ブレードランナー 2049のレビュー・感想・評価
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凡作でした
レプリカントでも勘違いすんのね
人間を人間たらしめるもの
公開から1ヵ月経ってやっと鑑賞できた。2年ほど前に前作をスクリーニングする機会があり、そのときは映画作品の中に表れる当時のレーシズムを読み取るということをメインテーマとしていたが、人種すらも越えた人間と人造人間(人種にもなぞらえられるが)そして愛について描いたこの作品に非常に考えさせられるものがあった。そのため今作にも非常に期待を寄せていたが、忙しくて時間がとれずに危うく機会を逸してしまうところだった。そして、今回本当に鑑賞できてよかったと、心から思う。
簡単にまとめるならば、前作は人間とレプリカントの恋人関係を、今作は親子関係を主軸に描かれている。
他にも、レプリカントを使役し、"オフワールド"に住む未来(ともすれば現代)の無機質な人間と、両親や愛する人を欲し誰よりも人間らしく生きたレプリカントとの対比も見事であった。
拙生では語り尽くせない示唆に富んだ内容がつまった作品。
偉大なる前作?
やっぱりビジュアルが良い
やはり…
レプリカントは悩んでいるのか?
壮大な映像とその世界観は迫力があるが、レプリカントの悩み、苦悩が、人間が経験することのない悩み、苦悩のように思われるので、今ひとつ、物語に入りこめない。一寸、残念。
描こうとするテーマが、人間の思いを揺さぶる内容にならずに、感情移入し難い作りものになっている。「猿の惑星」の知的な猿は、人間ではないが、人と同じように悩んでいると感じる。しかし、「プレードランナー2049」のレプリカントは悩んでいるのか? 悩んでいるふりをしているのではないのか? と感じる。
また、レプリカントが人類に極めて近いように精巧に作られる程に科学技術が極めて進んでいるにもかかわらず、他の科学技術が余りに進んでいないので、物語の設定がアンバランスになっているのもストーリーに入り込めない一因だろう。
面白かったけど、、、
良いけど長すぎる
予告では最新の映画らしい綺麗な映像であったが、実際には前作の小汚い街並みの空気感も忠実に再現されており、前作の印象を壊さずに最新技術でアップデートした映像に仕上がっていた。
実体を持たないホログラムのAI(つまり二次嫁)のジョイがもう可愛くて可愛くて。ハリウッドにこんな可愛い女優さんがいたのかと。そして彼女を唯一の心の拠り所とするKに感情移入してしまったので、Kとジョイの関係の帰結に関心が向いてメインのストーリーはどうでもよくなってしまったのだが、なんとジョイは途中で退場という残念な結果・・。
まぁいい映画には違いないのでもう一度見てみたいとは思うのだが、いかんせん長すぎる。どう考えても120分前後にまとめられた内容だと思う。
それと同じ監督の「メッセージ」でも感じたことだが、映画の間にずーっとかかっている低音がドンドコドンドコやかましくてかなわなかった。どうも私はビルヌーブ監督の音作りとは相性が悪いようだ。
前作は最近のリバイバル上映で鑑賞して素晴らしい映画だと思ったが、今作についてはそんなわけで少し辛めの点数に。
記憶を入れた電脳はゴーストを宿すのか
公開は多分10月27日。1か月もたっていないから一日に2回くらいはやってるのかな?なんて思っていたけど、とんでもない。朝一番の1回しかやっていなかった。
前作のブレードランナー(1982)を見てないと意味がわからないだろうし、過激な宣伝しているわけでもないし、しょうがないのか。
寂しい劇場内を見ると、客層もやっぱり前作を見ていたような人たちばかりで、中高年の方しかいない。
そもそも前作も見る人を選ぶ映画だったわけだし、その続編の本作からブレードランナーに入る人っていうのは
①単なる映画好き
②本作がSFの金字塔と聞いた(エンタメ性の強い)SF好き
③熱狂的なブレードランナーファンにおすすめされてしまった人
④ライアン・ゴズリングのファン
これくらいじゃないだろうか。(偏見)
私は前作を見たのは学生のころだったので、当時は見ていて苦痛と感じる瞬間もあった。はやっているSFといえば、スターウォーズだとかスタートレックだとか、エンタメ性の強いものだから、(どのジャンルでもそのようなものか。)こんなに重くるしい映画は楽しめなかった。
そんな当時の私と同様に、②の人はこの映画を3時間近く見させられて苦痛だったかもしれない。
だけど①の人は楽しめたんじゃなかろうか。私はもちろんこの映画の虜になっている。
前作の記憶が薄れているが、前作よりもミステリー的なストーリー性があったので、この先どうなるんだろうというワクワク感があった。
そして、作品のテーマもいまの時代に合ってきて、現実感があって楽しめた。
この作品のテーマは「人工物が記憶をもったとき、そこに魂は宿るのか」ということだろう。
人工物(レプリカント)を処刑する主人公は、人工物に魂があるかどうか、そもそも人工物であるかどうかで悩むことになる。
(レプリカントではないが、ジョイは魂を持ってるように感じた)
似たような問題が攻殻機動隊というSF漫画にもでてくることを思い出した。この作品でも「電脳(人工脳)にデータ(記憶)を入れればそこにゴースト(魂)は宿るのか?」といった話がたびたび出てくる。
攻殻機動隊では、データだけで電脳にゴーストは宿らない。
それに影響されているのだろうか、私は人工物が魂を持つことはありえないと思っている。
ブレードランナーはそんな夢物語でしか出てこない問題がテーマだ。前作が公開された時代には、夢のまた夢だったかもしれない。
だけど今はどうだろうか。将棋AIがプロ棋士を負かし、ロボットがバク中する時代だ。
レプリカントはAIやロボットとは違うかもしれない。だけどこれからは、この映画で起こっている問題に直面する時代がすぐそこにあるのかもしれない。(2049年より先だろうが。)
(以下、蛇足)
ジョイちゃんかわいいよ!丸顔でおめめぱっちりの童顔!なのにカラダはオトナ!
最高じゃないですか!アナ・デ・アルマス大好き!
レプリカントのおっぱいおっぱい。
ジョイのおっぱいおっ…
おっぱい出さないじゃないか!
セックスシーンはないかな…と思ってたら、他の女の体を使ってセックスの流れに!こりゃおっぱい見れるぞぅ!
…でもやっぱり本作の主題とは関係ないから、事前と事後のシーンのみ…おっぱいすら見せてくれなかった…
やっぱりハリウッド女優がおっぱい見せてくれるわけないよな…なんて思いつつ、どうしてもおっぱいが見たくてネットで調べてみると
…あった…!
カリブの白い薔薇(2006)でおっぱい出しているではないか!
こう言う映画みたことなかったけど見てみようかしら…
メキシコ人女性はいい…
リドリー・スコット版ピノキオ
壮大だけど
切ない
SFアクションみたいな派手なものを期待していたけど、切なく悲しい、考えさせられる作品だった。自分が何か大きな物語の悲劇の主人公だと思い始めた途端、何者でもない哀れな存在だと知る。そしてそこからようやく自分の物語を生き始める主人公に、胸が熱くなった。そしてそこに至るまでの苦悩や葛藤こそがまさに人間らしく、そこに嫉妬したであろう、あの女性レプリカントが必要以上に暴力的になっていったのも、とても人間らしく思えた。あの地下組織もそう。おおよそ人間がやりそうなことを繰り返す悲しさ。それをレプリカントがしていることが哀れでもあり、感動的でもあった。一番非人間的だったのがウォレスだったけど、非人間的だったからこそ人間だろうな、と思わされるのがなんとも…。
映画館で観た直後は画的な美しさの方が印象に残ったけど、後から友だちと映画について話したり、他の人のレビュー読んだりして、どんどん物語にのめり込んでいくような感じで、もう一度観たくなる。
前作のように多方面に文化的な影響を与えるようなものではないだろうけど、前作にさらに深みを与えるような美しい続編だと思う。
アンドロイドは擬似親子の夢を見るのか
リドリー・スコット版『ブレードランナー』をリアルタイムで観賞した世代としては、当時「なんて暗いSFなんだ」という感想しか持ち得なかった。
『未知との遭遇』や『E.T.』のファンタジーに酔いしれ、たまに『ターミネーター』のようなリアル路線の映画があっても、最後は人間が勝利するという神話を信じこまされていたからだ。
これほどまでに『ブレードランナー』的なディストピア到来が確実視されている今日、本国アメリカでは特に先行き不透明な若年層に敬遠され興業がふるわなかったという事実は大いに納得できる。
しかし、(清水節氏の解説によると)前作へのオマージュはもちろん、ピノキオ、カフカ、ナボコフ、タルコフスキー等々の文学やアートからの膨大な引用を新たに盛り込んだ本作は、前作同様、上映終了後シネフィルの間でジワジワと盛り上がっていくに違いない。
レプリカントと呼ばれる人造人間が永遠の寿命を手に入れ、3Dホログラム(アナ・デ・アルマス)が普通に恋愛感情を抱く。そして生殖や妊娠が人間を区別する特徴ではもはやなくなった時、我々人間の存在自体もあやふやになってくる。
記憶操作さえ可能な未来、(レンガの壁を突き破れば人間じゃないことは普通気付きそうだが)自分が人間であることを証明する数少ない手段の一つが、K(ライアン・ゴスリング)がとった“ルーツを辿る”という行為だったのではないか。
タイトスカートやピタパンに浮き出たパン線は監督の狙いじゃなかったにせよ、レプリカントのくせに喜怒哀楽を素直に表に出す女ターミネーター=ラヴ(シルヴィア・フークス)が、むしろ矛盾だらけの人間に最も近い存在ではなかったかと思うのである。
「バッド・ボーイ」とKをたしなめながらも、ある時はKを空中から援護、Kの仕事を邪魔する無能な上司は迷わず刺殺、Kにつきまとう変な虫は踏み潰すといった、まるで冬彦さんの母親を思わせる偏愛モンスターだ。
Kが○○○○○との間に父息子の関係を夢見ていたとすれば、もう一方のレプリカントであるラヴは、Kとの間にいつのまにか疑似母息子の関係を仮想構築していたのではないか。
ラヴが流した涙の理由についてはみなさんひっかかるようで諸説あるようなのだが、あえてこじつけるるならば<母性への共感あるいは憧憬>ではないかと思うのである。
レプリカント誕生=出産のシーンでは感動の涙、命令違反を犯したKをまるで我が子のようにかばうジョシ=マダム殺害の場面では、その母性への畏敬をこめた涙を流したのではないだろうか。
あえて例えるならば、シルバーシートにボケッと座っていると、出産経験のありそうな中高年女性が率先して妊婦に席を譲る、それに似た(男性にはわかりづらい)感覚である。
電気羊の夢を見て、サクリファイスという最も人間らしくない行動をとった人間になりたかったレプリカントは、やはりロイと同じ運命をたどるのであろうか。雨の中の涙のように、雪の中で浮かべた満足げな微笑とともに。
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