでこれから観る人のためにこれ以上は書きませんが、《誰も予想できない衝撃の真実》が名探偵の名推理によって一気に暴かれる。
人間の罪とは?断罪とは?
善と悪、正義と悪、そしてその狭間にあるもの。
誇り高く正義を貫いてきた、妥協を許さないポアロをもってしても、この罪は裁くことはできないのか?
いや、今回の苦肉の結論は、ポアロの今後の人生にもきっと大きな影響を与えるでしょう。
ポアロの人間性もよかった。
この人だからこそ、のラストシーン。
雪降る駅に途中下車。
1人降り立ち、次の事件へと向かう。
「人間とは・・・悲しいものですね」と背中が語っていました。
もう1つの主役、オリエント急行列車も美しく、トルコ・イスタンブールを出発してパリに向け雪山をひた走る様子や周りの景色も、CGやドローンでしょうが、本当に息を呑むほど美しく、まるで自分も同じ汽車に乗って旅しているような気になりました。
この辺りはさすがの映像美で魅了してくれるのが嬉しいですよね。
ぜひ大画面で!
年末にふさわしいゴージャスな作品です。
そして、必ず最後は自分に問いかけてしまうでしょう。
善とは?正義とは?
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